2017-08-28 (Mon)✎
路線の思い出 第223回 根室本線・落合駅 〔北海道〕
忘れ去られるように仕向けられている
列車のこない駅・落合駅
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’83)
滝川~根室 446.8km 2302 / 464
滝川~新得 運行本数(’16)
滝川~新得 6往復(うち1往復 快速〔狩勝〕)
滝川~落合 上り1本
滝川~芦別 1往復
滝川~富良野 下り4本、上り3本(うち下り1本、上り2本快速)
富良野~新得 1往復(上下とも旭川発着の快速〔狩勝〕)
※ 2016年の台風災害により、現在は東鹿越~新得は不通となっている
現在は不通区間に代行バスを運行
落合駅(おちあいえき)は、北海道空知郡南富良野町字落合にあるJR北海道・根室本線の駅である。
2面3線のホームを持つ駅で、ホーム間の移動は跨線橋を使用している。
無人駅であるが、有人駅時代の木造駅舎が残る。
平成28年に発生した台風の影響で、現在まで東鹿越駅〜新得が不通となっている。
当駅もこの不通区間に含まれ、東鹿越~新得に下り4便上り6便(内1便は当駅始発)の代行バスが運行されている。
なお、東鹿越から当駅を含めての新得までの不通区間の復旧のめどは立っておらず、JR北海道の経営状況の厳しさから、このまま復旧せずに廃止バス転換となる公算が高くなっている。
2012年度調査の乗車人員は0人との事である。
この駅は今年のGWの北海道旅の時に立ち寄ったのであるが、この落合駅を含む根室本線をズタズタにした台風による豪雨災害は、道央から道東の主要国道である国道274号線の日勝峠付近も落橋などの被害をもたらしたのである。
その国道274号はこの秋にようやく復旧見込みとの事だが、鉄道の方は「復旧しても利用者がほとんどなく赤字が増すばかり・・」と、不通区間の代行バスがそのまま路線廃止の転換バスとして充て替われようとしている。
当初の予定では、翌日登山を計画していた十勝幌尻岳の登山口にアプローチすべく道東まで(高速代をケチる為に)下道を通るつもりで、落合駅に寄る予定など全く無かったのである。
だが、道の状況を知らせる案内板に『R274 日勝峠落橋の為通行止』の表示があり、それを目にしてギョッとしたのである。
このようにズタズタになってたみたいである
※ グーグル画像を拝借
なぜギョッとしたのかというと、通行料が高くて乗りたくもない高速道路(道東道)が、落橋したR274の代替道路に指定されていたのである。 まぁ、R274が落橋してなくても、道東へのメイン道は道東道なのだけれど・・。
その代替道路に充てがわれた道東道の指定方法が、唸る程にコスい方法だったのである。
それは、R274の落橋による不通の影響区間である占冠~十勝清水のみ無料扱いで、占冠ICより前から乗ると値引きなしの全区間料金を取る扱いだったのである。 要するに占冠ICより前から乗ると、代替道路扱いとはならず、全区間の通常料金を取るのである。
とどのつまり、「北海道の旅は金がかかるから、ちょっとでも節約したい」という旅人心を踏みにじる”嫌がらせ”そのままの設定だったのである。 それは、どうしようもない位置にある占冠ICからでないと、代行区間は適用されず無料とはならないのである。
こういう無料にする気などさらさらないネクスコ東日本に対抗心を燃やして、「ならば、絶対に無料にしてやろうじゃないか!」と燃える(小市民全開の)ワテであった。 ・・で、占冠ICまでは落橋で不通告知でほとんど車の往来のないR274の一般道を行き、占冠ICより無料の代替区間の十勝清水ICまで乗るつもりで高速に入る。
だが、占冠ICで乗ってすぐに、道路案内掲示板に『十勝清水IC料金所渋滞』の表示が出ているのが目に入ったのである。 「コリャァ、無料区間の扱いにブータレる奴が料金所でもめて渋滞になっとるんだな」と思って、急遽手前のトマムICで降りる事にする。
トマムIC
何もない原野にあるインターチェンジだ
※ ウィキペディア画像を拝借
さて、トマムICで降りたのだが、ここは占冠に輪をかけて何もない所で、この何もない所から抜け出るには4ケタ道道(1117号線)を15kmほど行って国道38号線まで出なければならない。
「まぁ、料金所で渋滞待ちするのと4ケタ道道を15km行く大迂回と手間は一緒だが、イラつき度は大迂回の方がマシか・・」と思い、国道38号線に向けてレンタカーを走らせる。
4ケタ道道だが
道東道の為に改修されて走りよい
※ グーグル画像を拝借
レンタカーで4ケタ道道を走らせていると、迂回の暇つぶしとなる”アテ”を発見したのである。
それは去年の豪雨災害に遭って復旧した「特急の走る」石勝線と、閑散路線に落ちてこのまま復旧せずになし崩しに廃止を目論む「放置プレイ」の根室本線の分岐である《上落合信号所》に出たのである。
上落合信号所のシェルター
このシェルターの中で2路線が分岐する
※ グーグル画像を拝借
その「復旧して列車が走る線路」と「復旧せずに放置プレイで赤錆びてきた線路」の対比は露骨過ぎる程で、「これは廃止区間に立ち寄らねば・・」と急遽予定を変更したのである。
幸い、4ケタ道道と国道38号線の交点は不通区間にある落合駅から500m程過ぎた所で、駅に寄り道しても大して時間をロスしなかったよ。
・・で、落合駅に立ち寄る。 駅の雰囲気は昨日廃止になった直後のような感じで、駅施設はあるが線路は赤錆びて、人が通らぬように入口をブルーシートで塞がれた跨線橋は朽ち始めの様相を見せる何とも寂しげな光景だった。
昨日廃止になったばかりのような
雰囲気が漂う落合駅構内
入口をブルーシートで塞がれた跨線橋が
”人の来ない駅”を物語る
駅舎入口のガラス窓には代行バスの乗り場を告知する張り紙が貼ってあり、それによると駅のロータリーには入らずに、国道沿いに設けられた簡易のバス停での扱いとなっているようだ。
駅舎の中は綺麗だったが
その綺麗さは”誰も使っていない”証のようだった
まぁ、駅の利用者がゼロとの事なので、代行バスの乗り場が国道沿いになっている事から、駅に立ち寄るのはワテのような『鉄』以外にはいないのだろう。 現にワテと入れ替わりで、ワテと同じく不通区間を覗きにきた『野次馬鉄』が車でやって来たし・・。 ロータリーにある公衆トイレも、使用されずに異臭が漂っていた。 人が使えば何かしら手入れが入るが、それがないのだから。
経営難に陥ったJR北海道によって、このように「廃止に向かって一直線」の既成事実を造られている”人の寄り付かぬ駅”落合駅が、その立場を語るような斜陽の中で寂しげにたたずんでいた。
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No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
近年はこういった気象災害が多いですね。 やはり、大気の温暖化が原因だと思います。 それも、震災後に原発を全て停めて火力オンリーになった事が日本上空の大気や海水の温暖化に拍車をかけた=日本近海で急激に発達する爆弾低気圧の発生と勢力維持の要因となったと思います。
原発が停まる前は死者の出る気象災害は2年に1回程度だったのが、原発が止まった震災後は年に5~6回の被害となっている事からも因果関係があるとみて間違いがないと思いますね。
それと、北海道はいいですよ。
私・・、30回以上行ってます(笑う)
近年はこういった気象災害が多いですね。 やはり、大気の温暖化が原因だと思います。 それも、震災後に原発を全て停めて火力オンリーになった事が日本上空の大気や海水の温暖化に拍車をかけた=日本近海で急激に発達する爆弾低気圧の発生と勢力維持の要因となったと思います。
原発が停まる前は死者の出る気象災害は2年に1回程度だったのが、原発が止まった震災後は年に5~6回の被害となっている事からも因果関係があるとみて間違いがないと思いますね。
それと、北海道はいいですよ。
私・・、30回以上行ってます(笑う)
ナイス