風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第28話  雨竜沼湿原

よも”ヤマ”話  第28話  雨竜沼湿原  〔北海道〕  ’91・ 7


雨量沼湿原
暑寒別の山々に囲まれた
『北海道の尾瀬』と呼ばれる花の別天地だ

   雨竜沼湿原 うりゅうぬましつげん (暑寒別天売焼尻国定公園)
『北海道の尾瀬』と呼ばれる雨竜沼湿原は、6月から9月にかけて色々な花が咲き競い壮観だ。 
雪解けと共に花開くミズバショウに始まって、イワイチョウ・シナノキンバイ、7月にはエゾカンゾウが大地を淡いオレンジ色に染め上げる。 続いて、ワタスゲやヒオウギアヤメ・・と咲き競う。
また、この湿原の魅力は、あちこちに散りばめられたように点在する沼々《池塘》にある。

・・漂う雲を映す沼、周りに多くの花々を従える沼、ヒツジグサを水面に浮かべる沼、暑寒別の山々を映す沼と、様々な個性を持つ沼があり、この沼々がこの湿原を大いに引き立てている。




雨竜沼湿原・行程図

    行程表                駐車場・トイレ・山小屋情報
雨竜町市街より車(1:00)→南暑寒荘(1:10)→雨竜沼湿原(0:50)→雨竜沼湿原展望台
帰りは往路を戻る・南署寒荘まで所要1時間40分


自然の創造し素晴らしき情景が広がる
雨竜沼湿原へ

雨竜沼湿原の散策自体は『第25話の暑寒別岳』の時と同じく、やぶ蚊が多くて思いっきり喰われた以外の困難はなかった。 まぁ、暑寒別岳・利尻山と日帰りの中級レベルの登山を連発して体力的にも“山モード”になってきたし、何より若さもあるし、放浪旅という事で時間もあるしィ。 無いのは『プー太郎』という社会的立場と金位かねぇ。 あぁ・・、学歴もないか。


湿原をめぐるペンケペタン川の畔には
ヒオウギアヤメが密生していた

でも、『金』はともかく、社会的立場や学歴の欠損はワテが生きていくに限り何の影響もないねぇ。
要するに、こんなのは“気持ち”の持ちようで、こんな下らんモノに振り回されるから影響を受けたと”思う”のだ。 だが、ワテ自身がのほほんと構えても、周囲のほぼ全てがこれらの下らぬ事に「振り回され放題」なので、結局少しは影響を受けざるを得ないのだが。

まぁ、こんな事を書かなくてもいいのに書くワテ自身も、これらの呪縛に振り回されているのに強がっているだけ・・なのも事実であるのだが。 あらら・・、脱線してしまったが、話を元に戻そう。


エゾカンゾウ
雨竜沼湿原といえば広い湿原台地を
オレンジ色に染めるこの花だろう

前述の如く、雨竜沼湿原の散策は身体が“山モード”となりつつあるワテにとっては「インターバル」みたいなもので、この散策で考えられる失敗は「写真を撮るのをシクじった」って事くらいである。
それも見た所、(ワテ基準で)まぁまぁのデキだったので、この散策自体は書く事が乏しいのである。
だから、雨竜沼湿原へのアプローチ時に起ったアクシデントを記していこうと思う。

従って、今回の雨竜沼散策で撮った「まぁまぁ」の写真は、この28話の記述内容と全く関わりがなくなってしまったのだ。 仕方がないので、「雨竜沼湿原の情景」として掲載していくとしよう。


白竜ノ滝
雨竜沼湿原の入口近くにある落差36mの滝

さて、最寄りの街である雨竜町より林道を30kmも奥地で、公共交通機関の全くない雨竜沼湿原の登山口までのアプローチは、否応なしにマイカーと確定してしまう。 車で寝泊まりしながら放浪しているワテも、登山口へは当然この車でアプローチする。 だが、ここでこの放浪旅の継続が不可能になり得るアクシデントが発生したのだ。 それは察しの通り、寝宿を伴にしている車が故障したのだ。 それも、雨竜沼湿原へ向かう林道の真ん中・・という「どうしようもない」場所で。


こんなアクシデントがあったにもかかわらず
翌日は予定通り雨竜沼湿原を散策できたよ

故障したのは車のオートマ・ミッションで、動力が伝達されずにエンジンが空回り状態になってしまったのだ。 それも急に何の前触れの現象もなく、「いきなり」の事であった。 故障したのを察知して、直感的に他の車の往来を阻害しないようにするべく空走状態で林道の脇に車を着けて止める。

だが幸いな事に、この頃から「思慮が浅く簡単にドツボにハマるのに、一旦ドツボにハマると冷静沈着になる」という褒めていいのか解らないワテの『特性』が発揮される。 『冷静沈着』といってもこの状況で出来得る事は、10キロ近く入って来た林道を町に向けて歩いて戻って助けを呼ぶだけ・・なのであるが。


ドツボにハマると花の写真を撮る時以上に
冷静になる変人たるワテ

まぁ、ここで雨竜沼湿原へ行き来する他の登山者の車を待つ・・という選択肢もあるが、、この林道に入ってきたのがド平日(放浪旅なので曜日は関係ないしィ)の午後(今晩は雨竜沼湿原の登山口の駐車場で車寝する計画だった)で、考え得るにド平日に登山帰りの客の車が通るのはキビシイと判断して、助けを呼びに町まで林道を歩いて戻る事にしたのである。 なぜなら車が通らなければ、ここで立ち往生となるからである。

先程に他の車の往来を阻害せぬように林道の左脇に止める事ができたので、タイヤ4輪に石を噛ましてからドアロックして、フロントのワイパーに『故障中』と書いた紙を挟んで車を離れる。
取り敢えず今夜1日をどのような状況になっても凌げるように、シュラフなどの寝具と自炊用具と1食分の食糧と合羽、そしてカンテラという登山の用具を見繕って担いでいく事にした。

こんなアクシデントが起こると絶望的な感情に支配されるものだが、このタワケはこういう事を思いつくなど、それほど動揺してはいなかったのである。 まぁ、体力的に“山モード”が出来上がった今なら、10km近くの林道を2時間ちょっとで歩ききって町の最奥部に出る=日の暮れぬ内に町の最奥部の電話の有りそうな所に出れる・・と踏んだのである。


この話の決断部分は
雨竜沼全体を見渡すこの写真で
ムチャクチャなコジつけやなぁ

まぁ、林道を戻る道中は砂利道を速足で歩いた記憶しかないが、車から離れる時に立てた目論見通り、午後6時過ぎのまだ明るい内に町の最奥にある民家が建つ舗装道路の所まで戻り着く事ができた。

民家の建つ舗装道路まで戻り着いて、取り敢えず「車故障ヘルプ」の助け入れるべくの電話を借りる為に民家の戸を叩く事にする。 その数件ある民家の内の2件目が、真にもってラッキーそのものだったのである。 その民家の家業は、町の最奥にある自動車整備工場だったのである。


「幸福を呼ぶ黄色い花」のような幸運
書いててハズかしくないか?

その自動車整備工場は普段はトラクターなどの農機具を整備しているようで、トラクターの整備をしていた親父さんに声を掛けてこれまでの経緯を話す。 事の全てを理解した親父さんは、取り敢えず林道に置いてきた故障したワテの車を回収すべく、自動昇降台の付いた荷台のある車運搬車を出しくれた。

故障した車の所まで行き、車のエンジンを掛けてミッションを操作して、ひと言「ミッションが焼けとるな」と呟いて、車を自動昇降台で荷台に引き上げる。 工場に壊れた車を持ち込んで、「こりゃぁ、メーカーに頼んでミッション交換するしかないなぁ」と言う。 そして修理代の見通しと修理にかかる日数などを説明してくれた。

説明によると、「メーカーに頼んで、新しいミッションを内地から輸送してもらって交換する」方法と、「同型の事故車や廃車のミッションを取り外して流用する」方法があるという。 前の手法は「修理代が30万円位かかるが、日程は1週間程度で済む」という。 後の手法は「修理代は10~15万円だが、同型の事故車や廃車が出ない限り修理が進まないというリスクがある」と詳しく教えてくれた。


こんなにドツボにハマりながら
旅を成就できるなんて
考え様によっては才能だな・・コリは

この説明の後に、親父さんはボソっと「マツダ(故障したワテの車は『マツダ323』と呼ばれたファミリアのスポーツタイプハッチバックだった)は北海道に生産工場がないから、内地(本州)から運ばねばならんから日数がかかる」という。 続いて、「トヨタや日産なら北海道に生産工場があるから早いのだけどなぁ」と言う。


この放浪旅で乗っていたのがコレ
マツタ323・ファミリアXG
※ グーグル画像を拝借

まぁ、どっちにしたって「車はすぐには治らない」という、ドツボな判決が下されたのである。
「車が完全に壊れた」宣言が下された今、「今夜の事を含む今後の事をどうするか?」が今決めるべき重要なミッションとなってくる。


この話のクライマックス部分は
雨竜沼湿原での”キメ写真”のコレで

この親父さんは頭の切れる人で、ワテの放浪旅をしている状況を即座に理解して、「新品・中古のどちらを選択するにしても、ワテが放浪旅を継続しながら車を修理するには同じような車を貸す事がベスト」と判断して、「車を日に1000円で貸してやるから、今夜から車が修理から上がるまでコレを使え」と言って、『イニシャルD』の渉君が乗っているAE86のレビンを仕立ててくれた。 これでワテは、間髪入れずに”ハチロク乗り”となっちまったのである。


塗装は赤黒のレッドベアー塗装だったけど
ケツに『GT-APAX』のエンブレムが張ってあったよ
※ グーグル画像を拝借

修理の手法は「放浪旅をする無職」という事で、修理代の安さが期待できる後者の手法の「事故車や廃車の中古品待ち」を選択し、今夜からの宿と放浪旅の継続が適う親父さんの厚意を有難く受け取り、「助かった」との感激と感謝の気持ちを込めて、親父さんに深々と礼をしてこの場を離れる。
車の修理状況と借りたレビンの事を知らせるべく、毎日電話連絡をする約束を交わして・・。


今夜の宿を確保した安堵を
夜に花開く穏やかな花の
ヒツジグサで表現してみますた

夜の林道を借りた車で行くのはさすがに躊躇われるので、今夜は雨竜町内の車寝ができそうな所と見繕っていた所でレビンを止めて寝る。 でも、リアクター型の86レビンは、後ろの席を伏せると寝台仕様になって寝やすかったよ。 ミッションの1速は硬くて入り辛かったけど。

    ※ メインサイトに『雨竜沼湿原』のガイドがあります。 宜しければどうぞ。




















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No title * by たけし
名前も聞いたことがなく、写真も初めて見る光景。
日本にこんなトコロがあったのか!と、いつも驚かされます!

No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。

ここは「北海道の尾瀬」の触れ込みで、私が訪れた翌年だったか、国定公園指定されましたね。

暑寒別岳の裾野に広がる湿原で、花の宝庫ですね。 でも、公共交通機関皆無など、行くまでに苦労する所ですね。

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名前も聞いたことがなく、写真も初めて見る光景。
日本にこんなトコロがあったのか!と、いつも驚かされます!
2017-07-10 * たけし [ 編集 ]

No title

たけしさん、こんばんは。

ここは「北海道の尾瀬」の触れ込みで、私が訪れた翌年だったか、国定公園指定されましたね。

暑寒別岳の裾野に広がる湿原で、花の宝庫ですね。 でも、公共交通機関皆無など、行くまでに苦労する所ですね。
2017-07-10 * 風来梨 [ 編集 ]