風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第281回  越前海岸

『日本百景』 春  第281回  越前海岸  〔福井県〕


海沿いの丘に咲く
原生のスイセン

  越前海岸 えちぜんかいがん (越前加賀海岸国定公園)
海岸沿いに花咲く穏やかな海岸風景から北陸の厳しい冬を象徴する荒波の風景まで、全ての魅力を備えた風景を魅せてくれるのがこの越前海岸である。 春夏秋冬に見応えのある所だが、最もその魅力を引き立てるのは冬から春先であろう。 
 
沿岸で最も“冬”を感じさせる情景は、越前松島海岸の荒波と海岸風景であろうか。 冬の季節風が荒波を生み出し、それが岩礁に砕け散る様は、正に“冬の日本海”を象徴する情景だ。 


国民的景勝地・東尋坊

また付近には、北陸地方有数の観光名所・東尋坊があり、柱状摂理の断崖に冬の荒波が砕け散る光景は迫力満点だ。 そして、もう一つ忘れてはならない情景がある。 
それは、越前岬の原生スイセン畑だ。 
 
春先の冷たい風と波しぶきに必死に耐えている清楚な白い花々が、実にいいシチュエーションを演出している。 厳しい中にもほのかな暖かさを感じる情景だ。 さぁ・・、冬景色にほのかな暖かさを求めて出掛けようではないか。




越前海岸 位置図

    行程表         駐車場・トイレ・山小屋情報
鯖江市街より車(0:45)→越前岬・原生スイセン畑(1:00)→東尋坊
(0:15)→越前松島(0:45)→福井市街

関西圏からなら、勤めを終えての前夜発の一泊二日の車の旅でギリギリの所が、この『越前海岸めぐり』ではないだろうか。 それゆえ、長期の旅がままならない“勤め人”向けのカメラスポットとして、この『越前海岸めぐり』を企画したのである。 それでは週末の連休を使って、カメラ片手に羽根を伸ばしにいこう。

訪れるなら、冬から春先の小春日和の日がいい。 北陸道(高速道路)の《鯖江IC》より、海岸線へ向かっている国道417号線に乗って約30km、所要40分位で《越前岬》の灯台前に着けるだろう。
今夜は、灯台下の駐車場で仮眠しよう。 


様々な渡り鳥がここに“記”を刻む
鳥糞岩と越前の海

さて翌朝は、車を海岸沿いに走らせて、《呼鳥門》や《鳥糞岩》などの奇岩を見ていこう。 
これらの岩はその名の通り鳥の巣窟となっていて、根気良く待てば大鷲や鳶などの大物が羽根を大きく広げて旋回するシーンを拝めるかもしれない。 その他にも海食洞が数多く点在しているので、鳥や岩打つ波や沖をゆく船などと取り合わせると、いいカメラアングルとなろう。 


スイセンの花と岬灯台

また、夜明けの灯台風景を狙うのもいい。 灯台の建つ高台の更に上にある展望台より、朝の海岸風景を撮るのもいいだろう。 だが、朝日は山手の方向から昇ってくるので、海岸より昇る朝日の情景は無理のようである。 そうこうしている内に、時は過ぎて8時頃となっている事だろう。 
これより、お目当ての“スイセンの花めぐり”である。 

《越前岬》灯台の周りのスイセン畑を管理する《越前岬スイセンの里》は、8時位から開園する(清掃協力金の名目で300円必要)。 スイセンの開花期は、12月から3月にかけてである。 
この時期になると、園内いっぱいに清楚な白い花が咲き乱れ、甘い香りが漂ってくる。 また、海の青さと可憐な白い花は、旅情を目一杯に駆り立てるのである。 


原生のスイセンと
どこまでも青い海

もし、波と風が“冬”のそれであったなら、シチュエーションは最高潮だ。 
可憐な白い花が冷たい風に必死に耐えている・・、感動的で旅情深い作品を得る事ができるだろう。 園内は広いので、いいカメラアングルを各自に発見して頂きたい。

さて、スイセン畑をひと通りめぐったなら、北上して《越前海岸》随一の観光地・《東尋坊》へいってみよう。 《東尋坊》までは、海岸線をいく国道305号線を約45分の道程である。 途中に、軍艦そっくりの“軍艦岩”が海にポッカリと浮かんでいるのが望めるだろう。 

さて、《東尋坊》は署名な観光地だけに、観光客は途切れる事なくやってくる。 また、《東尋坊》は想像以上に小さく、対岸には《三国港》のコンビナートも目に入るのである。 それゆえに、写真で“作品”としてまとめるのは至難の業である。


やや平凡な東尋坊も
アクセントに遊覧船を入れると

写真集や絵はがきなどでも、荒波との取り合わせで何とかまとめているようである。 なお、《越前岬》から三国町の市街地まで店屋らしきものはほとんどないので、昼食のことは予めに留意されたい。 

《東尋坊》は景観的に今イチなので、その埋め合わせは“雄島めぐり”が最適である。 《東尋坊》より1kmほど北に海岸と赤い橋で結ばれた島が浮かんでいるのが目に入るだろう。 この島自体が『大湊神社』となっていて、周囲1kmの島の至る所に灯篭やしめ縄を見る事ができる。 だが、“お目当て”はこれではない。 島の裏側に広がる安山岩のスライス岩が連なる波打ち際だ。 


雄島のスライス岩に
夕日を輝かせる

叙情的な
越前松島の落日

この海岸線は夕日の当たり具合で岩がほのかに色づいて、真に絵にある情景となるのだ。
そして、1日の“クライマックス”である夕暮れ時は、更に3km東方にある《越前松島》で迎えよう。
美しい海岸風景にのみ名乗る事を許される『松島』の名の通り、夕日と島々の取り合わせで感動的な情景を魅せている。


雅な情景を魅せる越前の“松島”
コレ・・ ぢ・つ・わ・・
地元の業者より依頼があって
絵葉書になったようです

また、荒天の波高き時に、“波の花”現象が見られる所でもある。
頭を絞って文を考えても、『百聞は一見に如かず』。


荒波が岩礁にぶち当たる衝撃で
波しぶきが泡となる『波の華』

ここは掲載写真を御参照頂きたい。 夕日が沈むのを見届けたなら、《芦原温泉》などの“北陸湯めぐり”を交えて帰るとしよう。

    ※  元ネタはメインサイトの『越前海岸』です。 宜しければどうぞ。










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