風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第37話  小蓮華山

よも”ヤマ”話  第37話  小蓮華山 〔長野県・新潟県〕 ’91・ 8
小蓮華山 2769m 〔名峰次選 11峰目〕、白馬乗鞍岳 2469m


小蓮華岳より望む
杓子岳と白馬鑓ヶ岳

   後立山連峰 うしろたてやまれんぽう (中部山岳国立公園)
秀峰・白馬岳を盟主とした後立山連峰は個性的で優れた山容を持つ名峰が多く、人気・魅力とも北アルプスではトップクラスである。

大雪渓と広大なお花畑を擁する盟主・白馬岳 2932メートル 、高山のいで湯とお花畑が自慢の白馬鑓ヶ岳 2903メートル 、山々の姿を映す八方沼と広大なお花畑をかかえる唐松岳 2699メートル 、武田氏の御陵菱を雪形に持つ五竜岳 2814メートル 、2つのピークが吊尾根で結ばれていて他の山から眺めてもひときわ目立つ後立山連峰のもう一つの盟主・鹿島槍ヶ岳 2890メートル など、今すぐにでも飛んでいきたい名峰がそろっている。 

登山コースはどのルートを取っても素晴らしいものばかりだが、特に白馬岳から栂池へ下っていくコースは、山上の楽園を散歩する気分を満喫できる最高のコースである。 その他にも、唐松岳の北側にノコギリ刃のような岩峰を連ねる《不帰ノ嶮》を通るコースや、鹿島槍ヶ岳の北にある《八峰キレット》など、バリエーションコースも豊富である。




白馬大雪渓から後立山北部縦走ルート 行程図

    行程表              駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR白馬駅よりバス(0:30)→猿倉(0:55)→白馬尻(1:40)→葱平
     (2:00)→白馬山荘(0:15)→白馬岳(0:25)→白馬山荘
《2日目》 白馬山荘(0:40)→白馬岳(0:30)→三国境(0:40)→小蓮華山
     (1:10)→白馬大池(0:25)→白馬乗鞍岳(1:30)→栂池自然園よりバス
     (1:20)→JR白馬駅

    ※ 前回の『よも”ヤマ”話 第36話 白馬岳』からのの続き

我がファースト『日本アルプス』の登山では、さすがに「いきなりテント幕営」とは行かず、混み入る山荘での宿泊であったが、混み入った山荘(畳一枚に3人のギュウギュウ詰め)は暑くて寝苦しかったよ。
それに混んでる客を捌く為とはいえ、夕食が夕日のクライマックスを迎える前の16時半から順番に並んで・・という最悪なシチュエーションだった事もあり(さすがにこれはパスって、持ってきたパンと売店で購入したカップメンで凌いだ)、あまりいい印象を持てなかった。

だからだろうか・・、毎年の夏に行っていた放浪(プー)山旅では、宿泊費用の事もあって順次テント幕営に変わっていたよ。 まぁ、これより『奇跡の体力』の最盛期を迎えるに当たって、目指す山も幕営山行必須の山になっていったしィ。

前回でも記したが、山荘での食事をキャンセルした事で、時間だけは余裕ができた。 手持ちのパンだけでは腹減って、早く目が覚めたしィ。 ・・で、他の大多数の宿泊客が食事券を持って食堂までの廊下に並ぶ最中、ワテだけ日の出前の頂上へ。 たぶん、この順番待ちの人達は、山荘前で御来光となるのだろうね。

その頂上では、夕景ほどのパワーはなかったが、それでも食事券を持って並ぶ大多数の宿泊客が悔しがるであろう絶景が展開された。 周囲には数人いたが、たぶんこれはテント幕営の登山者だろう。 
やはり、テントは山での史観の使い方が自由気ままだね。 ワテの好みにあってるよ。


タテヤマリンドウ
花を集中して撮る山旅のプロデュース
テント山行は山での目的を特化できる

このブログの今月(’17年11月)のトップページの壁絵記事でも書いたが、写真でも山でも自由を縛るモノや規律でがんじ絡めとなったスタイルは違えたくなるんだよね。 そもそも、ワテが規律に従順な人間なら、毎年の夏に仕事を辞めて放浪山旅などしないわなぁ。 学校を「あと1日サボったら留年」まで計算ずくでサボって、ローカル線を追っかけたりしないわなぁ。

その「山荘が混雑するほど山に人が入っているのに、山頂の御来光シーン時はガラ空き」という奇妙な白馬岳での朝の御来光シーンと、とっておきの朝景をごろうじろ。 ついでに、人がいようがいまいが、相変わらずにドン臭いこの鳥もうろついてたので同時にごろうじろ。


白馬岳頂上からの御来光


山頂での”とっておき”の朝景
杓子岳に掛かる「信州おろし」


この素晴らしい情景の足元では
ドン鳥がヒナを放置プレーにしていた

さて、このシーンに満足したら、そのまま出発だ。 山荘泊まりのテント泊に比べての利点の一つに、簡単に荷物をまとめて出発できる事が挙げられる。 テントなら、たたんでパッキングするテマと、トイレの順番待ちを気にしなきゃならないし。 まぁ、食事を頼めば、朝飯の順番待ちでこのアドバンテージは吹っ飛ぶけれど。 それと山荘泊でも、トイレの個数によっては順番待ちは避けられないけどね。

さて、下山ルートは、白馬山域で最も初心者向け下山ルートの「小蓮華山から白馬大池を経て栂池自然園へのルート」で、道はもう25年も前のこの当時でも完璧に整備されていたようだ。 その道を30分程で、長野・富山・新潟の県境となる《三国境》に着く。 ここは数年先に登る雪倉岳への分岐点だが、その雪倉岳がまだ山をやり始めたばかりのワテにとっての”未知のヤマ”としてそびえていた。


雪倉岳はまだ”未知のヤマ”だった


雲海に浮かぶ
五竜岳から鹿島槍へのスカイライン

この《三国境》からは初心者向けの下山ルートらしく、緩やかに下っていく。 そして展望は、徐々に遠ざかる白馬三山が明るい岩肌の山体を魅せてくれる。 やがて、岩屑の積み重なりをザクザクと踏みしめて登り返す様になって、程なく〔名峰次選 11峰目〕の山・小蓮華山 2769mに着く。


小蓮華山と対峙した位置にある
雪倉岳を望む

この山からの白馬三山の眺めが素晴らしい。 白馬三山を望むなら随一の展望場所と言っても過言ではないだろう。 ワテが後に選出した〔名峰次選〕でのこの山の選出理由は、やはりこの山の頂で望む「白馬三山の絶景」に魅せられたから・・なのである。


この小蓮華山を〔名峰次選〕に選びし
白馬三山の絶景


小蓮華山は鹿島槍の双耳峰が
望める最北地点でもある

「白馬絶好の展望台」・小蓮華山を過ぎると、より傾斜が急となって下っていく。 前方に白馬大池が見えてくるのだが、この時の白馬大池を見た記憶に乏しい。 やっぱり、山の手始めの駆け出し時から、下りは苦手で足元ばかり見つめていたからであろうか。


ルート中の最も急な下りが
白馬大池への下りだろう

そして、普通なら撮っていて当たり前の白馬大池の写真も撮ってはいないようである。
なので、ウィキペディア画像をお借りしますた。


あら~ 白馬大池撮ってなかったのね
・・なので
※ ウィキペディア画像を拝借

湖畔には山荘が建っていて、この時間はこのルートを下る下山者向けの売店としているみたいで、山荘前のテラスでは天気が良かった事もあって、青空軽食・喫茶店となっていたよ。


傍らにトウヤクリンドウの咲く
素敵な青空喫茶店だったよ

白馬山荘で食事をキャンセルして空腹だったワテも、カレーライスを注文したよ。
でも、山で食うカレーって格別に美味しいね。 いつもテント泊で作るボンカレーは、商標通り真に『GOLD』だよ。


ウスバキスミレか?
もしそうなら『GOLD』級だね


イワオトギリ
この花が比較的多かった


キジムシロ
盛夏の暑さにやや萎れ気味

後は、この放浪旅の出だしで躓いた《天狗原》へ向けての下りだ。 当然あの時に道を埋めていた雪は跡形もなく消え、道からは陽炎さえ出る始末だったよ。 花も盛夏の暑さに晒されたのか、萎れ気味だったよ。 そして、幅をきかしていたのは、マツムシソウなどの秋の花だったよ。


秋の花・マツムシソウ
この花を目にすると
秋への季節の移り変わりを感じる

ちなみに白馬乗鞍岳 2469mの頂上は道すがらのケルンが乱立した所にあり、ケルンが紛らわしくて頂上がハッキリしなかったような。 そして、下山ルートは雪の中を彷徨ったあの時のように山腹の中央突破ではなく、山の左端を一直線に下っていくようであった。


秋の花は淡い紫色
イワギキョウ

後は花期の終わった《天狗原》の草むらを木道で渡り、ツニーカーでも行ける程に整備されつくしたジグザグ道を下ると《栂池自然園》に着く。 ここからは夏休みのシーズンのみ運行するバスがあり、それに乗って白馬駅に出るが、そのバスの時間待ちに《栂池自然園》の散策でもしようか。


ヤナギラン?
バスの待ち時間は
栂池自然園で時間潰し

















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