2017-06-14 (Wed)✎
『日本百景』 夏 第293回 御来光ノ滝 ・・フォーエバーの滝へ その2 〔愛媛県〕
光を浴びて輝く憧れの滝
:
滝前に立った時
心の澱みの全てが晴れた
「他の人でも行ったんだから、自分が行けない訳はない」。 これはワテの勝手な思い込みであるが、自らが行動を起こすに当たっての心の拠り所でもあった。 だが、この滝をめぐるに当たって、それが崩壊しかねない状況になったのだ。 失敗につぐ失敗を重ね、何度も無駄な徒労を強いられ、取り返すまでに約1年という長い月日を要した。
当然、自分自身で首を傾げることもしばしばあった。 なぜなら、旅においてこんな敗退を繰り返した事はなかったからだ。 失敗しても次には必ずリベンジできたし、失敗も“自分自身で”笑えるようなものばかりだったからである。 たが今回は、さすがに『鬼門』を感じたよ。
当然、自分自身で首を傾げることもしばしばあった。 なぜなら、旅においてこんな敗退を繰り返した事はなかったからだ。 失敗しても次には必ずリベンジできたし、失敗も“自分自身で”笑えるようなものばかりだったからである。 たが今回は、さすがに『鬼門』を感じたよ。
それでは、もはや辿り着くのが『永遠(フォーエバー)』の事とも思われた『栄光(御来光)』への道程を語っていこうかと。
『フォーエバー』の滝めぐり
行程詳細図
※ 前回の『第292回 御来光ノ滝』からの続き
さて、『3度目の正直』の敗退に随分と紙面を割いてしまったが、これよりは『本願成就』への軌跡を語っていこう。 フォーエバーの滝への正しいルートであるが、《犬吠ノ滝》と《魚止ノ滝》を見やる高巻きを通ってロープで沢床へ降りる所までは合っている。 そして、何度かの徒渉を経て沢を遡行していく所も合っている。 だが、左岸から合流する南沢を過ぎた所からが間違っていたのだ。
このゴルジュの上が
運命の別れ道
・・そうだろうと思ったよ。 いくらワテの身体能力が劣るからといって、ワテが命懸けに近い状況でやっとこさ生還したあの淵を他の人がホイホイと通過できる筈がないのである。 仮にそれが事実だったとしたら、ワテは旅や自然風景を追い求める能力がないって烙印を押された事になるものね。 いくらなんでも、そこまで落ちてはいないと思うし。 ・・っていうか、そうであって欲しい(弱気)。
そして、『3度目の正直』の失敗から1年近くが経った今、この高巻き道の取り付きに横たわる流木にはピンクリボンが掲げてあった。 思い返すと、沢の遡行中も徒渉地点ではピンクのリボンがブラ下がっていたな。 去年は徒渉地点を示す指標は『青ペンキの矢印』だけだったが、今回は目ざといまでにリボンが掲げてあったよ。 もしかして、ワテの他にも迷った人がいたとか? ワテ以上に困難な目に遭った人がいたとか? ・・んな訳ないよね。
死ぬような思いをしたくなければ
破線の方へ高巻くべし
話はそれてしまったが、この土砂崩れ状の高巻きの取り付きであるが、登ってみると案外足場のしっかりした踏跡で、すんなりと上まで登りつめる事ができる。 これを登りつめると右手下方にエメラルドグリーンに輝くあの函淵が望まれ、自分がここでいろいろと体験した『思い出深き者』だけに感慨深い。
前回で『こんな事』を
体験したからねぇ
これを越えてガチャガチャとした土砂崩れ沢を2~3跨ぐと、樹林の隙間から白布美しい大瀑が見えてくる。 苦節363日。 3度のしくじりと4度の身の危険、1回の滑落、道に迷う事数知れず、枕を涙で濡らすコト幾歳月(調子にのって脚色コイてるよ・・ この筆者〔タワケ〕)の“憧れの白布”がやっとこさ視界に入ってきた。
3度のしくじりと4度の身の危険
1回の滑落 道に迷う事数知れずを経て
やっと見えてきた
「あと、もうちょっとだ」、 「ここで焦っても仕方がない」、 「ここは息を整えて、“疲れもなく余裕で乗り越えたんだ”という事を誇示しよう」と訳の解らぬ小市民的な取り繕い文句が頭の中を過り始める。 そんな事をブツブツと念じながら歩いていくと、程なく滝前に。
辿り着くまでがあまりにも
“遠かった”から
ヒネた感情が出てしまったよ
樹の間越に
「憧れ」が見えてくる
そこで、日の光に輝き弾け飛ぶ白い飛沫を浴びる。 この飛沫を浴びる事で「何考えてんだ? このタワケは・・」と、自らの小ささを痛感した。 やっと、いつもの『滝を愛でる自分』に戻る事ができたのだ。
憧れに到達した事を
祝ってくれるが如く
陽の光が滝飛沫を輝かす
今年に入ってからは次々と不運に見舞われて、それによってクサクサした気持ちに支配されて、ヒネた感情が表に出てしまったのだろう。 でも、これで・・、苦難を乗り越え成就した事で、身に降りかかった『厄』を落とす事が出来たと思う。
降り注ぐ飛沫を全身に浴びて
不運の連続にクサっていた
自らの心を取り戻す事ができた
そう・・それは
いじけていた心の小ささを
痛感する情景だった
1年越しの本願を成就できた事で、カメラ片手に思う存分滝と語る楽しさを味わおうと思う。
それでは、カメラを通じて美しい白布と語りあったひとときをごろうじろ。
柱状節理の妙を際立たせるべく
下から煽ってみる
飛沫を浴びて
不運の連続にクサっていた
自らを省みる
滝の落ち口で光り放つが如く
飛沫の狼煙を上げていた
黒光りした岩肌
弾け飛ぶ飛沫の涼味を味わって
憧れの滝の飛沫を浴びて
心身共にリフレッシュ!
なお、帰路であるが、余裕をかましすぎて、行きで2時間半で行けたものが帰りは3時間半かかっちゃった。 それと帰路における沢からの高巻き道の取り付きであるが、紛らわしいものが反対側の左岸にもあるのでご注意。
“フォーエバー”を達成した今
微かに見える下界の入口へ
微かに見える下界の入口へ
ゆっくりと歩いていこう
火照った身体を
クールダウンしながらゆっくりと
左岸に登ってしまうと、私が遭遇したあの“デンジャラス”が待ってるかもよ。 正規ルートの右岸の高巻きも、取付点が数ヶ所あるので紛らわしい。 今はピンクリボンがあるみたいなので、それを見落とさないようにしたい。
フォーエバー(永遠)の滝よ
有り難う
戸惑う心を救ってくれて
また心が挫けた時に来るからね
それと、最後の《石鎚スカイライン》へ戻る登りは掛け値なしにシンドイので、それ相応の心の準備を・・。 まぁ、ここで筆者のように登りながらブチブチとクダを巻いても、遭難する事はないので別に構わないのだが。
※ 元ネタは、メインサイトの旅行記『フォーエバー 御来光への軌跡』です。
宜しければどうぞ。
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No title * by 風来梨
謎の小説家NKさん、こんばんは。
見て頂いて有難うございます。
友だちに関しては申請があれば承認していますが、こちらはあまりネット交流をしてませんので、あまり意味がないかと・・。
見て頂いて有難うございます。
友だちに関しては申請があれば承認していますが、こちらはあまりネット交流をしてませんので、あまり意味がないかと・・。
No title * by たけし
第292、293と拝見し、四国の険しさを垣間見ました。
石鎚山が険しさで知られていますが、隠れた秘境?に魅了されます。
東京近郊での沢、滝は優しさ(易しさではありません)があるのに
フォ-エバ-の滝は南米の奥地のような・・・・
石鎚山が険しさで知られていますが、隠れた秘境?に魅了されます。
東京近郊での沢、滝は優しさ(易しさではありません)があるのに
フォ-エバ-の滝は南米の奥地のような・・・・
No title * by 風来梨
たけしさん、こんばんは。
確かに今回のフォーエバーの滝へは厳しいのですけど、私のように「オチャメ」なければ難度は初級ですね。
それを3度もシクジった私って・・。
でも「オチャメ」は、記事を書いてて楽しいのでヨシ!です。
確かに今回のフォーエバーの滝へは厳しいのですけど、私のように「オチャメ」なければ難度は初級ですね。
それを3度もシクジった私って・・。
でも「オチャメ」は、記事を書いてて楽しいのでヨシ!です。
小説ブログをはじめました!!
1日1記事のペースです!
それはそうときれいな滝ですね!!
出来れば友達になってください!!