風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第214回  飯田線・伊那大島駅

路線の思い出   第214回  飯田線・伊那大島駅  〔長野県〕


小さな町の中心駅の
イメージそのままの伊那大島駅
※ ウィキペディア画像を拝借

《路線データ》
        営業区間と営業キロ        輸送密度  / 営業係数(’83)
       豊橋~辰野 195.8km          3957  /   500        
’17年・運行本数
  豊橋~豊川   上下とも毎時3~5本
  豊川~中部天竜 上下とも毎時1本(新城、本長篠までの区間運転を合わせると毎時2~3本)
  中部天竜~飯田 上下とも毎時1本
  飯田~駒ヶ根  上下とも毎時1本
  駒ヶ根~辰野  上下とも毎時1本(ラッシュ時は2本)
  特急【伊那路】 豊橋~飯田 2往復、飯田~辰野 快速〔みすず〕 1往復 運行

伊那大島駅(いなおおしまえき)は、長野県下伊那郡松川町元大島にあるJR東海・飯田線の駅で、松川町の代表駅である。 なお、周辺地区名は「もとおおま(元大島)」や「おおま(大島)」であるが、駅名は「いなおおま」と清音表記になっている。

相対式ホーム2面2線を持ち、列車交換が可能な駅。 上片桐(竜野)方向に側線があり、車両の夜間留置などで使用されている。 ホームの山吹(豊橋)方向に、両ホームを結ぶ構内踏切がある。

飯田駅管理の簡易委託駅で、松川町が業務を受託している。 2013年3月31日までは東海交通事業(JR東海の受託業務を行う連結子会社)の職員が業務を担当する業務委託駅で、みどりの窓口も設置されていたが、地元の松川町に業務の委託先が変更された。



今回取り上げるこの駅に、鉄道としての思い出は見当たらない。 そう・・、ただ駅前に発着するバスに乗るべく下車し、帰りはバスから飯田線に乗り継いだ・・というただそれだけである。


JR東海の駅名板は
所在地が記されていていいよね

だったら、何でそんな話題性に乏しい駅を取り上げたのか・・というと、この駅からバスを介してその日の明るい内に、大阪の自宅から南アルプスの3000m級の名峰・塩見岳を望む三伏峠(標高2580m)のテント場まで行けるからである。 コレって、時刻表が生み出す奇跡のようなモノであるのだ。
まぁ、シンカンセンを使わねばならないのではあるが・・。

それは、行楽に出かけるなら寧ろ遅い時間の7時前に自宅を出ても、新大阪発8時前(7:50発の【のぞみ】が該当)のシンカンセンに乗れさえすればいいのだ。 要するに、名古屋で9時発の飯田行き高速バスに乗れればいい訳である。 この高速バスはちょっと”嫌がらせ”の気が入っていて、この9時の便だけが昼神温泉経由の寄り道をする遅着便で、飯田駅での飯田線下り乗り継ぎ列車の待ち時間が10分ちょっとと少ない事から、かなり肝を冷やす事になるのである。

なぜなら、この列車に乗り遅れると登山断念か、登山者の車を見つけてのヒッチハイクか、タクシーに大枚(恐らく2万円位はかかる)を叩くかの『究極の選択』を迫られる事になるからだ。 そして、バス会社と飯田線は提携している訳でなく、どちらかといえば商売敵で、バスの運行も「遅れたらスンマセン」程度の軽いノリなのであるから。

要するに、バス会社に「バスが遅れて飯田線に乗り継ぎできない」事なんて、どうでもいい事なのである。 そして、他の乗客も飯田の街に用があるのであって、飯田線への乗り継ぎ客なんてテントを含めて20㎏超のザックをバスのトランクルームに放り込んでるワテ以外にいないのだから。


飯田駅の改札口まで徒歩20歩の
絶好の位置にあるバス乗降場
※駅紹介サイトより拝借

でも、幸い4分遅れでバスは飯田駅前に到着する。 バスの発着場が飯田駅前でなくて、「ナンチャラバスセンター」だったらそれこそ”ドボン”であったが、幸い駅改札口まで20歩の所にあるバス停にバスは止まり、バスを降りるなり自分でトランクルームを開けて預けたザックを引きずり出すなど、かなり”かかり気味”に改札口へ走る。

自動券売機で切符を買って、バタ足で改札をくぐる。 今度の飯田線の下り列車は跨線橋を渡った島式ホームからの発車で、これまた20kg超のザックを担いで、登山靴で跨線橋を駆け上らねばならなくなったよ。 まだ乗車する列車は入線していなかったが、時間に追われて気が気でなくなっていたのでかなり焦ったよ。

でも、この列車に乗れさえすれば、もう後は何の心配もないのだ。 限りなく低速で走るロングシートの電車は車窓から南アルプスの山々が望める・・とあって、車内の扉の上に望める南アルプスの山々の並びと標高を開設した絵図が掲げてある。 これから、そのほぽ真ん中に掲げてある3052mの塩見岳を登るのである。 だから、この絵図にちょっとトキめいたよ。


飯田線の車内では
このようなパノラマ写真で
南アの山々を紹介していた
※ 山岳パノラマサイトより拝借

飯田駅から30分の乗車で、目的駅で今回取り上げる伊那大島駅に着く。 駅はガラスに『みどりの窓口』のシールが貼ってある切符販売窓口のある有人駅だった。 でも、この駅から指定席のある列車は発着してないし、シンカンセンに乗って東京に出るにも名古屋・大阪に出るにも、シンカンセン駅まで遠すぎて使い物にならない位置ですね。


夏の日差しを受けて
ギラギラの伊那大島駅

さて、約20分の待ちで、夏シーズンのみの1日2往復の鳥倉行き登山”イーナちゃん”バスがやってくる。 このコッ恥ずかしい名前はバス会社名の『伊那バス』から取ったもので、『伊那バス』のウェブサイトにも”イーナちゃん”バスと記してあるよ。

バスは超満員で、デカいザックを抱えての立席だったよ。 でも、乗客のほとんど・・というかすべての乗客に、登山ザックを抱えている姿は見当たらなかったよ。 それもそのハズ、これらの乗客は全て途中の鹿塩にある温泉の湯治客で、道の駅を兼ねている《鹿塩温泉・スパランド》で皆一斉に下車して乗客はワテ一人になっちまったよ。


帰りのバスも乗客は登山口から
駐車場のゲートまでの1区間乗車の
マイカー登山者がほとんどだったよ
それ位歩けよ!
※ グーグル画像を拝借

でも、マイカー登山が当たり前となった今、公共交通機関を使って登山する奴は化石並みの貴重な存在となっていたよ。


昔(25年近く前)は塩川から
こんなバスに乗ったなぁ
※ グーグル画像を拝借

登山バスはワテ一人だけを乗せて、鹿塩温泉から1時間チョイの14:00に鳥倉登山口に着く。
ここから今日のテント場・三伏峠まで、標高差700m・所要約2時間だ。 かつての『奇跡の体力』も終焉を迎え、とっくの昔にダメダメちゃんのヘタレに落ちていたワテをしても、プラス1時間の17時には三伏峠に着く事ができるだろう。 まぁ、『ヘタレの嵐』が吹き荒れる事なく、16:30頃に到着する。
テントを張って、夕食の支度を始めるのにちょうどいい時間に着いたよ。


その日の明るい内に2580mの
この峠に着けるのは真に奇跡!

それでは、南アの中央に鎮座する塩見岳の写真を掲載して終わる事にしよう。


塩見岳の最高点・東峰より三角点のある西峰を望む
頂上写真らしくていいかな


ガスに光が当って
これが今回の山旅のキメ写真かな

あと、このルートには、もう一つの『奇跡的』な事があったりして。 それは、近鉄の名阪特急を利用すると、鳥倉登山口から大阪のワテの自宅まで片道の総額が1万円を切ったりして。

     ※ 登山に興味のある方は
         コチラを見て頂くと筆者が喜びます ・・もう、ジリ貧状態なの(涙)




 







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