2017-09-03 (Sun)✎
『日本百景』 晩夏 第304回 伊勢・参宮めぐり 〔三重県〕
関西圏に居住の方なら、前夜発の1泊2日(もちろん、車中泊)で手軽に楽しめる景勝地が伊勢志摩であろう。 だが、伊勢以外に『志摩』まで加えてしまうと、到底前夜発の1泊2日では抑えきれないボリュームとなるので、ここは敢えて『伊勢』だけに留める事にしたのである。
それでは、『伊勢めぐり』をしてみよう。 伊勢の風景といえば、ひと昔前の修学旅行の定番地であった『夫婦岩』だろう。 日中は観光客で人だかりとなる『夫婦岩』周辺も、夜明け前なら誰一人としていないのである。 写真を撮るからには、狙い時はこの”誰もいない”夜明けの情景なのである。
国民的観光地での贅沢極まる
”誰もいない”ひととき
また、この『夫婦岩』は全国でも名を馳せた観光地であるから、車を駐めるスペースも十分にあるし、トイレや自販機もあるので、前夜発でやってきての一夜を明かす仮眠場所としては打ってつけとなるのである。
灯篭を広角で煽ってみた
要するに、こういう観光地で人だかりに遭遇せず、かつ費用も節約したいなら、”夜討ち朝駆け”の行動をとるのがセオリーとなるのである。 但し、代償としてゆとりがない旅となってしまうのであるが。
観光客が押し寄せる時間帯になると
こういう写真は絶対に撮れないだろうね
でも、誰一人いない贅沢過ぎる夜明けの情景は、写真撮りにとっては至福の時である。 観光客がやってくるまでのひととき・・、贅沢極まる我一人だけの『夫婦岩』の夜明け情景を堪能しよう。
キメはやっぱり
『夫婦岩と御来光』ですね
『夫婦岩』での夜明けシーンが一段落したら、上で述べた観光地での対応法の”夜討ち朝駆け”の行動を取って速やかに退散しよう。 なおこの手法は、ワテ的な旅手法を採用する方以外には有り得ない手法なので念の為。
そして伊勢といえば、”お伊勢参り”の言葉があるが如く、伊勢神宮への参拝だろう。 だが、伊勢神宮の楽しみといえば、神宮の神殿よりも参道に連ねる店屋を訪ねて伊勢の味覚を堪能する事であろう。
伊勢の《おかげ横丁》の練り歩き
今回だけはグルメを許す!
※ おかげ横丁の紹介サイトより
云わずと知れた国民的お土産品の『赤福もち』を始め、『伊勢・松阪牛のステーキ串』、甘辛いだし汁をつけてすする『伊勢うどん』などを食しながら伊勢神宮までの参道を練り歩くのは実に楽しいのである。
なお、筆者のワテが「この『日本百景』にグルメは当てはまらない」と日頃から口にしている言葉は、ここのこの時に限って藪の中に。
でも、こういった店屋が開くのは、観光客が訪れ始める正午前辺りからなので、『夫婦岩』で夜明けの情景に魅せられて”夜討ち朝駆け”をしてきた直後なら、ちょっと早すぎるのである。 従って、伊勢神宮の参道が賑わうまでの開いた時間は、伊勢の海とワテが大好きな鉄道のおりなす風景の地での撮影に費やす事にしようか。
朝の光が残っている内は
筏が水面の下に
時が経つと見る見る内に潮が退いて
水面下の養殖筏が現れる
その地は池ノ浦の干潟である。 朝の潮が満ちて筏が水面下にあったのが、徐々に潮が退いて筏が現れる干潟を背景に、干潟を仕切る土手上をゆく列車を撮ったり、係留されているモーターボートをアテにしたり・・と、勝手知ったる被写体で楽しむ事ができたのである。 まぁ、ここは、ワテのように鉄道に興味が無ければ、立ち寄る意義の乏しい場所となるのてあるが・・。
干潟に係留された
モーターボートをアテに
列車は1時間に1本程度の運行があるので、上下列車で均すと半時間に1回のシャッターチャンスがある。 従って、干潟を埋めた潮が徐々に退いていくのを背景に、土手上をゆく列車が撮れるのである。
ボートのモーターが
干潟のキャンパスのオブジェの様に
これらを狙っていると、いい時間になってくるだろう。 もちろん、今日は朝飯は我慢しておこう。
なぜなら先程の予告の通りに、これから伊勢神宮の参道の店屋で味の舌鼓を打つ為である。
そして舌”鼓”に掛け合わせるように、伊勢神宮の参道では『伊勢太鼓』の演技イベントが行われるのである。
掛け声と共に
伊勢太鼓のイベントが始まる
勇壮な鼓音が会場に響く
こういう旅も
いいかもしれない
『赤福もち』や『牛ステーキ串』をついばみながら、太鼓イベントを見物するのも一興である。
・・今回は、日頃の『日本百景』の流れから大いに外れたが、たまにはこういう旅もいいかもしれない。
朝熊山より望む伊勢の入江
でも最後は『日本百景』らしく
風景で締めなきゃ・・ね
こういう観光客がごった返す場所に立ち寄って”普通の観光旅行”を味わう事で、本来の『日本百景』の旅が恋しくなるのだから。
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