風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第32話  桑畑山

よも”ヤマ”話  第32話  桑畑山 〔青森県〕 ’91・ 7
桑畑山  400m


桑畑山から望む尻屋崎

  下北半島 しもきたはんとう (下北国定公園)
下北半島は、半島全体が見どころである。 魂が降臨する地・恐山、手がただれる程の強酸性の宇曽利湖。 また、海岸線に出ると、奇岩・怪岩が立ち並ぶ“海岸の芸術”・仏ヶ浦、北海道を間近に望む大間崎など景勝が多い。 


奇岩・怪岩が立ち並ぶ
“海岸の芸術”・仏ヶ浦

その中でも、特に景観に優れているのは尻屋崎であろうか。 岬周辺の草原と戯れる野馬の風景は、穏やかで心がなごむ情景だ。 また、北壁の絶壁と《小さなお花畑》めぐりは、“小さな探検”として印象に残る事だろう。


海岸縁に咲く小さなお花畑


その小さなお花畑に咲いていたのは
高山植物のハクサンフウロだった



今回は、ほとんど山や自然情景めぐりの事は出てこない。 お題を下北半島・尻屋崎の桑畑山にしたのだけれど、実際は北海道から東北へ移動する時の出来事が今回のネタである。 要するに、今回の話のネタは『よも”ヤマ”話』の”よも”の部分なのである。

山をほとんど語らない話なのに何故に桑畑山をお題にしたかというと、この項目が『よも”ヤマ”話』であるから、何かしらの山名を入れなければならない・・という、筆者の(しょうもない)こだわりからのモノである。

そう・・、今回のネタは、知床林道で散々『砂利道ドリフト』をかましたハチロクの事なのですね。
知床・羅臼岳を登った翌日に、ハチロクを貸してくれた雨竜の車の整備工場のオヤジさんに連絡を入れると、オヤジさんから「なかなか(部品撮りするタネ車となる)同型の廃車が出てこない」との報告を受けたのである。

そして、「車(ファミリア)は滝川のマツダに出してるので、状況はそこに行って聞いてくるといい」との返答を受け、滝川に戻る事にする。 マツダ滝川店の整備場には、ミッションが故障して「Dレンジでバックする」奇妙な動きする我がファミリアが置かれてあった。


『Dレンジでバックする』という
奇妙キテレツな壊れ方をしていた我が車

マツダの担当者によると、「修理したら動くには動いたが、Dレンジでバックするなど、シフトが滅茶苦茶になってる」との事である。 そしてミッションの部品撮りするタネ車は「まだ出てきていない」との事で、「このまま『タネ車』が出るまで待つ事を継続するか、新品を内地(本州)から取り寄せるか」の選択を迫られる事となった。

マツダの担当者からこの事を聞いて、「明日返事するから1日待って」と1日返事を待ってもらう様にお願いして、取り敢えずハチロクを返しに、雨竜のオヤジさんの所に向かう。 雨竜に戻って、オヤジさんにマツダの担当者に聞いた通りの事を話すと、結局の所はマツダの担当者と同じく「どうするんだ?」という”問い返し”であった・・が、オヤジさんは「もう一つ」の選択枝を出してくれたのである。

それは、「あの車をなげる(廃車にする)か?」という事である。 そして、「車の替えは、ハチロクを30万で売ってやるよ」という事である。 これはもう、凄い展開となってきたのである。
オヤジさんは「金はいつでもいいけど今すぐには決められないだろうから、明日のマツダへの返事と共に決めればいい」と、取り敢えず今日も宿代わりのハチロクを貸してくれた。

この日の夜は長かったよ。 悩んで眠れぬ夜での結論はこうだ。 「待っても『タネ車』が出る保証はないし、ミッションを新品にすると30万するし、更に取り寄せに1週間かかる。 それならハチロクの30万の方が早く決着が着けれるよな・・、金も同じ30万だし」と、ハチロクに傾いたのである。


もしかしたら
『ハチロク乗り』になっていたかも

・・で、長かったとはいえ、「答えを出す日」の翌日は必ずやってくる。 一晩悩んでオヤジさんの厚意を受ける決意を固め、悩んで寝不足だった夜を取り返すべく新十津川のクアハウスでひと眠りしてスッキリしてから、『決意の場』・雨竜に向かう。

・・で、雨竜のオヤジさん所に着くと、オヤジさんが駆け寄って来て「良かったなぁ!」といって肩を叩いてくれた。 「さっきマツダから、『タネ車』が出たと連絡があったぞ!」と教えてくれたのである。
そして、「直ぐにマツダに行ってこい!」と背を押してくれた。

マツダの滝川店に向かうと、担当者が「旭川で状態のいい『タネ車』が入りましたよ! ツイてますねぇ!」と一緒に喜んでくれたよ。 そして、「すぐに取り寄せて載せ替えしますから、明後日にはお渡しできますよ!」と、『神展開』な状況となったのである。 オヤジさんのハチロクを譲り受ける厚意も神展開なら、状態のいい『タネ車』がすぐ近くの旭川で出たのも『神展開』である。

でも、「状態のいい『タネ車』」って、エンジン部分に損傷のない事故廃車なんだよね。
まぁ、コチラが『神展開』となった裏には、事故って車を廃車にした奴の不幸が隠されてるんだよね。
う~ん、真に世の中は全て『等価交換』で成り立ってるわ。

・・で、明後日に『タネ車から』ミッションを乗せ換えた修理が完了して、引き渡しを受ける。
修理代も10万円チョイとかなり値引いてくれたようで、オヤジさんへのハチロクのレンタル料を含めても12万で済んだよ。

これまでの厚意にお礼の限りを尽くし、オヤジさんの見送りを受けて、北海道を離れるべく函館に向けて出発する。 2日かけて函館に出て、そこからフェリーで下北半島の大間崎へ。 でも、車が治って、ハチロクよりも寝苦しくなったよ。 ファミリァは、ハチロクより狭いし。


内地(本州)に渡ったのは青函フェリーでなく
大間行きのマイナー航路でした

でも、ハチロクを売ってもらってたら、今頃凄い事になってたかもね。 「かつて取った杵柄」で、ワテが集めた廃止線の乗車券や入場券を「譲ってくれ」と打診してくる切符マニアは時折いるけど、もしあの時にハチロクを譲ってもらっていたなら、『イニシャルD』で一世風靡した「ハチロク乗り」となって車マニアから「売ってくれ」の矢の催促があったろうね。


でもアレはマンガ・・
『溝落とし』なんかすると
タイヤの腹を擦って一発バーストだよ
それにスカイラインGTRやランエボに勝つなんて
ワテが相手ドライバーでもなければ無理っス!

・・で、アクシデントづくしだったこの放浪旅も、アクシデントにケリを着けて、北海道を離れて下北に渡り、何とか『内地(本州)編』を迎える事となったのである。 その『内地(本州)編』最初の山が、表題の下北半島にある桑畑山だったのである。


尻屋崎の前に立ち寄った
仏ヶ浦の奇岩群


『モアイの喧嘩』って題で写真の会に出しますた
結果・・箸にも棒にも引っ掛からず(涙)

まぁ、この桑畑山は山というより、30分足らずで登頂できる『尻屋の展望台』っていうのが正しい認識である。 尻屋のYHによると、登頂の最速は13分そこそことの事である。 たぶん、走って駆け登ったのだろうね。


下の集落から22分かかったよ
桑畑山より


桑畑山より望む尻屋崎灯台


尻屋の小さな探検
北壁の『女体の神秘』めぐり
北壁にある洞窟を女性のアソコになぞらえている


















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No title * by 鳳山
下北半島の自然、初めて見ました。荒々しい景観ですよね。

ナイス

No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。

下北半島は遠いですね。 たぶん、ほとんどの方が未訪の地だと思います。

でも、自然の原風景が広がる、一度訪れれば強く印象に残る所ですね。

コメント






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No title

下北半島の自然、初めて見ました。荒々しい景観ですよね。

ナイス
2017-08-27 * 鳳山 [ 編集 ]

No title

鳳山さん、こんばんは。

下北半島は遠いですね。 たぶん、ほとんどの方が未訪の地だと思います。

でも、自然の原風景が広がる、一度訪れれば強く印象に残る所ですね。
2017-08-29 * 風来梨 [ 編集 ]