風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第39話  北八ヶ岳・雨池峠〔厳冬期〕

よも”ヤマ”話  第39話  北八ヶ岳・雨池峠〔厳冬期〕 〔長野県〕 ’92・ 1


陽光にギラギラと輝く樹氷群

  北八ヶ岳 やつがたけ (八ヶ岳中信高原国定公園)
北八ヶ岳は、北横岳 2480メートル を盟主に樹木に覆われたなだらかな山々が続き、山腹には池沼や草原がひっそりと点在し、静かで瞑想的な雰囲気を漂わせている。 その山容は南八ヶ岳の山々のようなダイナミックさはないものの、縞枯れ模様の樹林帯を抱く縞枯山 2403m や、溶岩台地から形成された自然の楽園・坪庭など、自然景観に富んだ眺めを魅せてくれる。

無雪期の高山植物や野生小動物の住処である坪庭の庭園散策や、森の中の池塘めぐりも捨てがたいが、最も魅力的なのは銀世界となる厳冬期だろうか。 この山域はピラタスロープウェイが運行され、厳冬期でも山小屋が営業しているので手軽に山上に立つ事ができるのである。


氷点下の冷気が魅せる芸術
”エビの尻尾”

縞枯山の縞枯れ帯が朝日を浴びて美しいグラデーションを奏でる様や、シバレた樹林が魅せる”エビの尻尾”など、雪と氷の芸術に魅せられにいこう。




今回も前回と以下同文

   行程表              駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR茅野駅よりバス(1:00)→ピラタス山麓駅よりロープウェイ(0:10)→山頂駅
     (0:10)→坪庭(0:20)→縞枯山荘
《2日目》 縞枯山荘(0:10)→雨池峠(0:20)→坪庭(0:10)→ピラタス山麓駅よりロープウェイ
     (0:10)→ピラタス山麓駅よりロープウェイ(1:00)→JR茅野駅
     ※ 前回の『第38話 北八ヶ岳・坪庭』からの続き

翌朝、夜明け前に山荘の掘り炬燵の熱気に煽られて目覚めて、火照った身体を正気に戻すべく外に出る。 ぢ・つ・わ・・、正月という事で山荘内では夜通し酒が振る舞われる酒浸りの無礼講で、当然多少酒が飲めるワテは掘り炬燵の中で沈没したのである。

その炬燵の熱さと、酒での火照りで鼻血さえ出かねない状況となり、目が覚めると思わず外へ飛び出した・・という塩梅だ。 でも、これは写真撮りにとっては、至福の幸運な事だったのだ。
外は、息を呑むほどに美しい情景が広がっていたのだ。 これを目にして、震える寒さも相俟って完璧に写欲モードとなっちまったよ。


火照った身体を覚ますべくちょっと外に出て
写真人生が変わるような情景に魅せられた

アチラにはスペクトルな光の芸術、こちらには美しい縞枯現象の雪紋、向うの日が昇る方向はかぎろいの朝景色・・と、写真撮りなら本能的に撮りたくなる情景が目白押しだった。


濃紺から眩い白・・そしてかぎろいに変わる
スペクトルの空とモンスター樹氷

もう、この情景には言葉は要らない。 ただ撮った写真を並べるだけだ。 並べた写真でこの冬情景の素晴らしさが伝わらなかったなら、それは写真撮りの当時の(今も・・だが)ワテのウデが拙いからで、本当に感動の情景だった。 では、その感動の夜明けのシーンをごろうじろ。


朝の空に溶け込む三角屋根の山小屋


朝のスペクトルに染まる縞枯山

この感動的な情景に急いで上着を羽織って外に出る。 そして、そこらかしこに投げ出された素晴らしい情景を撮るのに夢中になっていると、いつの間にか陽が昇っていた。


いつもはメインに据える日の出シーンを
後回しにできる程に魅せられる情景だった

そう・・、日の出シーンよりもスペクトルに染まった周囲の情景の方がより魅せられたのだ。
だからか・・、日の出シーンは取り逃したが、この時はなぜか惜しい気持ちにはならなかったのである。


朝日が創り出す光と影
これに魅せられたのだ


モンスター樹氷が
雪面に落す影も芸術だった

やがて日は徐々に昇っていき、かぎろいから眩い白に変わる。
そうなると、すぐ近くに対峙する浅間山やモンスター樹氷を撮りたくなってくる。


朝の情景が一段落したら
次は浅間山にターゲットを据えてみる


樹氷のモンスターの間に
浅間山を入れてみた

そして、朝が終わって光がディライトに変わると、モンスター樹氷が雪面に描く影模様や、粉雪が雪面に描く風紋に魅せられよう。 それでは、その情景の”ごろうじろ”で締めたいと思う。


雪が吹き溜まる縞枯山の後方は
雪の重みで枝が押し下がって
団子となった樹氷が


そのダンゴモンスターを
影を活かして魅惑的に撮ってみる


ダンゴモンスターの究極は
幾重にも串刺しになった雪団子


縞枯れ現象がクッキリと
雪形で浮かび上がる名峰・縞枯山


縞枯山正面のモンスター樹氷の魅力は
スラリとしたスタイルが繰り出す美しい影模様

   ※ 北八ヶ岳のガイドはメインサイトコチラをどうぞ。













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