2017-10-23 (Mon)✎
よも”ヤマ”話 第36話 白馬岳 〔長野県・富山県〕 ’91・ 8
白馬岳 2932m 【名峰百選 9峰目】
白馬山頂にて
感動の情景を背後に
後立山連峰 うしろたてやまれんぽう (中部山岳国立公園)
秀峰・白馬岳を盟主とした後立山連峰は個性的で優れた山容を持つ名峰が多く、人気・魅力とも北アルプスではトップクラスである。
秀峰・白馬岳を盟主とした後立山連峰は個性的で優れた山容を持つ名峰が多く、人気・魅力とも北アルプスではトップクラスである。
大雪渓と広大なお花畑を擁する盟主・白馬岳 2932メートル 、高山のいで湯とお花畑が自慢の白馬鑓ヶ岳 2903メートル 、山々の姿を映す八方沼と広大なお花畑をかかえる唐松岳 2699メートル 、武田氏の御陵菱を雪形に持つ五竜岳 2814メートル 、2つのピークが吊尾根で結ばれていて他の山から眺めてもひときわ目立つ後立山連峰のもう一つの盟主・鹿島槍ヶ岳 2890メートル など、今すぐにでも飛んでいきたい名峰がそろっている。
登山コースはどのルートを取っても素晴らしいものばかりだが、特に白馬岳から栂池へ下っていくコースは、山上の楽園を散歩する気分を満喫できる最高のコースである。 その他にも、唐松岳の北側にノコギリ刃のような岩峰を連ねる《不帰ノ嶮》を通るコースや、鹿島槍ヶ岳の北にある《八峰キレット》など、バリエーションコースも豊富である。
登山コースはどのルートを取っても素晴らしいものばかりだが、特に白馬岳から栂池へ下っていくコースは、山上の楽園を散歩する気分を満喫できる最高のコースである。 その他にも、唐松岳の北側にノコギリ刃のような岩峰を連ねる《不帰ノ嶮》を通るコースや、鹿島槍ヶ岳の北にある《八峰キレット》など、バリエーションコースも豊富である。
白馬大雪渓から後立山北部縦走ルート 行程図
《1日目》 JR白馬駅よりバス(0:30)→猿倉(0:55)→白馬尻(1:40)→葱平
(2:00)→白馬山荘(0:15)→白馬岳(0:25)→白馬山荘
《2日目》 白馬山荘(0:40)→白馬岳(0:30)→三国境(0:40)→小蓮華山
《2日目》 白馬山荘(0:40)→白馬岳(0:30)→三国境(0:40)→小蓮華山
(1:10)→白馬大池(0:25)→白馬乗鞍岳(1:30)→栂池自然園よりバス
(1:20)→JR白馬駅
天海に浮かぶ武骨な戦艦のような
白馬山頂より望む夕景
10月は山のシーズンなのに、忙しくてなかなか休みが取れない。 そして「やっと休みが取れた」と、
さっそうと『紅葉狩り』をしに山へ繰り出すと、紅葉を狩る予定が木の根の郭に足を引掛けて「足を刈られた」よ。 お陰で、不在者投票の理由に「ケガ(捻挫)の為」と、真っ当な理由を記す事ができたよ! 全く・・。
でも、「足を刈られた」位では傷病休暇はもらえず、苦悶の表情で日銭稼ぐハメとなったしィ。
・・という訳で、記事の文を書き起こさねばならない『よも”ヤマ”話』の更新は、記事制作のヒマが取れなかったので久々となりますね。 では、久々の『よも”ヤマ”話』をば。
利尻山でよく見かけた
ミソガワソウが咲いてたよ
さて、北海道から東北を山をめぐって縦断した1ヶ月半に及ぶ我がファースト放浪旅は、この白馬岳がラストステージとなる。 そして、何を隠そう・・、この後立山連峰の白馬岳が、我がファースト『日本アルプス』であるのだ(立山の雄山を除く)。
なぜなら、高校のワンゲロ時代はあまりにも学校をサボり過ぎた為(あと1日サボると留年する位のギリギリまで計算ずくでサボって、廃止ローカル線を追っかけていた)に、ワンゲロ顧問の先公の怒りを買って北アルプスへの山行合宿への参加を拒絶されたからである。 でも、こんな下らん指導するから、生徒が更に捻くれるんだよ!と、その『諸悪の根源』がグチるのデスと。
東北に入ってから雨が続いた空模様も、東北の域を出て北陸まで戻ってくると快方傾向となり、このファースト『日本アルプス』の白馬岳に挑む当日は、嬉しい事に約半月ぶりの快晴となったよ。
まぁ、白馬尻についた雪渓の登り始めは、雪渓上を覆うガスで曇っていたけど。
白馬尻より望む白馬大雪渓
この時はガスっていた
さて、初めての『日本三大雪渓』の登高だが、この放浪旅の最初でこんな失敗をして雪の中を彷徨ったので、この雪渓を登った感想は、「『三大雪渓』ってこんなに傾斜が緩いの?」って事だった。
それもそのハズ、この1ヶ月半の山めぐりの放浪旅で、オール日帰り山行とはいえ13ステージで8峰を数える山に登ってきて”それなりに”身体がデキていたからである。
もう、前をゆくオッサンがトロくて、オッサンのザックを小突きまくっていたよ。 なぜなら、アイゼンなしで雪渓を登っていたので、滑る足元の雪に気を取られて下を向いて突進していたからである。
そしてその突進力は、「オール日帰り山行とはいえ13ステージで8峰を数える山に登ってきて」”それなりに”デキた身体から・・なのだから。
まぁ、コレにはザックを小突いたオッサンに、「前を見て歩け!」とドヤされたけれど。
でも、このオッサンも、数歩歩いては立ち止まったりするような、『(登山)社会の迷惑』な位にトロかったけれど。
この記事を見た読者(こんな細部まで見る人いるのかな?)なら、「そんなトロいオヤジはとっとと抜けばいいだろ!」と思うだろうが、6月の末から旅立ったこの放浪山旅も1ヶ月半が経過し、気がつけば盆休みの登山シーズン真っ只中で、人気のある白馬大雪渓は数珠つなぎの人だかりで、追い越しできる雰囲気ではなかったのである。 そして、雪渓中の登路は数珠つなぎの列の下に刻まれて、それは完全に雪が階段状のステップとなるなど『専用通路』と化していたし。
・・で、雪渓が途切れる《葱平》と呼ばれるお花畑に着くまで、このトロいオッサンの後ろから逃れる事ができなかったよ。 まぁ、ワテに限らす、後ろからくる登山者の面々も、このオッサンのトロさには辟易していたようだし。 雪渓が途切れた瞬間に、ワテを含めた後ろの登山者が一斉にこのオッサンをブッちぎったしィ。 このトロいオッサンへのフラストが溜まっていたんだろうねぇ、後ろの皆さん。
キンバイソウで染められた
黄色いじゅうたん
さて、《葱平》のお花畑では、このトロいオッサンの後ろでの憂さを晴らすべく、花の写真に興じたよ。
お品畑にはキンバイソウの黄色いじゅうたんや、コオニユリ、ミソガワソウなど、晩夏の花が咲き競っていた。
この凛々しい姿に心奪われたよ
後に編さんする【名峰百選】の山となる杓子岳
そして、上に視野を向けると、この後に【名峰百選】の山として取り上げる白馬三山の杓子岳が、鋭く尖った矛先を天に向けて突き出していたよ。 その凛々しい姿に魅かれて、杓子岳を【名峰百選】に選んだのである。
《葱平》にある小雪渓は晩夏で消えていて、このお花畑を過ぎて少し登ると程なく村営山荘が見えてくる。 村営山荘までは70~80mの登りだ。 その前にある窪地に『標高2700m地点』(確か・・)の看板とベンチがあり、ここでひと息を入れる。
晩夏の女王
コオニユリ
身体がデキて余裕が生まれてくると、「息を乱して(山荘)に着くのはみっともない!」と変な見栄が出てくるのである。 でも、この十数年後に、寝不足でヘバってこのベンチで昼寝しているのは藪の中に。
息を整えてから、イッキに村営山荘へ登りきる。 この村営山荘では、ビールカーゴがあったよ。
何でも『雲上ビアガーデン』だとか。 こういう所まで来て、下界でのイベントを欲する奴の思考が理解できんわ。
こういうのは下界でやってくれよ
こういう事もあったし、「より山頂に近い方がいい」という事で、これより50~60m上にある白馬山荘で泊る事にする。 でも、『畳1枚のスペースに3人』な位に混む白馬山荘より、比較的空いている村営山荘の方が良かったかな? 白馬山荘でもビールカーゴあったしィ。
白馬山荘で宿泊手続きすると、案の定混み具合は『畳1枚のスペースに3人』の見込みだったし、夕飯が1番手の16時半頃とトンデモない時間(身体がデキていたので早く着いちまったよ)に当てがわれたので、宿泊費をケチる事も相俟って素泊まりとしたよ。 まぁ、パンとか持って来ていたし。
白馬山頂の午後
『日本アルプス』の峰・初踏破!
・・で、夕食の時間を気にしないで済む分、白馬山荘から徒歩7~8分の頂上で山岳風景写真撮影に勤しむ。 それでは、午後からクライマックスのサンセットまでの素晴らしき情景をごろうじろ。
すぐ前に対峙する
白馬旭岳と湧き立つ雲海
光の乱反射がオーロラを魅せた
雲海の白い衣を露払いに
剱岳と湧き立つ雲海
北アの盟主・槍ヶ岳も忘れずに
もう、感動を抑えきれなかったよ。 コレを目にして、「山に登る楽しみが、生涯を通じての生きる糧となる」と強く思ったよ。 でも、この美味しい時間を『夕食の時間』とされた宿泊客の御霊は何処!?
そして山頂はクライマックスへ
先程まで湧き立っていた天海は
静けさを取り戻し
天海の波が静まって
やかてクライマックスの時を迎える
穏やかな天海に浮かぶ
黒船と月一つ
落日って
その日を名残り惜しむ感情を
煽るべくの情景なのか
だから・・ その日の最高の情景を
魅せてくれるのだろうね
黒船は陽が沈んだ後も
静かに天海を見護っていた
その姿に敬礼する自分がいた
なお、掲載写真が多いので、《2日目》の行程は次回の『第37話 小蓮華山』に続けようかと。
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No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。
マスニダは、事故を煽るかパヨクに反する思考を叩く傾向にありますね。
10年以上前になりましたが、福知山線の脱線事故でも執拗にJR西を糾弾してましたね。 でも、事の根幹は、「待たずに乗れるように」更なる増便と運賃の据え置きをメチャメチャなレベルで要求した「プロ市民」の連中とそれに呼応したパヨクな奴らですね。 そう、辻元詐欺味に投票するような連中ですね。
それと、長年ヤマをやってると、ブチ遭難は数多くありますね。 要は、その事態に陥った時に、如何に冷静に判断できるかです。 冷静に判断して対処できれば、笑い話やブログネタになりますね。
マスニダは、事故を煽るかパヨクに反する思考を叩く傾向にありますね。
10年以上前になりましたが、福知山線の脱線事故でも執拗にJR西を糾弾してましたね。 でも、事の根幹は、「待たずに乗れるように」更なる増便と運賃の据え置きをメチャメチャなレベルで要求した「プロ市民」の連中とそれに呼応したパヨクな奴らですね。 そう、辻元詐欺味に投票するような連中ですね。
それと、長年ヤマをやってると、ブチ遭難は数多くありますね。 要は、その事態に陥った時に、如何に冷静に判断できるかです。 冷静に判断して対処できれば、笑い話やブログネタになりますね。
警察の取り調べはメンバ-全員を犯人扱いし、消防のヘリには「あんたがたのせいで、県民の税金が使われていることを肝に銘じろ!と言われ、マスコミは心を傷つける矢のような質問攻めだったそうです。
怒らせると真実を語る!という道理で。
幸い会長の的確な判断で、マスコミには絶対クチを開くな!を守ったことで大事には至りませんでした。
要は遭難は絶対にダメ!と言うことを学びました。
言い訳になりますが、それ以来山が怖くなり撤退することが多くなりました。