2016-10-08 (Sat)✎
路線の思い出 第174回 木次線・油木駅、三井野原駅 〔広島県(油木)、島根県(三井野原)〕
かつては立派な駅舎も
交換設備もあった油木駅
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’15)
宍道~備後落合 81.9km 245 / 828
運行本数(’17)
宍道~備後落合 下り1本・上り2本
宍道~出雲横田 下り4本(内 1本土曜運休)、上り5本(内 1本日曜運休)
宍道~木次 下り5本・上り4本
木次~備後落合 下り3本・上り2本(内 1往復臨時トロッコ列車)
出雲横田~木次 上り2本
ちょっと目を惹いたよ
レトロの雰囲気満点の油木駅駅名標
油木駅(ゆきえき)は、広島県庄原市西城町油木にあるJR西日本・木次線の駅である。
広島県最北端の駅である。 また、隣の駅かつ木次線の終点である備後落合駅が岡山支社管轄(同駅の下り場内信号機が支社境界)であるため、米子支社木次鉄道部管轄の駅としては当駅が最南端となっている。 無人駅。
島式ホーム1面2線のうち、かつての下り線を撤去し、残された旧上り線を1番線とする単式ホーム1面1線の停留所構造である。 駅舎は取り壊されてホームのみの駅となっており、備後落合寄りの出入口から直接出入りする形になっている。
周囲は数件の民家と簡易郵便局が所在するのみの県境に位置する過疎化の激しい山間集落で、1日の利用客の平均は1人未満で限りなくゼロに近い。
山奥の閑散駅にしては
派手な塗装の三井野原駅
三井野原駅(みいのはらえき)は、島根県仁多郡奥出雲町八川にあるJR西日本・木次線の駅。
トロッコ列車の運行に合わせて、「高天原」(たかまがはら)との愛称がつけられている。
JR西日本の駅の中で最も標高の高い駅(726m)である。
あまり知られてないけど
JR西日本の最標高に位置する駅である
※ ウィキペディア画像を拝借
備後落合方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する駅。 木次鉄道部管理の無人駅であるが、駅舎に出札口が残る。 駅舎はオレンジ色と黄緑色に塗り替えられた。
かつては急行【ちどり】の停車駅だった
駅周辺にはスキー場が広がり、以前運行していた急行【ちどり】の停車駅でもあった、
また、福山駅から福塩線・芸備線直通のスキー列車が運行されていた事もあった。
1日平均の乗車人員は3人(2013年度)。 駅舎と交換設備のあった頃の1994年度は46人だった。
スイッチバックを模型のように
行き来する単行気動車
木次線・・といえばコレですよね
鉄道好きならば、《木次線》と聞いて真っ先に思い浮かぶのは『出雲坂根の三段スイッチバック』であろう。 これは“適当、中途半端、いい加減”な鉄道オタである『○鉄』にしても例外!?ではなく、その代名詞たるこの私めも、秋の鮮やかな風景の中で『三段スイッチバック』を行き交う列車を想定していた。
こんな情景を撮りたくて
この地を訪れたのだが
その想定で頭を一杯にして、『三段スイッチバック』のある出雲坂根駅に向かう。
だが、時というものは残酷にも、その思いを木っ端微塵に打ち砕いたのであった。
20年の昔に撮ったあの鉄道風景を撮った場所は、遠の昔に消えてなくなっていたのである。
そして、その真上には“おろち”だか何だか知らないが、巨大で無粋なコンクリートループ橋が乗っかっていたのである。
秋の『風景鉄道』情景を
求めて再訪したなら
巨大で無粋なコンクリート道路が
山野に乗っかっていた
※ グーグル画像より拝借
この巨大で無粋なコンクリートループ橋は展望エリア以外に立ち止まる所はなく、その展望所は壮大な『ループ橋』を眺めるべく・・の位置に設置されたものであった。 その展望所からの鉄道情景は、山の縁を伝う“隅に追いやられた哀れな姿”であった。 方や便利さ極まる観光国道のR314と、輸送の任から解かれて「これ以上便数を減らすのは無理」という位まで減便されたローカル鉄道との差であろう。
『光と影』というなら、真にこの対比をいうのであろう。
また、《出雲坂根》の駅も「車で訪れる者が全て」といった感じで、駅構内にあった『延命の水』も車での来訪者に都合がいいように外に引かれ、デカイ看板がその位置を示していた。 きっと観光バスもその前に停車して、行楽客に『延命の御利益』を振舞うのであろう。
今の『観光地』化した出雲坂根駅と
御利益も吹っ飛びそうな大看板を掲げた『延命水』
※ グーグル画像より拝借
これらの情景を目にして、かなり大きな“やるせなさ”が頭にこびりついた。 だが、このように過ぎゆく時の残酷さに打ちひしがれている私自身も、「車でやってきている」という矛盾を抱えているのである。
この身勝手な感傷を振り払うべく、この“おろち”より抜け出たいと思った。 格好着けて言うと、「一刻も早く抜け出したかった」のである。
このように「大好きだった撮影地がもう存在しない」という現実を思い知らされて、やや気落ちして車を《備後落合》方面へ進める。 この時は確かに、「木次線の撮影は見送りかな」という思いが頭にもたげていた。 でも、車を進めて人里より離れれば離れる程に、鮮やかな紅葉風景が目に入ってくる。
そして、その中を縫うようにか細い鉄路が見え隠れしていたのである。
「これほどの紅葉風景を使わない手はない」と思い、《三井野原》から《備後落合》の間を眺める。
すると、何ヶ所か車を安全な所に止めて、そこから徒歩到達が可能な“狙える”ポイントが発見できた。
だが、如何せん列車は3往復のみで、午前中の便は『滝めぐり』に充てた為に逃したので、チャンスは昼間の“2番列車”の往復2本のみとなる。
昼の”2番列車”の往路1本目
プレッシャーに弱いタワケは
少ないチャンスを仕留めきれませんでした
そして、先に訪れた芸備線と違った山峡路線であるので、開けた展望場所もなく、やってくる列車の連写はまず不可能だ。 従って、「芸備線より難しい撮影となるなぁ」と勝手に定義したのだが。
それでは、その戦果を御披露する事にしよう。
「戦果ってレベルじゃないだろうが!」って?
それはごもっとも
「えっ、戦果ってレベルじゃないだろうが!」って? そこは、写真のウデが年を経る毎に落ちていく筆者の都合もあるので、深く問わない事にしたいな・・と。
あまりにも悲惨なデキだったので
ついつい撮り鉄の「2日詣で」をしちゃったよ
昼の“2番列車”を撮り終えたなら、この旅の目論みは全てクリアとなる。 週末の休日を使った小さな旅・・という事で、この日の内に家路に着かねばならない。 そして明日からは、変りばえのしない“都会の暮らし”が待っているのである。 だから、この地に湧く温泉などで、少しでも都会の喧騒を落としてから帰ろう・・と思う。
寄り道で竜王ノ滝に立ち寄ったので・・。 ねじれた岩盤を落とすその様は、紅葉と相俟ってなかなかそそる滝でした。 この小旅行の主目的が滝見だったので、ついでに乗せようかと。 他にも中国地方の色々な滝を訪ねて、追加補欠項目として新規アップできたらな・・と考えている。 それでは、秋のしっとり雨の中での滝情景をごろうじろ。
寄り道で竜王ノ滝に立ち寄ったので・・。 ねじれた岩盤を落とすその様は、紅葉と相俟ってなかなかそそる滝でした。 この小旅行の主目的が滝見だったので、ついでに乗せようかと。 他にも中国地方の色々な滝を訪ねて、追加補欠項目として新規アップできたらな・・と考えている。 それでは、秋のしっとり雨の中での滝情景をごろうじろ。
竜王ノ滝
岩盤の模様もそそる名瀑
岩盤の模様もそそる名瀑
紅葉を前にすると
シットリ感が増していいね
紅葉と雨が良く似合う滝
今回は雨を狙ってきたが
晴れていたらどうなんだろう?
晴れていたらどうなんだろう?
※ 詳しくは、メインサイトの旅行記より『3つの滝と3往復の秋』を御覧下さい。
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