2011-05-12 (Thu)✎
名峰次選の山々 第10回 『105 雌阿寒岳』 北海道・阿寒山系(阿寒国立公園) 1499m
この退屈な樹林帯の中を約1時間程登ると、樹林帯を抜けて雌阿寒岳 1499メートル と阿寒富士 1476メートル が眼前にそびえる砂礫帯の端に出る。 ここから望む阿寒富士は、丸みを帯びた美しい容姿を示している。 だが、雌阿寒岳の方は、火山礫の積み重なりで容姿的には今イチである。
この砂礫の坂を前方右手に見えていた阿寒富士が真横に見えるまでに登っていくと、《雌阿寒岳の肩》と呼ばれる鞍部に出る。 ここから阿寒富士までは、片道30分位である。 阿寒富士の頂に向けて、登山道がジグザクとつけられているのが視認できるだろう。
このザレザレにザレた勾配を視認できる最も左端までつめると雌阿寒岳 1499メートル の頂上だ。
頂上は西面に大きな爆裂火口を従えて、白い噴煙が数ヶ所で吹き上がっている。 その背後に丸みを魅せる阿寒富士も印象的だ。 一方、阿寒湖のある東面は、黒い“雄”の山体を示す雄阿寒岳と阿寒湖へ緩やかな傾斜で続いている。 しかし、時期が悪かったのだろうか。 この山の特有種である“メアカンキンバイ”は、残念ながら一株もお目にかかれなかった。
さて下りは、多少遠回りであるが、展望を重視するべく《雌阿寒温泉》への直登ルートを下っていこう。
こちらのルートは、ガレ岩の積み重なりをジグザクを縫いながら下っていくコースだ。
コース難度 ★★ 体力度 ★
オンネトーの湖面を借景に
雌阿寒岳・阿寒富士の勇姿が望める
《メインサイトより》
『景観』より『人気』が先行している感のある阿寒国立公園で、唯一の“いいところ”は、雌阿寒岳 1499メートル と、麓の秘湖・オンネトーであろうか。 雌阿寒岳は今も活動中の火山で、登ってみると、頂上の爆裂火口が生々しく見られる。 山の魅力・高山植物は北海道の山では少なめだが、メアカンキンバイなど、この山から生まれた“固有種”もある。
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
阿寒湖畔より車(0:40)→オンネトー登山口(2:20)→雌阿寒岳
阿寒富士へは肩の分岐より往復1時間(1:30)→雌阿寒温泉登山口
(0:50)→オンネトー登山口・オンネトー・湯ノ滝へは往復1時間
オンネトー登山口(0:40)→阿寒湖畔
爆裂火口の背後から
阿寒富士が顔をのぞかせる
北海道では指折りの観光地である阿寒湖。 山あり、温泉あり、滝あり、秘めたる湖ありと、全ての面で楽しめる所である。 だが、風景を突きつめて味わう・・といった観点からは、観光客とそれらが利用する施設が多過ぎて少し興ざめな感もあるだろう。 従って、ここは観光客の多そうな阿寒湖畔には極力近づかずに、なおかつ観光客が押し寄せる時間帯より早くに見どころを押えてしまおう・・と思う。
これを実行する為には、やはり前日に目的地の前にいる事が必需条件になるだろう。
目的地といっても、ホテル街のある阿寒湖畔では役不足だし、第一山に登るのに“前日ホテル”ではモチベーションも上がるまい。 従って、ワテは《オンネトー》のキャンプ場で一夜を過すことにしたのだが。
目的地といっても、ホテル街のある阿寒湖畔では役不足だし、第一山に登るのに“前日ホテル”ではモチベーションも上がるまい。 従って、ワテは《オンネトー》のキャンプ場で一夜を過すことにしたのだが。
この項目の『雌阿寒岳』は日帰りでも十分に頂上に立てる初級の山であるが、ここは“山に登る”という前提で“前日アプローチ”を是非とも心掛けて頂きたい。
それでは、雌阿寒岳に登ってみよう。 《オンネトー》のキャンプ場にある駐車場の脇が登山口となる。
有名な山だけあって標識は大きく掲げてあり、よもや見落とす事はないだろう。 これより、雌阿寒岳の頂上まで4.2kmとある。 登山口をくぐり、割と広い道幅の並木道を1kmほど奥までいくと、登山道らしい石や木の根の混じる道となっていく。 この樹林帯を所々にある“道標リボン”を目当てに登っていく。 途中に、ほとんど見るべきもののない薄暗い樹林帯だ。
有名な山だけあって標識は大きく掲げてあり、よもや見落とす事はないだろう。 これより、雌阿寒岳の頂上まで4.2kmとある。 登山口をくぐり、割と広い道幅の並木道を1kmほど奥までいくと、登山道らしい石や木の根の混じる道となっていく。 この樹林帯を所々にある“道標リボン”を目当てに登っていく。 途中に、ほとんど見るべきもののない薄暗い樹林帯だ。
この退屈な樹林帯の中を約1時間程登ると、樹林帯を抜けて雌阿寒岳 1499メートル と阿寒富士 1476メートル が眼前にそびえる砂礫帯の端に出る。 ここから望む阿寒富士は、丸みを帯びた美しい容姿を示している。 だが、雌阿寒岳の方は、火山礫の積み重なりで容姿的には今イチである。
これよりは、所々ハイマツが飾るザラザラの砂礫の坂を登っていく。 人の多く訪れる山だけあって、キツい勾配の所はキチンとジクザグが切ってあり、普段運動不足の方でもこの山くらいは何とかなるだろう。
この砂礫の坂を前方右手に見えていた阿寒富士が真横に見えるまでに登っていくと、《雌阿寒岳の肩》と呼ばれる鞍部に出る。 ここから阿寒富士までは、片道30分位である。 阿寒富士の頂に向けて、登山道がジグザクとつけられているのが視認できるだろう。
艶かしい丸みを帯びた
阿寒富士
さて、雌阿寒岳へは、この肩より左手に進路を取る。 阿寒富士の山体が黒い溶岩流土で出来ているのに対し、こちらの雌阿寒岳は白く“おしろい”のような火山灰土で形成されている。 麓から見る雄阿寒岳 1371メートル の方も溶岩流土のようである。 確かな確証はないが、この“おしろい”のような山肌を魅せるこの山を女性(すなわち、雌)と例えたのであろうか。
風強き雌阿寒岳頂上にて
このザレザレにザレた勾配を視認できる最も左端までつめると雌阿寒岳 1499メートル の頂上だ。
頂上は西面に大きな爆裂火口を従えて、白い噴煙が数ヶ所で吹き上がっている。 その背後に丸みを魅せる阿寒富士も印象的だ。 一方、阿寒湖のある東面は、黒い“雄”の山体を示す雄阿寒岳と阿寒湖へ緩やかな傾斜で続いている。 しかし、時期が悪かったのだろうか。 この山の特有種である“メアカンキンバイ”は、残念ながら一株もお目にかかれなかった。
さて下りは、多少遠回りであるが、展望を重視するべく《雌阿寒温泉》への直登ルートを下っていこう。
こちらのルートは、ガレ岩の積み重なりをジグザクを縫いながら下っていくコースだ。
距離は3.3km。 健脚であれば、頂上まで2時間を切ることも可能である。 だが、下りとなると、浮石が多く滑りやすい嫌な道だ。
雌阿寒岳より望む
オンネトーの“蒼”
コース難度で比較すると、《オンネトー》ルートの方が足の負担がなく安易だと思う。
しかし、下る途中で見る《オンネトー》の蒼は、このルートをいく者をきっと満足させる事であろう。
ゆっくり下って約1時間半で、《オンネトー》の観光拠点となる《雌阿寒温泉》の駐車場脇に下り着く。
しかし、下る途中で見る《オンネトー》の蒼は、このルートをいく者をきっと満足させる事であろう。
ゆっくり下って約1時間半で、《オンネトー》の観光拠点となる《雌阿寒温泉》の駐車場脇に下り着く。
《雌阿寒温泉》の駐車場からは、車を止め置いた《オンネトー登山口》まで約3km・約50分の徒歩が必要となるが、ここは《オンネトー》の背後にそびえる雌阿寒岳と阿寒富士の素晴らしい情景を見ながら行けるので、さほど苦にはならないだろう。
さて、《オンネトー登山口》に戻り着いたなら、この地に来たなら是非とも寄りたい所を御紹介しよう。
それは、《オンネトー・湯ノ滝》である。 《オンネトー・湯ノ滝》は、キャンプ場より約1.5km奥に入った所にある。 道は砂利道ではあるがキチンと整地され、スニーカーの観光客でも行き来できる。
それは、《オンネトー・湯ノ滝》である。 《オンネトー・湯ノ滝》は、キャンプ場より約1.5km奥に入った所にある。 道は砂利道ではあるがキチンと整地され、スニーカーの観光客でも行き来できる。
オンネトー・湯ノ滝 下段の滝 オンネトー・湯の滝 上段の滝
上に見える木箱が温泉源 緑苔に囲まれた美しい瀬滝だ
上に見える木箱が温泉源 緑苔に囲まれた美しい瀬滝だ
約30分程で、大きなあずま屋の立つ《湯ノ滝》前の広場に出る。 湯ノ滝は上下2段の滝で、昔は下の滝の上部から吹き出るお湯に直接入ることが出来たそうだが、今は滝の保護と温泉成分に含まれる鉱物資源・マンガンの調査目的の為立入禁止となっている。
現在の温泉は、上の滝の直下に造られた露天風呂であるが、上の滝(上の滝の方が絵になる)見物の観光客に見られる上、引き込み温泉の為にぬるま湯程度まで湯温が下がり、ちょっと温泉としては“使えない”であろう。
現在の温泉は、上の滝の直下に造られた露天風呂であるが、上の滝(上の滝の方が絵になる)見物の観光客に見られる上、引き込み温泉の為にぬるま湯程度まで湯温が下がり、ちょっと温泉としては“使えない”であろう。
湯ノ滝の露天風呂
ちょっと入るのは躊躇する
ちょっと入るのは躊躇する
まぁ、せっかくきたのだから、靴を脱いで足だけでも浸かるとしよう。 上の滝を撮って、“使えない温泉”でひと通りの“儀式”を済ませたなら、往路を戻るとしよう。 なお温泉は、帰路の途中で《雌阿寒温泉》に寄るのもいいし、ゴージャスに阿寒湖畔のホテルの大浴場でひと風呂浴びるのも乙である。
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No title * by 風来梨
makirin様、おはようございます。
また、雄大な景色がお見せできるようにがんばります。
また、雄大な景色がお見せできるようにがんばります。
No title * by makirin
おはようございます<m(__)m>
写真頂いてよろしいでしょうか?^_^;
写真頂いてよろしいでしょうか?^_^;
No title * by 風来梨
makirin様、折り返しのコメントありがとうございます。
撮影者冥利につきます。
どうぞ、使ってやって下さい。
撮影者冥利につきます。
どうぞ、使ってやって下さい。
No title * by makirin
有り難うございます<m(__)m>
ではお言葉に甘えて(@⌒ο⌒@)b 数枚ww
ではお言葉に甘えて(@⌒ο⌒@)b 数枚ww
No title * by オータ
とても魅力的な火山です。いつか登りに行きたいと思っています。
No title * by 風来梨
比較的楽な山ですので、ぜひ・・。
時期が合えは、メアカンキンバイに出会えますね。
時期が合えは、メアカンキンバイに出会えますね。
すごい景色ですね~~写真撮りた~~い!!!!
感動でしょうね~。.:♪*:・'(*⌒―⌒*))) スペシャルスマイル
感動(ノ≧▽≦)ノポ♡チ-ンッ*‥…。