風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第291回  女峰山

『日本百景』 夏  第291回  女峰山  〔栃木県〕


男体山の支尾根越しに
望む女峰山

  名峰次選 関東制圧作戦!?より
歳を重ねると体力を失い、筋肉はメタボ脂肪に変わる。 いや・・、筋肉と信じていたのは脂肪だったのかもしれない。 でも、最盛期の時のこの肉は、信じられないパワーを発揮していた。 そう、脂肪=油=熱源体で、大いに熱パワーを発揮したのかもしれない。

まぁ、体系的にはあの時よりも10kg以上痩せた(70kgを切ったよ)のだが、パワーは1/10位までに落ち込んでいるようなのである。 あり丁寧に言えば、体重80kgであれだけ動けたのは奇跡以外の何物でもないのだ。 そして今は、あの時と同じく『無訓練』で山に行ってはヘタリにヘタって、ヘタる毎にあの時を懐かしみ涙する事となっている。

そこに、体力的に無理が利かなくなってからは、一向に進まなかった〔名峰次選〕の制覇の可能性が舞い込んで来たのであった。 当初は体力的な限界から制覇をほぼ諦めていたのだが、拠所ない事情で2ヶ月のヒマがデキて(何故デキたのかは問わないようにしよう)、’この年の秋に東北・甲信越の〔名峰次選〕13峰をイッキに踏破できたのである。

しかもツイてる事に、この13峰は現在の筆者の『メタボディ』でもこなせる初心者向けの山がほとんどだったのである。 これで、この秋の旅を終えた時点で93峰制覇となり、残るは7峰となったのである。
この時点で、〔名峰次選〕制覇のヤボーが膨らんできたのである。




女峰山~裏見ノ滝 回遊ルート 行程図

   行程記録  ※ 女峰山頂から避難小屋までかかり過ぎ←筆者の下りは異常に遅いし・・
《1日目》 JR日光駅よりバス(0:25)→霧降高原(0:45)→小丸山展望所(1:15)→赤薙山
     (0:50)→奥社跡(0:50)→一里ヶ曽根(1:30)→女峰山(0:45)→唐沢避難小屋
      ※ 女峰山の冷水と呼ばれる水場へは唐沢避難小屋より往復35分
《2日目》 唐沢避難小屋(0:15)→女峰山の冷水(1:20)→馬立(1:20)→モッコ平
     (1:20)→裏見ノ滝(0:35)→裏見ノ滝入口バス停よりバス(0:15)→東武日光駅

   《1日目》 霧降高原より女峰山へ
2度の道ロストで『フォーエバー』になりかけていた和名倉山を3度目のチャレンジで漸く登頂して、〔名峰次選〕の完全登頂の実現が少し見えてきた6月中旬に、この夏の『〔名峰次選〕制覇プロジェクト!?』の第2弾として女峰山を攻めに行ったのである。 でも、日光は遠いよ。
関東の北端に位置するのだから。

この遠い日光の山に土日の休みを目一杯使って、1泊2日の山行を設定せねばならないのだ。 
従って、翌朝出来るだけ早くに日光の女峰山登山口へ着いておかねばならないのだ。

となると、高速&マイカーは時間・費用ともに高騰(それでなくてもワテの車は、「夢のリッター7km台」という驚異の高燃費車だし)するので却下となり、鉄道も6月中旬はオフシーズンで夜行列車の【ムーンライトながら】は運行してないし、新幹線で東京に出て東京か宇都宮で一晩明かすのも(ワテならできるが)現実的ではないし。


前回に登った和名倉山も
あらゆる面で「遠かった」

このように『遠い日光』は、アプローチが少し厄介なのである。 そこで、『最も安くて確実なアプローチ手段』として浮上するのは夜行バスである。 夜行バスで宇都宮まで行き、そこからJR日光線に乗り換えて日光に朝7:30に着く計画である。

だが、夜行バスも定員が少なく早期の予約が必須なのである。 何せ、週始めにバスの予約を取るべく入れた電話では満席だったのである。 「6月のオフシーズンに宇都宮くんだりまで行く奴が何人おるんや、コイツら宇都宮くんだりまで何しに行くんや」と、オフシーズンに宇都宮くんだりまで行く『コイツら』の一部そのものであるタワケ(筆者)がブツブツと不平を呟く。 でも、このままでは、『〔名峰次選〕制覇プロジェクト!?』が、早くも第2弾にて計画が頓挫してしまうのである。


この『〔名峰次選〕制覇プロジェクト!?』は
相次ぐ『オチャメ』で遭難フラグ連発だったよ
※ 興味のある方はコチラをクリック

だが、出発の当日の昼にバス予約センターに空き確の電話を入れると、思いっきり無機質に「1名様の予約が取れます」だって。 何か胡散臭いよな、バスの予約センターって・・。 とにかくバスの予約が取れて『プロジェクト!?』の頓挫が回避できたので、金曜日の仕事を定時で上がらせてもらってバスターミナルへ向かう。 夜行バスはつつがなく宇都宮に到着し、JR日光線に乗り継いで日光に着いたのは7:13。

30分ほど待って47分発のバスに乗り、いや・・バスを乗り間違えて東武日光駅前で乗り換える『オチャメもどき』はあった(間違えたJR日光駅~東武日光駅のバス代は運転手の好意でナシにしてくれた)ものの、つづがなく(どこが!?)バスは地図でリフト表記のある霧降高原ゲストハウス前の駐車場に着く。 もちろん、リフトに乗る気満々で・・である。


あるハズのリフトがない・・

バスを降りて周囲を見渡すが、あるはずのリフトがなく綺麗に整備された階段が草原に続くのみであった。 この情景に「もしかして下車する所を間違えた!?」と思ったタワケ(筆者)は、ゲストハウスの案内係に「リフトの乗場はどこですか?」とアホ丸出しの問いかけをする。

案内係氏は「リフトで楽をしたい」という『下心オーラ』を全身から放つこのタワケ(筆者)の心の中を見通したようで、苦笑いを浮かべながら「リフトは4年前に廃止となったので、今は階段を登らねばなりませんよ」と教えてくれた。 恐らくその時のタワケ(筆者)は、その『実刑判決』に心底『ガッカリ』と肩を落としていた事であろう。

こうして、女峰山に登る為には標高差にして300m近く、整備された階段を1500段近く昇る事が必須となったのである。 その必須事項を確認するのに20分という時間を無駄にして、なおもブツブツクジクジと不平を垂れながら出発する。


整備されて登り易く
登り標高差250mの苦はあまりない
さっすが著名観光地

だが、この綺麗な階段は一般観光客の昇降を想定した造りで1段あたりの昇り高も抑えられ、なおかつ70~80段毎に小休憩用の踊場も設けられて、足が短く最近はメタボって思うように足の上がらない(それだから、よく何でもない所で躓いてド派手なトライ〔転倒〕をカマすんだね)筆者でも『申し分のない』状況の優良建設物であった。

しかも100段毎の指標付で、最後の方には指標に『応援メーセージ』が入る「至せり尽くせり」なこの建造施設は、避難小屋泊でテントは持ってきていないとはいえ17kgを担ぐメタボーマンにも優しい造りであったようで、筆者でさえ登る前に想定された1時間という所要時間を15分も短縮できたのである。

スニーカーと初夏の軽装の一般観光客は最上段にある展望所で折り返していき、階段が途切れると登山者だけの領域となる。 展望所より先は土と砂利コロの転がる登山道に変わり、これをひと登りするとニホンジカの進入を防ぐ為に設置されたモノなのか、回転式の鉄柵門をくぐって小丸山の頂上丘に出る。

小丸山よりは全体的に見たらなだらかではあるが、階段であった先程の人工草原よりキツい山の尾根筋に連なる傾斜に変わっていく。 前方を望むと、これから伝っていく道筋が尾根上に一筋に刻まれて心地良い。 この刻まれた道筋を一歩づづ進んでいくのである。 足元は粘土質の土砂が掘られた溝状の道で、深く掘られた所は上の土手を通っていく。


赤薙山への登り道で
望む女峰山

振り返ると登山口に建つゲストハウスが小さく見えて、いつの間にかかなり登って来たのが実感できていい。 登り進んで赤薙山の頂上域に入るとササ原から樹林帯に変わり、開けていた展望は雑木林に隠されて見えなくなる。 雑木林の中を少し行くと頂上を通るルートとトラバースする巻き道との分岐があり、ちょっとでも楽したい≒巻き道の方が楽(一般的には)と直感的に考えるタワケ(筆者)は、迷わず巻き道を取る。

巻き道はほぼ『トラバース道』で、道自体が大いにナナメっていた感があって少し歩き辛い。
だが、ほんの12~13分ほどで本ルートと合流する。 しかも、赤薙山の頂上の右手50m程の所に。
で、50mで所要1分の赤薙山 2010メートル 頂上に立ち寄ってみる(もちろん、荷物17kgは分岐にデポりました・・ 僅か1分でも担ぐの拒否る心底ヘタレの筆者)。

すると、雑木に覆われて見通しのあまり良くない頂上には、弁当を広げる者もいるなど結構な人だかり。 この人だかりを目にして、頂上より50mの肩に出る好条件で巻き道を通る人が案外少ないのは、「もしかして、巻き道を通るより頂上を越えた方が楽?」と下世話な胸算用を思い描く筆者であった。

登山者・行楽客が各自弁当を広げて憩の山頂にはなっているが眺望は今イチなので、何もせずに荷物をデポした巻き道との分岐へと足早に戻る。 分岐からは少し痩せた岩稜を上下する。


女峰山へは前に立ちはばかる
ゴツゴツした岩峰を
越えねばならんのだな

展望はこの岩稜の底部が開けていて、底部では目指す女峰山の姿が拝めるが、登り返すにつれて樹林帯に入っていき展望がなくなる案配だ。 岩稜底部へ下った分をそのまま登り返すと緩やかな起伏の続く樹林帯の中の道となり、イワカガミなどの高山植物もチラホラとお目見えする。


岩影にひっそりと
イワカガミ

だが、ここでも、そんな広潤な気分を台無しにするようなチョーセンな人間の出来損ないのダニもどきが一匹いた。 その人間の出来損ないは事もあろうに、この補助ロープさえ設置されている痩せた岩稜にノーリードで黒い大型犬を這わせていたのである。

もし、離合困難な所でこんなのがやってきたら、コチラの身にも危険が及ぶのである。 まぁ、本当に危険と感じたならピッケルを持っていた事だし、遠慮なしに犬を崖から突き落とすけどね。 もちろん、自身の命を守る為に。 けれど、これにはさすがに腹が立って、「コラッ、こんな所に犬連れてくるな! このキチガイが!」と叫んでしまった。



世の中が便利になった反動で
こういう公衆道徳に背く
キチガイが増えたな

この人間の出来損ないは不服そうに謝ってはいたが、ワテが年端もいかない子供だったり反射能力の衰えた老齢だったりしたなら、こんな所で制御下にないノーリードの大型犬と遭遇したなら滑落する危険がかなり大きくなるのだ。 もし、私が子連れだったりしたなら、我が子が命の危険にさらされたのである。
云わば、車を運転する上で最大の違反である飲酒運転の車に出くわしたのと同じなのである。
その結果は無事かもしれないが、事故に遭遇する可能性もバカ高くなるのである。


犬連れ登山は自然を壊し
生息する動植物を絶滅に追いやり
山を破壊する飲酒運転にも匹敵する犯罪です!

もし、この人間の出来損ないが逆切れしてきたなら、遠慮なしに手を出すだろう。 
これを『浅はか』というなら、飲酒運転の車から間一髪で事故を防いだシーンを想像してもらいたい。 これを『浅はか』というなら、そういう場面で自身を轢き殺しかけた飲酒運転の運転者を笑って許せるかって事なのだろう?と。 まぁ、この事は『エンドレス』となるので、先に進もう。

先程の怒りを抑えるべくイワカガミなどの高山植物を愛でながらゆくと、岩稜を下る前に対面にそびえていた2203mのピークである《奥社跡》に着く。


6月の花・イワカガミが
山野を彩って

《奥社跡》といっても道標以外には何もなく展望も樹林に囲まれてスッキリしないが、木々で程よく日照りが遮られ、また小さな頂上スペースで座る事のできる草地もあって休憩場所としては最適だろう。
ここで荷を下ろして休憩して、またもや眼前にそびえる2209mピークまで70mのアップダウンに挑むのである。

このほぼ同じ高さのピーク間のたわみの上下であるが、底部は雨でも降るとヌタ状になりそうな粘土質の下地で、登り返しの道も木々の根がアチコチに乱れ這って道の判別がし辛い所だ。 
道の目印としては、この地域固有の指標であるオリエンテーリング用の四角の板指標をたどって行くといいだろう。

このほぼ同じ標高ピーク間のたわみを越えると樹林帯の中に続く平坦な道となり、この樹林帯を抜けると岩の積み重なった《一里ヶ曽根》という好展望所に出る。 正面左手に女峰山がデンとそびえて壮観だ。


今はいずれの世でも
男より女の方がデンと居座ってる

ここも風の吹き抜けて展望のいい良い休憩場所であるが、ここからは穏やかに見える女峰山の姿とは裏腹に予想より厳しい道となっていく。 まずは岩の積み重なった《一里ヶ曽根》から続くガレ場の急下降だ。 ガレ場としては大したレベルではないが、それでも浮石が存在するので転倒には要注意だ。
 
約60~70m下って、100mほど登り返して《一里ヶ曽根》の正面に対峙している岩屏風の上に出る。
この岩屏風の上はガチャガチャした灌木帯で、木の根が這い出して歩き辛い。 この尾根を越えると、いよいよ女峰山の本体に取り付く。


予想だにしなかった
岩場直登の難所

取り付き始めは女峰山という優しい山名から想定だにしなかった岩場の直登りだ。 ここは補助ロープもあり、岩自体のホールドも容易な初級の岩場レベルではあるが、このような場面を想定していなかった事と縦走である程度の重荷物を担いでいる事から鑑みると緊張する場面である。


この岩場を登る最中に振り返ると
灌木が幾何学模様を魅せてくれた

この岩場を登りつめるとそろそろにハイマツが姿を現し出してきて、頂上近きを思わせる。 
後はハイマツの間を縫うようにつけられた登山道を緩やかにつめていくと、三角点頂上を経てピラミット型に積まれた岩礫の上に頂上標が差しかけてある女峰山 2483メートル の頂上が見えてくるだろう。


頂上直下の女峰山を奉る祠にて

その頂上の岩礫のピラミットのすぐ前に祠の建つ頂上広場があり、そこから岩礫の頂までは標高差にして3m・・ほんの20秒である。


女峰山頂上標
鈍重な雲の下で

その岩礫の積まれたピラミットの上からは、梅雨時期という事で雲は多めながらも男体山や奥白根山や太郎山、志津峠から続く猛烈なアップダウンの三兄弟の峰である大真名子・小真名子・帝釈山が見渡せる。
中でも『猛烈アップダウン三兄弟』の山なみにガスが吹き抜けていく様はそそるモノがあった。


湧き立つ雲が峰を覆う

リフトが廃止になっている事を知らなかった事はあったが、休憩時間を含めてここまでの所要時間5時間半はまぁまぁだろう。 とはいえ、頂上で半時間程過ごしてもう15時前となっているので、そろそろ今夜の宿である唐沢避難小屋へ向かうとしよう。

その唐沢避難小屋への下りであるが、《一里ヶ曽根》のガレ場よりよっぽとキツい急なガレ下りである。 元来下りのヘボいワテには厄介な下りだ。 道標では25分とあったが、到底45分はかかりそうである。 それに、途中で状態の良いイワカガミの花が岩影に咲いていて、更に下り時間が遅くなる。


下りの険しさ(但し、筆者基準)にめげて
疲れた心身をイワカガミ撮影で癒す

まぁ、何とか40分で小屋に着いたが、これより地図上では10分だが、実際は往復で30分は裕にかかる《女峰の冷水》までの水汲みがある。 しかもこの水場へは思いっきり痩せた尾根の通過があり、今日の行程では最も危険マークが着く水汲みなのである。 こういう事もあるので、小屋には明るい内に余裕で着くようにしよう・・という教訓が活きるのである。


唐沢避難小屋
思ったより窮屈
それにトイレ無

小屋は思ったほど広くなく、そしてトイレもないなど住環境は今イチである。 でもここ以外に避難小屋はないので、今日はこの小屋で一夜を結ぶとしよう。 今日のあの下りからすると、女峰山への朝日への意欲が減退するなぁ。 何せ、近年はヘタリにヘタってますさかいに。

 ・・続く《2日目》の下山行程は、次回記事の『日本の滝を訪ねて 第149回 日光・裏見ノ滝』にて

 ※ 元ネタはメインサイトの旅行記、『名峰次選 関東制圧作戦!?』です。 宜しければどうぞ。

















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