風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第314回  福貴野滝

『日本百景』 冬  第314回  福貴野滝  〔大分県〕


福貴野滝
何やら伝説でも秘めているかのような
滝の落ち口に
落水に打たれ続ける神秘的な岩塊があった 

   福貴野滝  ふくきのたき   落差 60m  大分県・宇佐市(旧 安心院町)


宇佐三滝 位置図

  滝へのアプローチ   宇佐市・旧安心院町市街の南方約18km
             別府宇佐道路・安心院ICより車利用(0:30)→滝駐車場

     行程表     滝駐車場より遊歩道を約10分で滝前に出る

宇佐市の旧・安心院町中心街より延びる大分県道50号が、この滝へのアプローチ道となる。
この道は湯布院へ抜ける主要地方幹線で、それなりに道幅は広く取られ、交通量もそれなりに多い。
まぁ、多いといっても『それなり』ではあるが。

前述の通り、湯布院より《安心院湯布院線》と呼ばれる県道50号線を北上する。 この道は舗装はされているのだが結構な山間道路で、冬季の深夜・早朝は凍結の恐れがある。 ちなみに、ワテが通った時は完全なる冬季で、車にチェーンを搭載する必要があった。

湯布院からの緩やかな峠を越えて水系が宇佐方向へ向くようになると、『福貴野滝・俯瞰台』の案内板が現れる。 だが、これは後回しにするか、無視する事にしたい。 なぜなら、この滝は滝前で望んで映える滝なのである。 それを俯瞰だけで済ますのは、何ともったいない事だろう・・と思うからである。


展望台入口にある案内板
※ 宇佐観光協会ウェブサイトより

『俯瞰台』を過ぎると県道50号線は数回の緩やかなつづらを切って駆け下り、下りきった所に小さな看板で判りにくいが『福貴野滝入口』の看板がある脇道が現れる。 滝へは、この県道50号からの分岐に小さく掲げられている『福貴野滝 入口』とある看板に従って、土手上にある集落の生活道路と思しき坂道を登っていく。

土手の上に上がって集落を過ぎると簡易舗装のか細い道が続き、幽谷にかかる滝の雰囲気が高まってくる。 2km程奥までつめるとあずま屋の建つ駐車場があり、ここには『宇佐三瀑・福貴野滝』と標された立派な滝の案内標柱がある。


詩歌の入ったこの案内版の方が
これより魅る滝への期待感を高ぶらせてくれる
※ グーグル画像を拝借

そう、この《福貴野滝》は前項の《余ノ滝》の項でも記述した通り、『宇佐の三瀑』として地元の強い滝信仰の対象とされている滝なのである。 そしてその名声の如く、訪れ来る者に神秘的な蒼い滝つぼと端正なストレートの飛瀑を魅せてくれる。


宇佐三滝で
最も神秘的な滝へ

ここから滝までは300m位だが、道はかなり荒れている感がある。 台風か何かの自然災害で、通路がズタズタにされたままで放ったらかし・・という印象がある。 これを通り過ぎると、いよいよ神秘的な蒼色の釜淵を従えた秀麗な瀑布が目に入ってくるだろう。


崩れた滝見道を伝っていくと
幽谷に蒼く輝く釜淵を抱いた
秀麗なる滝が視界に入ってくる


神秘的な釜淵の蒼に魅せられて

どのような言葉を持ってしても、この秀麗な瀑布は表現てきまい。 ワテの抱く表現方法であるカメラを片手に、この秀麗な滝風景を心ゆくまで味わおう。


枯れ枝を配して
滝の神秘性を表現してみた

蒼い釜淵に魅せられて、時が経つの事を完全に忘れていた。 時が過ぎ去る事を忘れる位に、ワテはこの蒼い釜淵に心を奪われたのだ。


蒼が透明に変る際と
白布の調和を狙ってみたが


どれだけ撮っても
この滝の優美さを表現しきれない・・と感じた


気を休めるべく釜淵の蒼から
カメラアイを外してみた

そして、この滝はもう一つの壮大な情景を魅せてくれる。 それは、この滝が“裏見の滝”であるという事だ。 だが、その滝裏は嵐の如くの壮絶な滝飛沫が舞っていて、「その姿を安易には魅せはしまい」との滝の意思さえ感じられるのだ。 


全身に滝飛沫を浴び
一度は「これ以上無理なのか」と諦めかけた


下に視線を移して
その美しい落水模様を眺め
もう一度前に進む気力を奮い立たせる

雨のような滝飛沫を全身に浴び、濡れた岩に足を取られ、寒さと恐怖に一度は進行を諦めかけたが、どうにか滝の裏手に周ってみる。 そこには、呆然とするほどの勇壮な情景が広がっていた。


滝の目の前に
滝飛沫に濡れた一枚岩盤があった
あと少しだというのに
簡単には通してくれない


滝の裏に周ると
そこは異次元空間のような感覚があった

長時間冬の冷たい風にさらされて、なおかつ全身に浴びせかかる滝飛沫に冷痛が走ったが、あまり気にはならなかった。 なぜなら、それ以上にこの壮大な情景に魅せられて熱くなる心が勝っていた気がしたからである。


勇壮な情景ばかりでなく
しだれ雨の如く岩を打つ
山水画的な情景も魅せてくれた


怖かった、寒かった、冷たかった・・
でも・・来て良かった!
難関を乗り越えて目にした
迫力ある滝情景に魅せられて

・・もう、どのように語っても、その時に熱く感じた心は表現できないと思う。 そして、言葉で表せるような小さなものでもないだろう。 従って、この続きは、実際にこの滝を訪れて体感して頂きたい・・と思う次第である。

   ※ 宇佐三滝の詳細は、メインサイトより『九州・滝めぐり』を御覧下さい。








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