風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出   第197回  小湊鉄道・月崎駅

路線の思い出  第197回  小湊鉄道・月崎駅  〔千葉県〕


月崎駅と単行列車
のどかな『山里』にある
小僧の時に目にした駅の原風景だ

《路線データ》
    営業区間と営業キロ               ’12年・運行本数
  五井~上総中野 39.1km      五井~上総中野 下り3本・上り4本(土・休日は6往復)
                    上総牛久~上総中野 下り1本(土・休日は五井始発)
                    五井~養老渓谷 下り4本・上り5本(土・休日は3往復)
                    五井~里見 1往復(土・休日上り1本運休)
                    五井~上総牛久 下り19本・上り18本(土・休日は11往復)

月崎駅(つきざきえき)は、千葉県市原市月崎にある、小湊鉄道線の駅である。 駅舎に接して単式ホーム1面1線がある駅で、奥には使用されていない島式ホーム1面2線が残っている。 2013年度の乗車人員は1日平均11人との事。  駅舎は古くからの木造であるが、無人駅となった現在では、内部は待合所のみとなっており出札口などは残っていない。 2009年11月、ログハウスの公衆トイレが設置された。

1967年に無人化以降は長らくの間乗車券の発売は車内のみであったが、2014年8月15日に駅前にある商店への簡易委託による硬券乗車券の発売が開始された。 小湊鉄道線内の普通乗車券と月崎駅普通入場券のみの取扱いで、JR東日本線の連絡切符など他の乗車券類は取扱わない。

毎年クリスマスの時期になると、付近にある『いちはらクオードの森』のクリスマスイベント開催に合わせてイルミネーションライトが駅舎に装飾点灯されて、訪れる者を幻想的な世界に誘ってくれる。



首都圏から2時間圏内でこれほどまでに情景が一変する所は貴重であり、そして都会生活の煩雑さに疲れた精神を保養するには打ってつけの所であろう。 この小湊鉄道沿線は。

でも、春は満開の桜が咲き誇り、菜の花の黄色いじゅうたんが広がるなど、関東圏の”春のお薦め場所”として周知されているので、花の沿線を彩る春を求めてやってくる観光客は元より『撮り鉄』が大挙としてつめかけて、写真を撮ろうにもおしかけたカメラマンの車や人の頭が入ってしまって写真撮影もままならない程・・という。 

このような状況では、せっかく訪れても思う様に写真が撮れずに、疲れを癒しに来たのに反ってストレスを溜め込んでしまう結果となるのである。 なので、ワテは季節外れの冬や春先に訪れる事にしたのである。


のどかな雰囲気の中で
忙しない都会生活での疲れを癒しにいこう

冬や春になる直前は、本来この地が魅せる長閑な雰囲気が、都会生活で慌ただしく周っていた心の秒針をゆっくりと元に戻してくれる。 ここは、この月崎駅を起点として、上手の”トトロの駅”上総大久保や、下手の飯給駅までウォーキングを兼ねて『撮り鉄日和』をしてみよう。

今日はそういったレクリエーションが主目的なので、「アングルがどうのこうの」とか「三脚がどうのこうの」といった撮影ウンチクは一切なしで、背負うのもカメラの他はお腹が空いたとき用のお弁当を持っていく事にしよう。 レンズもいつも使っているモノ以外は持っていかないし、重く嵩張る時刻表も邪魔なだけの三脚も要らない。 そういった「上手く撮る為のグッズ」は、のんびりとしにきた心を尖らせるだけだから・・。

では、でかけよう。 旅行先からの夜行列車で東京に早朝に降り立ち、不要な荷物を東京駅のコインロッカーに預けて、先程に言った通りに「よく使うレンズとカメラ」と「おにぎり弁当」だけを持って総武本線の列車に乗り込む。 列車はつづがなく、この路線の始発駅の五井に着き、ここから長閑な『撮り鉄日和』が始まる。


車窓を眺めて降りる事を決めたのが
この月崎駅だった
※ ウィキペディア画像を拝借

どこに下りてもいいように終点までの切符を購入し、車窓を眺めながら思いつくままの所で降りる。
その思いついたまま・・の駅がこの月崎駅であった。 駅は元々有人駅だったようで、ペンキの塗られた木の柱に地元の小僧が刻んだであろう『相合傘』の落書きが刻まれていた。 駅周辺を紹介するパンフレットが置かれ、壁には地元の幼稚園児の絵が飾られていた。

そう・・、30年以上も前の小僧だったワテが見ていた「田舎の駅」の雰囲気がそこに漂っていた。
さっそく、駅に掲示してある時刻表で次の列車の時刻を確認したなら、駅の周辺を散策しながらこの長閑な雰囲気を撮れる所がないか・・と見渡す。


最初のショットは
取り敢えず撮っただけ

駅は駅舎寄りの線路のみが使用され、相対するホームは枯れ草に覆われていた。 取り敢えず、撮り始めは適当に駅に停車する単行気動車を撮る。 まぁ、最初から飛ばす必要もない撮影行だし、駅に着いた途端では「どう撮るか」の考えもまとまっていなかったから。

・・で、次の列車が来るまでの間に再び周囲を見渡すと、春は満開の花をつけるであろう・・今は坊主の桜の樹があり、これをオカズにする事にした。 でも、坊主の樹と撮っても面白みがないので、ちょっちアクセントをつけたのがコレでっす。 「結構いいかな」なんて思ってまっす。


坊主の桜を活かすべく
列車を中途半端にすると
結構いい絵になったジャン!

次の上下列車は、撮る場所を探しながら上総大久保寄りに歩いていこう。 月崎と上総大久保の間には小さな峠があるみたいで、駅周辺の『人里』の雰囲気から『里山』へと入っていく。 約1km程歩いた上総大久保とのほぼ中間地点に、杉に覆われた掘割状の中を線路が敷かれている所があり、これを見て面白そうなアングルが頭に浮かんだ。


順光側は『山里』の
豊かな色彩を魅せてくれた

それは、順光側からやってくる下り列車と逆光側からの上り列車の対比である。 順光側は春が間近な山里を豊かな色彩で魅せてくれたし、逆光側は林立した杉の影で美味しい影のトーンと向かってくる列車のライトで魅惑的な情景となったよ。


林立する杉の影の中に
ヘットライトの光が差し込んできた


列車と影とレールに反射したライトが
美味しいシーンにしてくれた

この順光と逆光の対比を撮って、次は先程とは逆の飯給方向へ散策する。 コチラの方は逆に『里山』から『人里』へと下っていく雰囲気で、荒れた休耕田や線路に沿って続く砂利道や民家、踏切などの人の住む『里』の風景が広がってくる。


ムーミン谷に出てきそうな
変な樹をアテにして撮る


『山里』から『人里』の
境界となる踏切にて


『人里』に下りてきた列車は
人の集まる『駅』へと走っていく

枝のない樹をアテにしたり、『里山』と『人里』の境界となる踏切で絵を創ったり・・と、今日一日を満喫できたよ。 楽しかったなぁ。 この思いは、また再びこの地を訪れたくなる動機となる。

   ※ この他にも『撮影旅行記集』の『滝と鉄道の旅・冬 房総編』や、
      『魅惑の鉄道写真集』に『小湊鉄道』がありますので、宜しければどうぞ。




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No title * by 鳳山
昔一度だけ小湊鉄道乗った事あります。懐かしい。

ナイス

No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。

通ですね~。 春は桜や菜の花で満開になり、夏は都市圏とは思えない自然の宝庫、秋は山野が彩り、冬は日向ぼっこするくらいに温暖な所です。

鉄道好きだけでなく、フラり旅の好きな方にもうってつけです。

コメント






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No title

昔一度だけ小湊鉄道乗った事あります。懐かしい。

ナイス
2017-03-09 * 鳳山 [ 編集 ]

No title

鳳山さん、こんばんは。

通ですね~。 春は桜や菜の花で満開になり、夏は都市圏とは思えない自然の宝庫、秋は山野が彩り、冬は日向ぼっこするくらいに温暖な所です。

鉄道好きだけでなく、フラり旅の好きな方にもうってつけです。
2017-03-10 * 風来梨 [ 編集 ]