風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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よも”ヤマ”話  第14話  大台・日出ヶ岳

よも”ヤマ”話  第14話  大台・日出ヶ岳 〔奈良県・三重県〕 ’89・9 、’90・5 他
大台・日出ヶ岳 1695m【名峰百選 1峰目】


大台ケ原随一の眺めを魅せる
大蛇嵓

  大台ケ原 おおだいがはら (吉野熊野国立公園)
『関西の尾瀬』といわれる大台ケ原・・。 ここは、トウヒ林をはじめとする原生林の宝庫である。 
大台ケ原は日出ヶ岳 1695メートル を中心とする台地状の山塊で、《牛石ヶ原》・《正木ヶ原》などの草原台地を抱く。 

この素晴らしい景観を抱く大台ケ原の中でも、特にお薦めしたいのは、《大蛇嵓》・《千石嵓》といった大岩壁からの景観で、これら“”の先端に立つと、足元は1000mはあろうか・・という大絶壁の奈落の底で、思わず足も竦み震えさえ感じるだろう。

また、深く切れ込んだ谷の向こう側には、落差が我が国第二といわれる《大台・西ノ滝》と《中ノ滝》が250m以上という瀑布を掛け、その轟きは遙か遠く離れたこのまで響き渡っている。 
これらの滝は、滝見尾根から間近に見る事もできる。




大台ケ原周遊ルート 地図

   行程表
吉野町・上市より車(1:30)→大台駐車場(0:45)→大台・日出ヶ岳(0:40)→シャクナゲ平 
(1:00)→大台・日出ヶ岳(1:10)→大蛇嵓(1:10)→大台駐車場より車(1:30)→吉野町・上市


大台ケ原の代表的景観の
正木ヶ原・トウヒ林

・・上の記述はワテが展開するHP『日本百景』での大台ケ原の冒頭紹介文であるが、実際はこんな”大人”な記述が書ける程に大層な山行はしていない。 ただ、大台遊歩道を一周しただけ・・なのである。 まぁ、大台ケ原で”大人”な山行は、10年近く先の大台・中ノ滝、西ノ滝めぐり・・となるかな。


正木ヶ原のトウヒ立枯れ群


その1本をクローズアップ


トウヒ立枯れの主原因は
鹿たちが木の皮を剥いで食う為・・との事だ


大台ケ原の”最初”はここに立って
高低差1000mの嵓を望むだけのモノだった

その大台ケ原に最初に訪れた’89年9月は、まだ山岳風景をどう撮っていいか・・解らず、ロクな写真を撮ってない・・というか、掲載できたのはこの1枚だけだ。


最初の大台ケ原は
何を撮ったのか解らないコレが
”一番星”のテイタラク

まともに写真を撮り出したのはその翌年の5月以降に訪れた時からであるが、その時に夢中になっていたのは『山』でなく滝だったのである。 それに加えて最初の大台ケ原での成果が前述した様に散々なデキだった事もあって、写真を撮るのも『山』より『滝』だったのである。 目的も日出ヶ岳や大台ケ原の草原や《正木ヶ原》ではなく、大蛇やそこから望む大台・中ノ滝だったのである。


大蛇嵓
尾根筋の節々が1000m下にイッキに突き落とす


その大蛇嵓の右を望むと
落差250mの大台・中ノ滝が見えてくる


大蛇嵓から望む大台・中ノ滝
当初はコレで満足だった

その通り、この間に何回も大杉谷の探勝をしていたようである。 もちろん、この時は『山』の意識も無かったので、ザックの中はカメラとレンズとフイルムと・・と、雨合羽を除くと山グッズは何も持って来ていなかったし、宿泊も大杉谷の七ッ釜滝付近にある山荘の《桃ノ木小屋》での食事付・・、ついでに弁当のおにぎりも注文という、今では考えられない程に裕福!?な探勝であった。 その大杉谷の探勝は、次回の第15話で語ろうと思う。


この頃の『山』の実力は
「馬も酔う木」のアセビ程度のもの・・かな!?

・・で、翌年の5月に再度大台ケ原を訪れた時も意識としては『大杉谷』を引きずっていて、行程自体は大台ケ原の遊歩道をめぐるだけではあったが、時間の許す限り日出ヶ岳より大杉谷の方向へ下降する”寄り道”をしていたのである。


日出ヶ岳から大杉谷への下り道は
樹々が林立し日の光を遮って
常時霧が立ち込める瞑想的な雰囲気だ

でも、この時は5月の末と言う事でシャクナゲが満開で、始めは大杉谷の最上部の滝《堂倉滝》まで下るつもりだったが、このシャクナゲに魅せられて『山』もいいなぁ・・と思う様になってきたので、この2回目の日出ヶ岳は意義があるかな?


この時はシャクナゲが満開だった

それから2~3年は「3連休があれば大台ケ原」・・というようになって、ついに『山』の魅力の虜になる転機が訪れた。 それは山の朝景色である。 山岳の写真集などで素晴らしい山の朝の情景は目にするものの、やはり自分の目で魅なければ・・、そしてそれを撮ってフイルムに残さなければ・・、実感が湧かないのである。 そして、その「実感を得る」時がやってきたのだ。

前夜を大台駐車場で車寝をして朝の4時から日出ヶ岳へ向けて出発し、頂上まで45分の整備された道を日の出前までに登っていく。 そして、頂上にある2階建ての展望台の上で待つ事少々で御来光が上ったのである。


山の朝の”代名詞”の御来光よりも

でも、この時の御来光は空の下方が曇っていたせいもあり、良かったものの「バッチリ!」って程でもなかった。 この時に魅せられて『転機』となったのは、その下方にある雲が雲海となって朝のほのかな色に染まる情景と、頂上に立つ一本の樹が雲海というキャンパスに浮き出るシーンであった。


御来光を”今イチ”にした雲は
雲海となって染まっていた


『転機』となった一枚
染まる雲海をバックライトに
浮き立つ頂上の1本の樹

これをフイルムにゲットできた事で山の朝景の虜となって、これより始まる『山』オチャメストーリーの第一歩を踏み出したのである。









    



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