風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第242回  留萌本線・増毛駅

路線の思い出   第242回  留萌本線・増毛駅  〔北海道〕


真冬の増毛駅
怖いのは入口の凍結より
駅舎内土間の凍結である

《路線データ》
    営業区間と営業キロ   輸送密度 / 営業係数(’83)          
   深川~増毛 66.8km    1053  /  603  ※現在の輸送密度は深川~留萌が149
                             留萌~増毛は39にまで落ち込んでいる
    
   ※2016年12月4日限りで、留萌~増毛 16.7kmが区間廃止となり、現在は深川~留萌
    50.1kmとなっている。
運行本数(’16)
深川~増毛 6往復  深川~留萌 下り2本、上り3本  留萌~増毛 下り1本
        留萌~増毛 16.7km の廃止後は 深川~留萌 下り8本、上り9本


悩ましい中年男の夢の駅・『増毛』も
ついに”引っこ抜かれた”か

増毛駅(ましけえき)は、北海道増毛郡増毛町弁天町にあったJR北海道・留萌本線の駅である。 
廃止時には1面1線のホームを持つ、留萌本線の終着駅であった。 無人駅で留萌駅が管理していた。 2016年12月5日の留萌本線 留萌~増毛 16.7kmの区間廃止に伴って、当駅も廃駅となっている。

以前は広い構内で、貨物用側線と留萌側200メートル程の位置に転車台(機関車本体からの空気圧による半自動操作方式)が敷設されており、駅員を初めとする職員が多数詰めていた旅客・貨物の要所であった。 留置線はなく、列車は行先表示を変えて折り返していた。


もう行先表示を変える事も端折って
『普通』表示で通していたよ

2013年度の乗車人員は0人であるが、「JR北海道留萌線の現状」によると、2014年の平日の乗車人員は11人、乗降客数は23人であった。

廃駅後も駅舎・線路ともに、解体される事なく存置されている。 地元の増毛町は観光客を誘致すべく、駅の建物面積を開業当時の駅舎の規模に合わせて2倍に増築するなど、駅舎の改修工事を行う予定との事である。




廃止区間で残せたのは
この駄作のみ

この増毛駅も、ワテにとっては相性のすごぶる悪い線であり、駅であった。 それは、この駅の前にレンタカーを止めて2回車中泊をしているのだが、いずれも爆弾低気圧に襲われての猛吹雪で、「よくぞ、札幌へ無事帰還できたなぁ」というような目にあったのである。

そして、廃止の年の正月にようやくこの区間の乗車にこぎつけたのだが、この時も午前中は比較的緩やかだった雪が地吹雪となって、午後に予定していた留萌本線の廃止区間での撮影が俗に言う『ウヤ』(何でも「ウンテンヤスミ」の事らしい)となってポシャり、しかもその『ウヤ』を知らずに瀬越駅の地吹雪の中で、”若くもないのに”1時間近くも吹きッさらしの中で待ちぼうけを食らい、真剣『寒さでくたばる1歩手前』となったよ。


若さを失った今
地吹雪の中で1時間はマジで死にかけたよ

この時は、天塩まで《オロロンライン》の国道232号(『羽幌線ライン』と言った方が分かりやすいか)を地吹雪の中を伝っていったが、話が前後するけど下の話で夜の地吹雪は経験済みで、日本海から離れると地吹雪は解消されたので、以降は何事もなかったし。

それでは、そのあらましを語っていこうか。 最初の増毛駅へのコンタクトであるが、苫小牧で「インクラの滝よ・・、もう一度」でコケて展望台での滝見のみとなって撤収、その後に未乗区間の増毛~留萌に乗車すべく増毛の方へ向かったのである。

だが、苫小牧では穏やかな曇り空だったのが、留萌に近づくにつれて吹雪となってきたのである。
吹雪になって、レンタカーのフロントガラスに真っ白な斑点が叩きつけられる。 でも、吹雪の中での車の運転は、昼より夜の方が断然視認性がいいのである。 まぁ、これも「経験が母となった」って事で、昼のホワイトアウトの恐怖に比べると断然マシなのである。


昔は札幌からの直通急行もあったし
街もコンビニが数件ある割と大きな街
駅と鉄道だけが乗り越されたようだ

・・で、何とか増毛駅の広い駅前に車を止め、ウォシュレットとなったトイレの前に車を横付けする。
まぁ、駐車方法としては御法度なのだが、まぁ、正月の夜の駅に近寄る車もないし、トイレから車を離すと「小用に行くにも吹雪に晒される」という事なので赦してね。←宿に泊ればいいだろうが! このタワケ!という耳鳴りが聞こえる・・

深夜半過ぎには吹雪がMAXとなり、噴き上がる地吹雪で車が横転しかねない勢いだったよ。
この時、軽の料金で1300ccのビィッツが充てがわれたので、もしかしたらコレが横転を防いだ”ラッキー”だったのかも。

・・で、留萌線未乗区間を解消すべく、翌朝の6時の増毛始発に乗り込む為に”出発準備”をする。
まずは、トイレ前に着けた『今夜の城』・レンタカーを正規の駐車スペースに戻す事だが、昨日の吹雪はタイヤの2/3を埋める程に吹き溜まっていて、この除雪から始めねばならない。 幸い、北海道のレンタカーの全て・・という訳でないが、トランクにシャベルがあって(気の利くサービスだ)、これでフロント部分とタイヤ周りを穿っていく。


コリャァ・・ 列車でも
吹雪の時は前が見えんぞ

除雪に1時間近くかかって、車を無事正規の駐車スペースに移動して、幾分小止みとなった吹雪の中、パリパリに凍った駅舎の中に入る。 でも怖いよ。 油断していると駅舎に入った途端に、凍り付いた床でズル滑りするのだから。 こんな所で転んだら、駅の中のプラッチック椅子に激突したりして大怪我につながりかねないしィ。

・・で、駅舎の中で6時を回り、6:11発の列車の入線時間が近づいてくる・・が、列車は一向に現れない。 その内発車時刻の6:11も経過し、6時半前にようやく「吹雪の為に終日運休」の『玉音放送』が入る。 この瞬間・・、猛吹雪の中で車がひっくり返りそうな風の煽りを受けながら一夜を耐えた苦難も、早朝から一時間かけての車周りの除雪も全てムダとなったのであった。


未乗区間乗車の本願成就が叶った時は
午後から『ウヤ』となって
知らずに待ちぼうけを食らって死にかけたよ

仕方ないので、「もしかしたら動いているかもしんない」深川~留萌へ出張ってみる事にする。
吹雪は小康状態だったが、昨夜からの吹雪で国道231号の《増毛バイパス》の入口が吹き溜まっていて、車が突っ込んで通行止になってやがるよ。 こうして、吹雪の中を国道231号線を伝って札幌に戻る事が確定したのである。


『ホワイトアウト』
こんなので車の運転は肝を冷やすよ

でも、『ホワイトアウト』・・、本当に前が見えんわ! もう、フォグランプ・ライトの全てを点けて、とにかく対向車に”当たられない”ようにする。 でも、ジモピーの猛者は、この天気の中でもオッカナビックリのワテを抜き去っていきやがるよ。 抜かれると、後輪で蹴られた雪が舞って、完全に前が見えなくなるのでそら恐ろしい。 もぅ、抜かれた後は、おとなしく停車していたな。 そして、抜きたい意志を出した後続車は、全て止まって抜かさせてあげたよ。

この恐怖は雄冬トンネル位まで続くが、札幌に近づけば近づく程に地吹雪も路面の雪も消え始め、アスファルトの黒が見えるようになってきたよ。 結局、雄冬まで3時間近く、雄冬から1時間半の4時間以上を費やして札幌に戻り着く。 レンタカーの返却は翌日だったけど、この時は車を運転するのが嫌となって即効返却したよ。

二度目は前年で上述のように「留萌線未乗区間に乗る事」にシクじったので、再び増毛駅で車寝アタック。 この時はシンシンと降る雪て前回ほどではなかったけど、もう留萌本線はヤル気が全くないらしく、この時も『ウヤ』だったよ。 何でも、部分廃止となる’16年なぞは、正月から3月の初めまで「落雪の危険がある為」に長期間運休だったしィ。

今回も「留萌線未乗区間に乗る事」は叶わず、仕方がないので《明日萌駅》の方へ行ってみる。
この時は駅舎内に『ウヤ』の告知があったので、長期運休に突入していたようだ。
なので、夜明け前から《明日萌駅》へ向かう。 そこで撮ったのがコレ。


車のライトで照らしてバルブ
明日”萌ぇ~”してくれたかなぁ


夜が明けると吹雪になって
写真は撮れたけど『ホワイトアウト』の地獄の特訓


こんな天気なら
本州人は鉄道で移動するな

帰りはまた懲りずに、『ホワイトアウト』の中を《札沼線ロード》・国道275号線を伝っていく。
でも、交通量が多いせいか路面の雪が蹴り散らされて、轍がハッキリと見えた分だけ楽だったよ。
ここも、浦臼を通り過ぎると吹雪はなくなり、前回より楽!?に札幌に戻り着く。

でも、札幌口は積雪ゼロで完全にアスファルトは出ていたし、天気も快晴で気温も+のようだったよ。
何か納得いかんなぁ・・と、ブツブツ言いながらレンタカーを返したのを憶えている。

・・で、教訓。 冬の留萌には車では近づかんように。 まぁ、恐怖の『ホワイトアウト』を2回乗り越えたけど、次は事故る事も十分あり得るし・・ね。













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No title * by おじさん
行きたい

byハーゲーおじさん

No title * by きゃみ
こんばんは。
これまた大変な時に増毛に行かれたんですね・・・事故が無くて何よりでした。
夜明け前の明日萌駅に萌えました(笑) 夜明けの気動車の絵もイイですね。

私が訪問したのは2年前の夏の一回きりですが、その時の様子をトラックバックしますね。

No title * by 風来梨
おじさん、こんばんは。
枕元に資源が散らばっている時など、なぜか涙が出ます。

もう、かつてあった『奇跡の体力』と 失いつつある『資源』を懐かしみ、毎夜枕を涙で濡らしているワタシです。

No title * by 風来梨
きゃみさん、こんばんは。

冬の北海道は、根室や日高本線の太平洋側は快晴がほとんどで、日本海側の留萌や増毛、羽幌は地吹雪って事が多いです。 だから、正月に利尻富士を見るのは至難の技ですね。 稚内市の勇知で「利尻富士と列車」を何度も狙ったのですが結果は4連敗で、天気の安定する5月に何とか撮れました。

でも、日本海に沈む夕日と留萌線・・、撮りたかったなぁ。 北海道の夏はもっぱら『山』でしたので、TBで夏の北海道を堪能させて頂きますね。 TB有難うございます。

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行きたい

byハーゲーおじさん
2018-01-14 * おじさん [ 編集 ]

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こんばんは。
これまた大変な時に増毛に行かれたんですね・・・事故が無くて何よりでした。
夜明け前の明日萌駅に萌えました(笑) 夜明けの気動車の絵もイイですね。

私が訪問したのは2年前の夏の一回きりですが、その時の様子をトラックバックしますね。
2018-01-14 * きゃみ [ 編集 ]

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おじさん、こんばんは。
枕元に資源が散らばっている時など、なぜか涙が出ます。

もう、かつてあった『奇跡の体力』と 失いつつある『資源』を懐かしみ、毎夜枕を涙で濡らしているワタシです。
2018-01-15 * 風来梨 [ 編集 ]

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きゃみさん、こんばんは。

冬の北海道は、根室や日高本線の太平洋側は快晴がほとんどで、日本海側の留萌や増毛、羽幌は地吹雪って事が多いです。 だから、正月に利尻富士を見るのは至難の技ですね。 稚内市の勇知で「利尻富士と列車」を何度も狙ったのですが結果は4連敗で、天気の安定する5月に何とか撮れました。

でも、日本海に沈む夕日と留萌線・・、撮りたかったなぁ。 北海道の夏はもっぱら『山』でしたので、TBで夏の北海道を堪能させて頂きますね。 TB有難うございます。
2018-01-15 * 風来梨 [ 編集 ]