2016-10-30 (Sun)✎
路線の思い出 第178回 芸備線・小奴可駅 〔広島県〕
赤ポストが利いてるね
3往復の区間の有人駅・小奴可
※ 冬の訪問時の撮影
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’83)
広島~備中神代 159.1km 1734 / 513
運行本数(’16)
広島~三次は上下各30~60分毎の運転 区間運行も多数あり 快速 5往復運行
三次~備後庄原 2往復(内1往復 平日は備後西城まで延長運転)
三次~備後落合 6往復、 備後落合~新見 3往復(内 下り1本は快速)
三次~備後庄原 2往復(内1往復 平日は備後西城まで延長運転)
三次~備後落合 6往復、 備後落合~新見 3往復(内 下り1本は快速)
東城~新見 3往復(内 1往復土・休日運休)
小奴可駅(おぬかえき)は広島県庄原市東城町小奴可にある、JR西日本・芸備線の駅である。
備後落合方面に向かって左側に単式ホーム1面1線を有する駅である。 以前は相対式ホーム2面2線であったが、駅舎反対側の1線は撤去されて停留所構造となった。 急行列車が運転されていた時期は、急行列車も停車していた。
以前は急行列車も停まる
交換可能駅だった小奴可駅
※ ウィキペディア画像を拝借
新見駅管理の簡易委託駅で、早朝・夜間を除いて駅舎内の窓口にて携帯車発機による乗車券を販売している。 この簡易委託業務は地元のタクシー会社が行っており、駅舎の一部がタクシーの車庫となっている。 1日平均の乗車人員は、2014年で1人との事。
1日3往復
忘れられたが如く
ひっそりと往来する芸備線列車
芸備線のこの区間は、1日3往復でしかも貨物列車などの運行もない・・という『完全無欠』の3往復区間で、しかも朝1本と夕方の1本は早朝・日没後と、撮り鉄の視点で考えると全国的にも最も撮影の辛い区間である。 そして、レールバス型の魅力に乏しい車両に変わってからは、恐らくこの区間が撮り鉄の撮影目的となる事はないだろうと思う。 そう・・、ここにいる偏屈なタワケを除いて。
冬は雪でこの山を敗退して
切符が余って訪れたのだが
この駅には、秋と正月の2回撮影に訪れている。 正月のは四国の三嶺が雪で敗退となり、『セ・セ・セ・セ青春18きっふ』が余って、その消化に訪れたもので、アイゼンとピッケルを持っての適当すぎる撮影行だった。
当然、デキは散々なモノだったが、それは「道後山駅で1駅使えるな」という事で、この筆者(タワケ)が散々なデキの写真を使ってのネタつなぎを目論んでいるのは藪の中に。 でも、「ついで」とはいえ、この3往復区間に鉄道利用で撮り鉄にやってきたのが凄い事なのである。 まぁ、『凄い事だ』というなら、いい歳した野郎がこういう事をする方が『驚異』なのだが。
・・で今回は、秋に訪れた時の事を取り上げようと思う。 この時は、『駅を訪ねる鉄』としてはタブーの車で訪れているが、それは『撮り鉄』以外にも《滝めぐり》という目的があったからである。
・・で、タワケは『3つの滝と3往復の秋』という、”3”という数字に当てはめた企画を考えついたのであった。
最近は『滝』と『鉄道』という
全く関連のない事を
無理やり結びつける旅にハマっている
これは筆者がハマっている『滝』に『鉄道』という、全くつながりのない2つの項目を結びつけた旅の形である。 このタワケは、「3往復の撮るに堪えない鉄道区間」などの『究極の条件』に当たれば、結構企画・発想力が高ぶってくるのだ。 まぁ、昔の若い頃から、白糠線や宮原線など3往復の『難敵』と対峙してきたからねぇ。
『3往復』を撮るには
忍耐(駅寝)と犠牲(サボリ)が必用でした
※ 宮原線より
・・で、週末前の夜勤明けを寝ずに、『芸備線3往復区間』の基点である東条ICまで高速をかっ飛ばす。 着いたのは午前中の10時過ぎ。 でも、撮影可能の列車は『3往復』と言う事で、しかも運行ダイヤ上は冒頭でも述べた通り、昼運行の2番列車の1往復のみだ。
ここは目論見通り、その2番列車が往来する14時前まで車の中で寝る事にする。 でも、この究極のタワケの事だから、決定的な『Vゴール』(寝過して2番列車を撮り逃す)をかます可能性もあったので、今回は珍しく”転ばぬ先の杖”で目覚ましを持って来ていたよ。 まぁ、芸備県境の山奥くんだりまで「車の中で寝に来た」だけ・・なんて、『オチャメ』としても笑えないだろうから。
まぁ、案ずる事もなく12時過ぎには空腹で目が覚めて、これからの本番に向けての支度を開始する。
まずは、腹ごしらえだ。 この区間は3往復しか列車が運行されていないが、決して『人煙稀な僻地』ではない。
村を鎮守する大きな神社があった
裕福な片田舎によくある情景
この地域の中心となる東城駅前から、県都広島や福山に向けて高速バスが毎時運行する程に人は往来し、車もそれなりに行き来し、小奴可の駅から徒歩数分で農協のスーパーがあるなど『裕福な片田舎』といった印象だった。
取り敢えず、この農協スーパーで弁当を買って、ついでに様式トイレも確保(撮影行する上で、コレは結構押さえておきたい事ですね)して、本番の撮影地探しに車で『3往復区間』を流す事にする。
この芸備線の『3往復』区間には、東条方向に内名と備後八幡、備後落合方向に道後山駅があるが、内名は幹線道路より外れた『秘境駅』で、せっかく確保した『洋式トイレ』と『農協スーパー』が使えなくなるので始めから除外した。
駅としての雰囲気は満点の道後山駅
備後八幡駅
1/3化された駅舎が痛々しい
周囲は過疎になって久しい限界集落だった
後は道後山と備後八幡だけど、どちらの駅も駅舎の雰囲気は満点だったが周辺に開けた所がなく、「秋の風景である山野の紅葉を出すにはチト厳しいな」と感じて、結局は周囲が開けた田園地帯で道後山の紅葉が望める小奴可~道後山の小奴可寄りに決める。
・・で、この『3往復区間』が蘇る「1日の数分間」である14時前となる。 田んぼは刈り取られた後であったが、刈り取られた稲が天日干しされる雰囲気満点の『ベストチョイス』は残念ながら無かったよ。
まぁ、今は機械乾燥となっているからね。
でも、道後山の山裾を纏う紅葉で、十分に満足できるし。 車両も国鉄型に比べると魅力に乏しいが、山野を彩る紅葉とステンレス車両のアンバランスも捉えようによっては「いいかもしんない」ね。
山野を彩る紅葉とステンレス車両の
アンバランスな情景が活きた!
折り返しの15時過ぎはもう夕空に近くなってきているので、昼の青空を入れて撮る事が適うのはこの1本のみであるから、「撮りそこないをせぬよう」とそれなりに緊張したよ。 それでは、その『勝負撮り』をごろうじろ。
満を持しての『勝負撮り』の獲物が
ノコノコとやってきた
列車の速度が遅いので
手巻きでも数枚撮れたよ
いやぁ・・ 黄金分割の日の丸構図だけど
コレってこの構図以外に有り得ないでしょ!
そして、約1時間後の折り返しはかなり日も傾き、予想以上に夕方の情景を魅せていた。
ここは黒く潰れる山野の紅葉バックはやめて、長閑な片田舎の刈り取られた田園風景を背景に取り入れる事にした。 ここに先程に言った刈り取られた稲が天日干しされる雰囲気満点の『ベストチョイス』があれば、真に美味しいシーンとなったのだが・・。 それでは、そちらの様子もごろうじろ。
夕景は刈り取られた田畑と
存在を無視された鉄道の哀愁を
存在を無視された列車は
今日も定刻通り空気を運んで去っていく
2番列車の1往復を満足の内に撮り終えて、『3つ滝と3往復の秋』の次の目的である”3つの滝”へと向かう。
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No title * by 風来梨
風旅記さん、こんばんは。
実は先週の4~6日に、例の「滝と鉄道の旅・三江線」と題して三江線めぐりをしてました。 乗車するには昼時間帯に一本しかなく、しかも石見川本で2時間近く待たされるなど、往復だけで1日がつぶれますね。
レンタカーを借りて、残り2日で滝と鉄道の撮影をしましたけど、狙い所がたくさんあって楽しかったです。 またいきたいですね。 来年の春にも行こうかな。
それと、2018年3月末での廃止が確定しましたので、お早めの再訪をお勧めします。
実は先週の4~6日に、例の「滝と鉄道の旅・三江線」と題して三江線めぐりをしてました。 乗車するには昼時間帯に一本しかなく、しかも石見川本で2時間近く待たされるなど、往復だけで1日がつぶれますね。
レンタカーを借りて、残り2日で滝と鉄道の撮影をしましたけど、狙い所がたくさんあって楽しかったです。 またいきたいですね。 来年の春にも行こうかな。
それと、2018年3月末での廃止が確定しましたので、お早めの再訪をお勧めします。
No title * by 風旅記
こんばんは。
そうでしたか、三江線がまさにタイムリーな話題だったのですね。
三江線、廃止ですね。感情的にはとても残念ですが、列車の少なさと乗客の少なさという縮小均衡の結果としての破綻だと思いますし、地域も廃止に合意した(残す理由を説明できなかった)ことを考えれば、どうしようもありません。
もちろん何度でも再訪したいのですが、旅するときにはいつも迷います。もう一度訪ねるか、まだ知らぬ路線を訪ねるか。
どちらも楽しいことは分かっていて、迷って、結果として私は、初めての路線を訪ねることが多いです。
まだ乗ったことのない路線があることが、楽しみの余地があるという意味で実は幸せなことなのかもしれませんが、しかし廃止になることが決まっているという状況。
耐えられません…
つまらないことを長々と失礼致しました。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
そうでしたか、三江線がまさにタイムリーな話題だったのですね。
三江線、廃止ですね。感情的にはとても残念ですが、列車の少なさと乗客の少なさという縮小均衡の結果としての破綻だと思いますし、地域も廃止に合意した(残す理由を説明できなかった)ことを考えれば、どうしようもありません。
もちろん何度でも再訪したいのですが、旅するときにはいつも迷います。もう一度訪ねるか、まだ知らぬ路線を訪ねるか。
どちらも楽しいことは分かっていて、迷って、結果として私は、初めての路線を訪ねることが多いです。
まだ乗ったことのない路線があることが、楽しみの余地があるという意味で実は幸せなことなのかもしれませんが、しかし廃止になることが決まっているという状況。
耐えられません…
つまらないことを長々と失礼致しました。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
No title * by 風来梨
風旅記さん、こんばんは。
三江線を訪ねての印象は、周りが三江線の乗車促進のサポートをかなりやっていた事ですね。 ターゲットを車でやってくる鉄道ファンにも広げてマイカーの回送サービスの企画までやってたし、10人以上の利用で一定額の運賃補助もあったようです。
ここの所がジリ貧だからと淘汰だけを行うJR北海道より、前向きで好感が持てましたね。 でも、矢尽き刃折れ・・でこのような事になったようです。
それと、一度乗車した路線でも、新たなる発見が多々ありますよ。
今回は『駅』をターゲットにして撮ってみましたが、絵になるいい雰囲気の駅がたくさんあって、また訪れたくなりました。
如何に既に乗車した路線でも、沿線の情景を見てるようでほんの一部しか見てない事を解らされた思いです。 そして、意図した撮り方で撮り損ねた場所は、再チャレンジのターゲットとなりますね。
そんな事を考えると・・、また行きたいなぁ。
三江線を訪ねての印象は、周りが三江線の乗車促進のサポートをかなりやっていた事ですね。 ターゲットを車でやってくる鉄道ファンにも広げてマイカーの回送サービスの企画までやってたし、10人以上の利用で一定額の運賃補助もあったようです。
ここの所がジリ貧だからと淘汰だけを行うJR北海道より、前向きで好感が持てましたね。 でも、矢尽き刃折れ・・でこのような事になったようです。
それと、一度乗車した路線でも、新たなる発見が多々ありますよ。
今回は『駅』をターゲットにして撮ってみましたが、絵になるいい雰囲気の駅がたくさんあって、また訪れたくなりました。
如何に既に乗車した路線でも、沿線の情景を見てるようでほんの一部しか見てない事を解らされた思いです。 そして、意図した撮り方で撮り損ねた場所は、再チャレンジのターゲットとなりますね。
そんな事を考えると・・、また行きたいなぁ。
お写真、楽しく拝見させて頂きました。
私自身は中国地方の路線には殆ど乗ったことがなかったのですが、芸備線の広島から三次までの区間に乗る機会があり、それからすっかり、このエリアの各線の魅力に惹かれています。
福塩線、三江線、山陰本線の一部くらいしかまだ訪ねていませんが、時間をかけてでも、各線を訪ねたいと思っています。
とは言え、ご記載のように列車の本数が少ない区間が多く、なかなか一気に訪ねる訳にもいきません。まさにローカル線の旅の楽しみ方です。
キハ120形、個人的には小さな車体が閑散線区に似合っていて、嫌いではありません。
ローカル線を取り巻く環境がますます厳しくなっていますが、それぞれの路線を訪ねるのが間に合えばいいのですが…
お写真に魅了されながら、私も訪ねてみたい旅の気持ちに包まれて…
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/