2017-04-23 (Sun)✎
『日本百景』 春 第286回 最後の桜風景 〔島根県〕
江ノ川の川面も桜風景
先日に来年の3月末で路線廃止となる三江線に最後の桜風景を撮りに行ったので、このブログではかなり貴重で珍しい最新の写真で記事を書こうかと。 でも、『最新』といってもフイルムだから、桜の真っ只中より2週間の遅れが生じるのであるが。
この春の『撮り鉄』に出かけた4/7~9に掛けては、天気予報では50%から70%の雨予報だった。
だが、桜の満開に合わせた今春の土日のめぐり合わせが4/8~9で、これ以外はプーか学生以外は来訪不能なのである。 まぁ、有休を不自然に2日続けて取るっていう『労働者の権利行使』もあるのだけれど、それをすると職場で肩身が狭くなるだろうし。
・・で、仕事を終えて、会社近くのスーパーの駐車場に止めていたマイカーで『直接フリーキック』の出発をする。←まじめな人はマネしないように。 もう、作業着は車の中で着替えたよ。 帰るついでにコインランドリーに立ち寄れば、作業着も洗えて一石二鳥だし。←こういう事だけは、頭の回転が速いな、このタワケは・・
でも、大阪を8時過ぎに出て、高速を飛ばしても三次ICに着いたのは23:40頃で、今夜の宿泊地の『道の駅・布野』へは暦が変わる1分前だったよ。 着いたら即効寝る。
翌日は三江線を追って三次側から列車を追いながら三江線沿線の桜の名所を上下していく予定だ。
先ずは、『道の駅・布野』から最も近い桜の名所・口羽駅付近である。 ここで三次からの始発列車と浜原からの始発列車が交換するので、上下列車の2回の撮影チャンスがある。
口羽の桜風景
着いてすぐの撮影で余裕が無かったので
つけていた35mmで適当撮り
本数が1日4~5往復と少なく、日中はほとんど列車が運行しない三江線では、列車ダイヤに合わせて車で効率よく沿線を上下しないとなかなか撮る機会を稼げないのである。 まぁ、ひと所で絞って撮影する方がいいのが撮れるのだが、そんな時間は無いし、何より三江線列車と桜風景を撮るのは今年が最後のチャンスだから、ある意味仕方ないのかもしれない。
あぁ・・、昔は良かったなぁ。 ひと所で何時間も粘れる気力と根気と『情熱大陸バカ』という位の情熱があったし。 それに列車も昔の車両の方が絵になったし・・ね。
潮に次いで人気の撮影地
川戸も『桜の駅』
口羽で撮った後は、9時の上り(江津行)列車を撮る為に川戸へ向かう。 川戸までの65kmを2時間ちょいの持ち時間で行くが、飛ばし過ぎると危ないし、ゆっくり行き過ぎると撮影者が大勢集まってくるのでいいポジションが取れないだろう。 ワテの持つ長玉(望遠)は210mmで、他のデジイチの『撮り鉄』が持つ300mmやら400mmより前に行かねば撮れないのであるから。
雨予報だったのに
晴れて日差しが出てきたよ
幸い他の『撮り鉄』は三江線きっての桜の名所・潮に行って、先程口羽を発車した列車と浜原で交換してくる下り(三次行)列車の2本撮りを目論む奴が大半のようで、朝の川戸は思ったより『撮り鉄』が少なく、余裕で一番乗りで最も手前のポジションで撮る事が出来たよ。
川戸の桜風景
やっぱり日差しが出ると
テンションも上がって手応えのあるデキに
朝の列車は『撮り鉄』より
『乗り鉄』が多かったみたい
川戸では前日雨の天気予報なのに、春の日差しが射してきてかなりいい雰囲気だったよ。
駅に向かって進入する上り列車を撮って、次は『撮り鉄』から比較的ノーマークと思しき沢谷へ。
この沢谷は駅に沿って桜並木の立つ駅なのだが、沿線で唯一の谷向こうにある駅で立ち寄るには国道から脇道に入る『寄り道』となるので、列車本数が少なくロスを嫌う『撮り鉄』から敬遠され気味の撮影場所だ。 まぁ、デジイチの奴らは脚立やらデカい三脚やら物々しいから、据え付けとセッティグに時間がかかるから、時間のロスを嫌うんですね。
黒点(人)が入ったら入ったで
仕方ない事かと
で・・、沢谷に向かうが、予想通り駅ホームにへばりつく『撮り鉄』は数人いたが、外から風景を絡めて撮るのはほとんどいなかったみたいだ。 なぜなら前を川が流れていて、橋が2ヶ所しかなく風景を絡めて撮るにはかなりの距離を歩かねばならないからだ。
そこには眩いまでの
『注目されぬ春』があった
でも、そこまで歩いていくと、桜とはまた違った春風景が広がっていたのである。
そこには黄色い野花が畑の一反を黄色く染め上げていたのである。 もう、嬉しくなって、桜とこの黄色い野花を入れたアングルで狙ってみた。 それがコレ。
もっと絞ってパンフォーカスにしたかったけど
そろそろに空が曇って陰ってきたからねぇ
沢谷で撮り終えると、1時間半の持ち時間で再び川戸へ。 今度は駅からこちらへ向かってくる上り列車を撮る為だ。 上り列車はヘットライトを点けてやってくるので、朝の下り列車と違う趣があるのだ。
だが、沢谷を出た頃から空模様が曇りがちとなってきていた。
川戸に着いたのは3番手位だったが、朝と違って次々と『撮り鉄』がやってくる。 その数は20~30人位となったよ。 そして、その全てがデカイ三脚で巨砲(超望遠)をぶっ放すべく、身長より高い三脚を立てて脚立に昇ってセッティングしていたよ。 でも脚立組は、脚立が邪魔で前に進めずに後ろの方で撮っていたので、難なく朝撮った一番前のホジションに着く事ができたよ。
そこで小さな揉め事が発生する。 『撮り鉄』の一人が駅の引き込み線跡の敷地に三脚を立て始めたのである。 これに後ろで脚立を立てていたデジイチ達は、「空気の読めない迷惑な奴だ」、「入る! 邪魔だ!」などと一斉に『ブーイング』を発し始めたのだ。 もう、聞える位に・・。
ワテは朝に撮ったからそんなに”掛かり気味”ではなかったし、天気も下り坂でテンションも下がり気味だったので、この前に三脚を立てた野郎などどうでもよかったが、後ろのデジイチ達は怒り心頭で、一人が遂に「線路内に撮影者がいる」と警察に110番通報していたよ。
ヘットライトを着けた美味しいターゲットだが
空が影ってテンション今イチ
警察も偉い迷惑である。 やってきたお巡りは、通報した奴が排除を要求する前の三脚野郎を撤収させるために列車がやってくる間際に線路を伝って、前にいた三脚野郎にその場所より離れるように促す。
前にいた三脚野郎が撤収すると、「当然だ!」とばかりの声がデジイチの口々から上がっていた。
この一連の光景を目にして、ワテは「そこまでやるか!」って思ったよ。
210mmの手持ちで撮るとこんなの・・
脚立に昇って超望遠で撮るとどんなのだろう?
後は田津・乙原・石見簗瀬と撮って、粕淵で風呂に入って『道の駅・大和』で車寝する予定だが、天気が崩れてきた午後は、撮影場所も土手の上に桜と線路があるなど、足場が微妙な撮影地が多くて今一テンションが上がらなかったよ。
田津は桜は凄いものの
土手上に線路があっていい足場がない
秋に撮った樹が桜の樹だったので
密かに狙っていた乙原駅
でも乙原は
コチラの桜の方が決まった
それに、撮影の為なら、前に生える草木を折ったり、雑木林の枝を足で踏み均す奴がいる等、ここでもデジイチ達の「そこまでやるか!」魂を見せつけられたよ。
石見簗瀬にて
手前の枝を足で踏み均す
『テジイチ魂』な奴もいたよ
翌日は沿線で最も桜で有名どころの潮で撮る事にした。 この駅はホームに満開の桜が咲き乱れる『桜の駅』だ。 取り敢えず朝の上下列車は、江ノ川対岸の径から川を前に駅に咲く桜を愛でようか。
翌日は沿線で最も
『桜の駅』として有名な潮駅で
この径は舗装されているものの整備は放置されていて、所々に倒木や落石の残る道で、いい撮影場所なのだが『撮り鉄』には敬遠されている所の様だ。 それでも、5~6組の撮影者が脚立付て構えていたが・・。 この江ノ川対岸で撮ったのがコレ。
後に来る下り列車の時は
川面が風で揺れていた
川面の列車が最も
ハッキリと映ったのはコレかな
最後は、この潮で最も人気のある『桜の駅』を俯瞰する撮影場所だ。 もう、ここの人気は凄しく、朝の上下を撮って潮温泉でひと風呂浴びて戻って来た9:30には、もう三脚で場所取りするデジイチが5人ほどいた。 列車の潮駅到着は11:28だから、2時間近く前から出張っているのである。 その後も続々と、『撮り鉄』が車で乗りつけてくる。
ここは手持ち撮影であっても後からなら入りそびれる勢いだったので、『最後の春』というで最後のチャンスでもあるから、ワテも1時間前から出張って場所取りをせざるを得なかったよ。
あまりにも人が多いと
テンションが下がる
・・で、最後は2m以上の三脚が30~40機立ち並ぶ出入り困難な『密林地帯』となってたよ。
下手に出入りすれば三脚の脚や脚立に躓いて下らぬ争いを招くので、ここは列車の来る11:28までひと所でじっと待機せざるをえなかった。 まぁ、こういう撮影はあんまり楽しくないねぇ。
『最後の桜風景』を締めるにしては
少しブレた残念なデキに
ワテは手持ちだったし望遠も中望遠域の210mmなので、この俯瞰場所での撮影にそんなに執着できなかったが、脚立組は脇目もふらずにセッティングしていたなぁ。 何か楽しくなさそ〜。
この待機に疲れたワテは、これで『最後の春』の撮影を切り上げて、途中の看板で見つけた稲滝という滝でブッシュ漕ぎをして(ブッシュ漕ぎした割には滝はあまり良くなかった)、高速は高いので山陽ICまで下道を通って(途中でコインランドリーで作業着の洗濯したし)、23時前に大阪に戻る。
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No title * by 風来梨
鳳山さん、こんにちは。
お返事が遅れてスミマセン。
鉄道と桜風景・・ 日本の春の極々当たり前の風景が、今年限りでまたひとつ消えていきます。
ゆとりや趣が無くなっていくのに、憂いは増える今の情勢、何とかなりませんかねぇ。
お返事が遅れてスミマセン。
鉄道と桜風景・・ 日本の春の極々当たり前の風景が、今年限りでまたひとつ消えていきます。
ゆとりや趣が無くなっていくのに、憂いは増える今の情勢、何とかなりませんかねぇ。
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