風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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日本の滝を訪ねて 第151回  龍頭ヶ滝

日本の滝を訪ねて  第151回  龍頭ヶ滝  〔島根県〕


龍頭ヶ滝
立ちはばかる大岩盤と行く手の困難さで
より大きなスケールを感じる滝だ

   龍頭ヶ滝 りゅうずがたき  落差 60m  島根県江津市桜江町

  滝へのアプローチ  
江津市街より江ノ川に沿って旧桜江町域(2004年に江津市に編入)まで遡り、JR三江線の石見川越駅と集落を越えて山側へ約2km       

   行程表
 現在は、平成25年の山陰豪雨災害で滝遊歩道が崩壊して通行止となっている。
筆者(タワケ)のようにムリヤリ行くと、身の危険を伴いかねないのでやめとくのが無難。
通常時だと駐車場より滝まで0.8kmで、30分位で滝に辿り着く事ができる。


来年の3月で廃止となる三江線には
足しげく通っています

平成30年春の廃止が決まった三江線の撮影に訪れた際に、滝にも興味がある事から”ついで”の軽い気持ちで立ち寄る計画を立てたのである。 なぜなら、三江線は路線廃止になる程の閑散線で日に4~5往復の運行しかなく、日中に至っては運行される列車が1往復のみなのである。 要するに、朝の列車を撮り終えたら『撮り鉄』のターゲットがなく、”ヒマ”を持て余すのである。

まぁ、ワテは『撮り鉄』に関しても”ナンチャッて”で、間の空いた時間に撮影地を探してロケハンしたりしないのである。 まぁ、「3ナイ運動」を堅持して時刻表を持ってないヤツだからねぇ。
ちなみに、「3ナイ運動」の内容についてはコチラをどうぞ。

こうした「日中に発生するヒマな時間」を解消すべく組んだのが、この滝めぐりである。
・・が、いきなりヒマな時間を潰す”ついで”どころではない状況に遭遇したのである。


木が電線を絡めて倒れていたよ
もしかして3年間『放置プレイ』?

最初に訪ねたのは三江線の川戸駅から7~8キロほど離れた《千丈渓》であるが、駐車場に進入する道に木が電線を巻き込んで倒れていたよ。 その倒木に塞がれた駐車場の奥に『立入禁止』と書かれたA4の紙が、災害以降完全に『放置プレイ』だった事を物語る程に錆びついたハードルに張り付けられていたよ。


『後備え』の赤いコーンと
ゼブラバーの進入阻止は
いったい何を意味するのか?

それでも構わず突き進むと、あの《三三ノ滝》が滝前の様相を変えていたよ。 周囲には流れ出たのであろう、土砂や石ころがガレ状に重なった荒れ地と化していたよ。 それでも《三三ノ滝》は写欲をソソる滝なので、1ショットカメラに収める。


形が変わってもいい滝だ
落差2mだけれど


ちなみに以前の《三三ノ滝》

《三三ノ滝》を撮り終えて更に進むと、程なく橋が流失していたよ。 まぁ、渡渉用の用具もないし、基本は”ヒマ潰し”なので、この流失した橋を目にして即効引き上げる。


橋が・・
階段から先が流されていたよ

そして次にめぐったのは、表題の《龍頭ヶ滝》である。 まぁ、《千丈渓》であのような事になってるのだから察しが着くだろう・・と思われるだろうが、筆者(タワケ)に限っては全くもってその”察し”がなかったのである。 あるのは、四半世紀以上も前に訪れた時にまともに撮影する事ができなかったこの滝を、「どのように撮ろうか?」というお花畑思考だけであった。


豪雨災害で通行止となった
龍頭ヶ滝遊歩道の状況図


これより先は行かない方が無難
タワケは行ったけど・・

だが、普通の人なら”察し”が着く通りの状況だったよ。 駐車場に至る道はアスファルトが割れて割れ目から雑草が生えてくるなど、『放置プレイ』を凌駕して自然回帰モードを突き進んでいたし、遊歩道は完全に崩壊して落石だらけの荒れ放題の沢状況となっていたし、転落防止柵は落石でひん曲がってるのはいい方で、中には石の下敷きになって原型を留めていないのもあったしィ。

遊歩道は落石で潰されて消失し、遊歩道であった事も確認できない始末であった。 また、道にはトゲトゲ草が覆い被さり、通ると皮膚のアチコチがミミズ腫れとなるのである。


コレ・・遊歩道の痕ですよ
たぶん土石流となったんだろうね

まぁ、地方財政状況の厳しい折、この豪雨災害で同じく遊歩道が崩壊した「龍頭ヶ滝よりも著名な観光スポット」である《千丈渓》の遊歩道修復が行われずに『放置プレイ』だったならば、この滝が更に輪をかけて『放置プレイ』なのは自明の理なのである。

それでも、タワケは行くのである。 他の人をして「何故にこの状況で行くの?」と疑問符の着く状況でも、「せっかく旅費を叩いて来たから元を取らねば勿体ない!」と、このタワケの思考ではコスい下心が常識を上回るのである。

まぁ、目下の幸いは、「橋が崩壊したり通路が水没したり・・」の完全なる不可能ではなかった事だろうか。 岩をよじ登り、ガレ沢となった岩の間を足を踏み外さぬように伝いながら行くと、滝の展望所と思しき高台に登る通路と柵が見えてきたよ。 ここは落石の被害が軽微で、転落防止柵が原型を留めていたが、苔に生していたよ。


困難を乗り越えた先に
巨大な一枚岩盤と
中段が隠れ滝となった
ネジレ三段滝が魅えた!

そして、最後の進入を阻むトゲトゲ草の襲撃をかいくぐると、中段が隠れ滝となったネジレ三段滝を擁する巨大な一枚岩盤が見えてくる。 それは、四半世紀前に目にしただけの不確かな記憶を完全に凌駕する巨大な滝姿であった。 もう、公称60mを遥かに凌ぐ落差を感じたよ。 やっぱり、滝に行き着くまでの困難さが、その姿を更に尊く魅せているのだろう。 それでは、その尊き姿の滝をごろうじろ。


滝の上部を引っ張ってみた


落ち葉を配して
淑やかな秘滝を演出する


滝全体を望めば
大岩盤を擁して威圧的に

落ち葉と絹糸のような落水で
淑やかさを魅せて

二つの姿を併せ持つ秘滝
龍頭ヶ滝












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