風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第35話  尾瀬ヶ原

よも”ヤマ”話  第35話  尾瀬ヶ原  〔福島県・群馬県・新潟県〕 ’91・ 8


尾瀬ヶ原より望む燧ヶ岳

  尾瀬ヶ原 おぜがはら (尾瀬国立公園)
湿原の代名詞・『尾瀬』は、群馬・福島・新潟の三県にまたがっている。 この標高1400~1600mに位置する広大な湿原は、開花期になると様々な花が咲き乱れる。 6月初旬のミズバショウと残雪覆う至仏山 2228メートル ・燧ケ岳 2356メートル 
の景観には、思わずため息が出る。 

・・尾瀬ヶ原は燧ケ岳の噴火によってできた『堰止め湖』であったのが、長い時を経て湿原化したものである。 周囲を取り巻く山々からの雪解け水はこの湿原を潤し、やがて只見川となって日本海に注ぐのである。




尾瀬ヶ原全体の行程図
今回は竜宮までだけど

   行程表              駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 会津高原駅より車(2:30)→小沢平(1:00)→渋沢温泉小屋(1:45)→三条ヶ滝
     (1:10)→元湯山荘より尾瀬ヶ原周遊 竜宮折り返し所要2時間 →東電小屋
《2日目》 東電小屋(0:40)→元湯山荘(0:55)→三条ヶ滝1:40)→渋沢温泉小屋
     (0:40)→小沢平より車(2:30)→会津高原駅


北海道から東北に戻ってからは10日以上連続で雨模様となり、一度は土砂降りの為に先送りとなった尾瀬ヶ原だが、前回の田代山・帝釈山でようやく・・待ちに待った晴れ間が射してきたのである。
・・といっても、前回の田代山も大半は雨天の中の行動だったけれど。

記事内容とは関係ないけど載せる写真がないので
尾瀬ヶ原に咲く花々

ミズギボシ

でも、帝釈山頂上の展望岩の上で奥日光の山々を見渡せる事ができて、「やっと梅雨のような夏が過ぎ去ってくれたか」との実感が持てたよ。 それで、満を持して再度小沢平へ向かう。 何といってもこの尾瀬ヶ原散策が、この放浪の旅の『東北パート』の最大の目的だったのだから・・。

この小沢平って所はホント駐車する所がないねぇ。 登山口前に3台位のスペースがあるだけだよ。
これはワテがしたように前夜から出張って車を停めて”押さえ”ないと、この登山ルートを使用するのは不可能だね。 まぁ、このルートを利用するほとんどの登山者が尾瀬の御池に車を駐車して、小沢平に建つ《尾瀬口山荘》に泊る事を条件に、山荘のバスで送迎してもらっているらしいし。


この小沢平のエアシス尾瀬口山荘
でも今は・・
※ グーグル画像を拝借

このようにする事で尾瀬沼・燧ケ岳から尾瀬ヶ原、三条ヶ滝を結ぶ周回ルートを愉しめるから、この企画は登山客に大いに受けている・・との事である。 でも、「初めての尾瀬ヶ原」で尾瀬に対する知識も乏しく(マジでこの時は燧ヶ岳や至仏山は眼中になかった)、何より小沢平・尾瀬と食事付きで山荘に連泊するような金を持ってる訳がない”プーの放浪旅”だしィ。

まぁ、今回は”山歩きのビキナー”と言う事で尾瀬ヶ原では山荘に泊ったけど、食事は持ってきたパンやカップメンだったしィ。 これを記してて思ったけど、コンビニって便利だよね。 当時はまだコンビニがなどはほとんど普及しておらず、舘岩村(現在は田島町などと合併して南会津町となっている)のAコープで菓子パンを大量に買って持ってくる以外に術がなかったのだから。

尾瀬ヶ原に咲く花々

サワギキョウ

さて、その登山道中であるが、小沢平の標高が1000mで尾瀬ヶ原の入口の元湯山荘が標高1450m程と標高差は小さいが、渋沢温泉小屋までに3つの支沢を渡り、その沢を跨ぐ毎にアップダウンがあり、結構登っている感じのするルートだ。

ネットでこの登山ルートを調べると、昨今の豪雨災害で橋が流されて現在は橋がないんだって・・。
そして、も一つ調べたのだけど、尾瀬口山荘は廃業したんだってね。 尾瀬・御池からの送迎方式は通用しなくなったみたいだね。 登山者もより便利な”贅沢”を求めるようになったしィ。 今は山荘は解体されて、敷地跡は30台ほど駐車できる駐車場になっているらしいね。 あぁ・・、25年ひと昔・・だね。


山荘は解体されて
更地になっちゃったみたい
※ グーグル画像を拝借

まぁ、ワテの通った頃は橋もあったし、小沢平は尾瀬口山荘が送迎サービスするような辺境の不便な登山口で駐車スペースもなく、この事から登山者の少ない”秘境ルート”となって登山者は少な目だったよ。

小沢平からのルートは沢を跨ぐアップダウンで上下しながらも少しづつ高度を上げていくが、渋沢温泉の前でこれまで登った分をほとんど吐き出す程に急下降する。 急下降して渋沢を橋で渡ると渋沢温泉小屋に出る。 何でもこの小屋も、2~3年前から休業となり、今年に廃業となったそうな。


渋沢温泉小屋も廃業となったそうな
※ グーグル画像を拝借

尾瀬口山荘といい、この渋沢温泉小屋といい、現在のこのルートはかなり廃れていってきているようですねぇ。 まぁ、下山ルートに《裏燧林道》を使えば、大きな駐車場のある尾瀬・御池から燧ヶ岳・尾瀬沼・尾瀬ヶ原・三条ヶ滝をめぐって尾瀬・御池に戻れる周回コースができるのだし、下山後の足の確保できない小沢平のルートが廃れる訳だわ。

尾瀬ヶ原に咲く花々

イソツツジ

ちなみに、この小屋から1時間程奥にある秘滝・渋沢大滝はまだ目にしてません。 滝見に訪れようとは思っているのだが、なかなか機会が・・ね。 さて、この渋沢温泉小屋からは、急登となる。
これを登りつめると《裏燧林道》の分岐点となる《兎田代》に着く。 この《兎田代》は湿原としてはかなり枯れていて、湿原というより枯れた草地のような感じだ。

尾瀬ヶ原に咲く花々

ミヤマダイコンソウ

そして、登山者が少ない”秘境ルート”はこの《兎田代》までだ。 ここからは、三条の滝から《裏燧林道》を通って尾瀬・御池に至る尾瀬周回のメインルートとなるからである。 この《兎田代》から、三条ヶ滝のかかる只見川の本流に向かって下降していく。 この下降の最後は急で、鉄ハシゴや鎖を使って下らねばならなかった。

でも、再度訪れた数年後は白木の階段という巨大な構造物が設けられて、スタンダップスタイル(前を向いて)滝まで行く事ができたよ。 それに滝に被さる大木も除去されたみたいだし。 まぁ、ワテが最初に訪れた’91年は平成3年で、これはグリークルネッサンスが《百名滝》を選定した翌年だったんだわ。
だから、これ以降は観光ルートとして急ピッチで整備されたんだろうね。 それでは、観光地になる前の大木が滝を半分覆い隠した三条ヶ滝おば・・。


この時の三条ヶ滝の前には
滝の半分を遮る樹が立っていたよ

三条ヶ滝からは、滝を見る為に下った崖を鉄ハシゴや鎖を使ってよじ登る。 これを登りつめると、只見川の三条ヶ滝より上流側に沿って緩やかに登っていく。 途中に只見川の河床全体がナメ滝となった平滑大滝を見て、ほどなく尾瀬ヶ原の入口である元湯小屋に至るが、ここで珍しい事に出くわす。

それは、北海道の大雪山・旭岳で(ワテが”営業”をかけて)山に魅いられた兄さんと遭遇したのである。
何と、あの兄さんもワテと同じく、放浪プー旅をする御仁だったのである。 この兄さんと出くわした時は、さすがに声を上げたよ。


大雪・旭岳に一緒に登ったこの兄さんと
バッタリ出会ったよ

再会して「取り敢えず」と言う事で、後数分で登り着く元湯山荘までこの兄さんと一緒にゆく。
ちなみにこの兄さんは尾瀬ヶ原からの下りだったので、ちょっと戻った事になるね。
・・で、着いた元湯でこの兄さんと”よもヤマ話”に花を咲かす。

何でもこの兄さん、旭岳の後に利尻山と羊蹄山、東北に入って八甲田山と八幡平に登って、この尾瀬ヶ原も燧ヶ岳をめぐってきたという。 何かワテの営業のせいで、ワテより激しい山チャレンジャになったまったみたいですね。 ・・と言う事は、東北では雨の中を登られたのね。

・・で、お互いの山での健闘を称えて別れる。 旅から戻った後に、お気に入りのコレを送ったら「浮き立つさまがプロ並みですねェ」とのお褒めの言葉をもらったよ。


再会した兄さんに送ったのは
暑寒別で撮ったコレです

さて、尾瀬ヶ原からは、木道をひたすら歩く。 尾瀬ヶ原までの登りで4時間使っちまったので、どうやら山ノ鼻折り返しの尾瀬全体周遊はタイムオーバーでムリっぽいね。


至仏山へ連なる尾瀬ヶ原の木道

尾瀬ヶ原に咲く花々

サワギキョウの群落

だから今回は、肝心の尾瀬ヶ原の散策は消化不良となっちまったよ。 どちらかというと、尾瀬ヶ原に登るまでと大雪・旭岳に一緒に登った兄さんと再会した事がほぼ全ての山行だったな。

尾瀬ヶ原に咲く花々

コオニユリ

まぁ、登る前の尾瀬の知識に燧ヶ岳が欠けている自体が、この消化不良な結果となる必然となったのだろう。


振り返ると燧ヶ岳が
勇壮な姿を魅せていた

尾瀬ヶ原に咲く花々

竜宮の池塘に浮かぶヒツジグサ

今日は風呂があるという東電小屋に泊るが、プーで金がないので食事は持ってきたカップラーメンに湯をもらって食堂の隅で細々と食ってたよ。 明日はお茶と持ってきた菓子パンだわな。


尾瀬ヶ原と至仏山
東電小屋付近は至仏山の好展望地だ

翌日はいい天気だったけど、金が乏しくなって(持ってきた食糧の菓子パンも食いつくしたので)このいい天気を前にして下山せざるを得なかった。


こんないい天気と尾瀬らしい
霧が立ち込める美味しい情景でも
金と食糧がなければ
下山するより仕方なし

まぁ、計画的に登らずに勢いだけで登ったのと、長い雨の中で必要以上に宿に泊まった事・・、いやいや車が壊れてトルコン交換した10万が一番響いたよな。 尾瀬ヶ原は近い内に再度来る事を誓って、消化不良のまま黙々と往路を下っていく。


今回の尾瀬ヶ原で良く撮れたのは
サワギキョウと上のヒツジクサ位か











 












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No title * by 鳳山
尾瀬の花々、綺麗ですね。

ナイス

No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。

尾瀬ヶ原はその雄大な自然を護る為に、あらゆる施策が施されてます。 日本政府も、昨今の有事に対してあらゆる施策をしてほしいものです。

そして、尾瀬ヶ原の自然を護るべく、犬連れなどの自然破壊行為を防ぐべく常時監視してます。 日本も日本の象徴を騙るチョンの背乗りのような隠れた日本に仇なす敵を排除して、普通の国を護る能力を保持してほしいものです。

コメント






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No title

尾瀬の花々、綺麗ですね。

ナイス
2017-09-26 * 鳳山 [ 編集 ]

No title

鳳山さん、こんばんは。

尾瀬ヶ原はその雄大な自然を護る為に、あらゆる施策が施されてます。 日本政府も、昨今の有事に対してあらゆる施策をしてほしいものです。

そして、尾瀬ヶ原の自然を護るべく、犬連れなどの自然破壊行為を防ぐべく常時監視してます。 日本も日本の象徴を騙るチョンの背乗りのような隠れた日本に仇なす敵を排除して、普通の国を護る能力を保持してほしいものです。
2017-09-28 * 風来梨 [ 編集 ]