風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

TOP >  路線の思い出 >  路線の思い出 151~200 >  路線の思い出   第191回  近鉄湯ノ山線・中菰野駅

路線の思い出   第191回  近鉄湯ノ山線・中菰野駅

路線の思い出  第191回  近鉄湯ノ山線・中菰野駅  〔三重県〕


生涯を通じて
「立ち寄る事のない」駅での思い出とは
※ ウィキペディア画像を拝借

《路線データ》
        営業区間と営業キロ                 運行本数(’16)
     近鉄四日市~湯ノ山温泉 15.4km       毎時2本、ラッシュ時毎時3~4本の運行

中菰野駅(なかこものえき)は、三重県三重郡菰野町大字菰野字杉ノ木にある近鉄・湯の山線の駅である。 島式ホーム1面2線を持つ行違可能な駅で、駅舎は駅南側の四日市寄りにあってホームとは構内踏切で連絡している。


でもよく見ると構内踏切に
意味の解らない高く細長い駅舎が興味をソソるね
※ ウィキペディア画像を拝借

駅舎寄りの2番線を上下副本線、反対側の1番線を上下本線とした一線スルー配線になっている為、上下列車ともに普段は1番線を使用し、2番線は行違い時のみ使われる。 1番線は完全な直線ではなく、幾分ホーム部分が北側に編心した格好になっている。 これは、改軌時にホーム位置をそのままにして、線路をホーム外側に移動させることによって、ホームの離れを確保した名残である。 

便所は改札内にあり、男女別のコンパクトな水洗式である。 2012年11月に無人化された近鉄四日市駅管理の無人駅であるが、線内の他の駅には設置された自動改札機は設置されず、PiTaPaは簡易改札機による対応となっている。



正直言うと、今回取り上げる近鉄湯ノ山線の中菰野駅は、普通は生涯において降りる事のない駅だったろうと思う。 それは、何の変哲もない私鉄ローカル線の有人駅(今は無人駅)で、そこは単なる町の住宅街で、目ぼしいモノは何もないからである。

これは前の記事の『よも”ヤマ”話  第11話  御在所岳 その3』で御在所岳から下山しての帰りの出来事であるが、まず初めに謝っておこう、『スミマセン』と。 というのは、その出来事がハプニング有り過ぎの山行で疲れていたとはいえ、『ロクデナシ道』全開の『オチャメ』をしでかしたからである。

この山で頭に(頭から血が顔に垂れてくるような)キズを負ってしまって「さすがに温泉は無理」と思い、「下山後にひと風呂浴びてから帰る」という他の連中と別れて、単独で帰路についたのである。
まぁ、頭のキズは塞がっていたけどね(下山してからも出血してたら、それこそ大騒ぎさ)。

でも、この山行では色々あって、しかも昨日の『炎上オチャメ』で寝不足も加わって、かなり疲れていたのである。 温泉街の共同浴場で他の奴らと別れ、ものの10分も歩くと近鉄の湯ノ山温泉駅に着く。

取り敢えず券売機で四日市までの切符を買って、この山行で担いできたザックを背負って駅ホームに立つ。 だが、下界の安全な『オチャメ』など絶対に有りそうにない状況になると、気が緩んで昨日の『炎上まどろみ』による眠気が襲い掛かる。 たぶん、ホームでも立ったままウツラウツラしてたよ。

電車が来て乗ってきた乗客を吐き出すと、これから乗車する乗客が一斉に乗り込んで”ブロックでもハメる”ように席に着いて、席はすぐに満席となって立ち客もチラホラという状況となった。
そう・・、ローカル線と思っていた割には結構な乗車率であった。

こういう状況で25kgのザックを担いで、しかも下山後で疲れて動きが鈍くなってるし、心の底には「若い高校生なんだから混んでる電車では立たねば・・」というしょうもない偽善の心も手伝って、案の定『立ち客』となってしまったよ。


『強欲握り』や運気を下げる『貧乏握り』と
呼ばれて忌み嫌われるつり革の両手持ち
※ グーグル画像より拝借

電車は10分ほど止まってから発車する。 下ろすのが面倒(下ろす時に振り回さねばならないので、結構体力を使う)だったので、25キログラムのザックを背負ったままでつり革2つを両手でつかんで身体を支える『強欲持ち』で立っていたが、走り出した電車の揺れが心地よくって眠気による『ウツラウツラ』モードが『コックリコックリ』モードに変わっていたよ。

最初の駅を発ち加速した所で列車が揺れて、その揺れに干渉されて立ったままつり革につかまって『コックリコックリ』モードに陥っていたタワケの両腕がつり革から離れた。 その背に25kgの荷が自然重力を伴ってかかっている状態でつり革から両手を離すと、後は阿鼻叫喚の地獄絵巻が待っていたのである。

つり革を離して崩れ落ちたタワケの前に座っていたのはロングスカートを着た初老の御婦人だったのである。 つり革から手が離れて崩れ落ちたタワケは、その御婦人の膝に顔面を強打させてしまったのである。 「ギャァ~」と喚く初老のオバちゃん。 起き上がったタワケの鼻からは、滴り落ちる赤い『花智』もとい・・鼻血。 その赤い液体の数敵がスカートに染まった瞬間、オバちゃんは卒倒をおこしかけてたような・・。

もうすぐに起き上がって、鼻を抑えて必死に後ろの車両に駆け込み、着いた駅で脊髄反射の如く飛び降りたよ。 ホント・・、真剣に怖かったよ。 もう、逃げる事しか頭になかったよ。
先程に「オバちゃんは卒倒をおこしかけてたような・・」というのは、その時に視界の隅に映ったのはハッキリしない薄暗い残像だったから「ような・・」とつけたのである。

『スンマセン』・・。 謝る事もせず、対処もせずに逃げた超一級の『ロクデナシ』がこのタワケなのである。 冒頭で「生涯において降りる事のない駅」と記したが、そんな駅に降りるとしたら「こんなとんでもない事」が起こる以外に有り得ないんだろうね。


今は時間内だけ券売機が作動する
無人駅の中菰野駅
※ グーグル画像より拝借

・・この山行は流血の惨事の連続だったなぁ。 でも、これからも山において、とんでもないハプニングに次々と遭遇するのだ。 そういう事から考えたなら、これがワテの山のプロローグだったのかもしれないね。


御在所に潜む蒼滝を訪れた時に
中菰野に立ち寄って「お祈り」したよ

P・S・・ あれから一度も近鉄湯ノ山線には乗った事はない。 でも、車で御在所に潜む滝を訪ねた時に、この駅に立ち寄ってあの時を思い出して手を合わせて拝むワテ。 やっぱりこの事は、少しトラウマとして心根に刺さっているみたい。





関連記事
スポンサーサイト



コメント






管理者にだけ表示を許可