風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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路線の思い出  第161回  アルピコ交通(松本電気鉄道)上高地線・新島々駅

路線の思い出  第161回  アルピコ交通(松本電気鉄道)上高地線・新島々駅 〔長野県〕


40kmも離れた上高地まで無理やり
登山客をバスに乗り継ぎさせる事で
辛うじて食いつないでいる新島々駅
※ ウィキペディア画像を拝借

《路線データ》
     営業区間と営業キロ            運行本数(’16)   
    松本~新島々 14.4km          松本~新島々25往復 
                  ※ 夏の登山シーズンにはJRの夜行列車運行に
                    合わせて新島々行ノンストップ列車運行

新島々駅(しんしましまえき)は、長野県松本市波田赤松にあるアルピコ交通上高地線の駅である。
以前は島々までの路線であったが、1983年の台風災害により新島々~島々が廃止され当線の終着駅となった。 白骨温泉・乗鞍高原・上高地への玄関口としてのバスターミナルの役割がほとんどであり、鉄道駅としての存在価値は薄い。

島式ホーム1面2線を有する地上駅で、直営駅である。 駅前に上高地方面へのバスの発着拠点である新島々バスターミナルを併設している。 自動券売機を設置し、近距離乗車券を発売している。
窓口では硬券の購入も可能。 長野や東京都区内など、JR線連絡の乗車券も窓口で購入できる。

廃止された旧島々駅方面への線路が西へ数十メートル残されており、車両点検・入れ違い・夜間留置に使われている。また出発信号機も撤去されずに残っているが、使用停止状態となっており横を向いている。



ぢ・つ・わ・・、コレ昨日(’16・7・24)の出来事だったりして。 それは7/22の夜中から、上高地行きの夜行バスを使って北アに『山ノボラー』しに行った帰りの事なのですね。 ・・で、登った山は・・というと、徳本峠から霞沢岳 2646m なのであるが、この山は北アルプスでは珍しい行程の厳しい山なのですね。


徳本峠から望む霞沢岳(霞沢岳は一番左端)
※ 春山の画像デス

・・というのは、登山基地となる徳本峠から霞沢岳まで片道4時間以上かかる『行き止まり型』の山で、必ず徳本峠からの往復が必要だからである。 また、途中に水場もなく、距離も峠から4.3km(道標に記してあった)で所要時間が4時間以上かかるなど、アップダウンのキツイルートでもあるのだ。


穂高連峰の山屏風
コレが撮りたくて行くのだが

要するに、土日の週末休日利用の山行を企画するなら、霞沢岳のアタック日は徳本峠から霞沢岳の往復と徳本峠から上高地までの下山行程も併せて、12時間近くのコースタイムとなるのである。
それに加えて上高地バスターミナルの最終バスが18:00と、全く余裕のない山行となるのである。

前回にこの山に行った時は当然の如く上高地発の最終バスに間に合わず、テント手続きも面倒だったので上高地ビジターセンターの縁側にゴザを敷いてゴロ寝と、『御禁制の技』を炸裂させたのである。
まぁ、バレたら、確実に上高地の山岳相談所の詰所でお小言を喰らうレベルですな。


禁断の技の詳細
良い子はマネしないように
※ ウィキペディア画像を拝借して加工

・・で、今回は・・というと、朝5時に出発したにも関わらず・・、往路の登りは順調に4時間で山頂に立てたにも関わらず、帰りの下りでは「登りより下りの方が時間がかかる」という『ナンチャッテ山ノボラー』の筆者(タワケ)以外には有り得ない"下山の所要5時間"を叩き出して、徳本峠に戻りついたのは15時の2分前となっていたのである。

徳本峠でテントを撤収して上高地へ向けて下山を始めたのは15:30と、空身下山でも最終バスの18:00に間に合うか微妙な時間(空身で下山のコースタイムが2時間半)となったのである。 これを食糧は空になったとはいえ18kgを担いで・・、しかも先程まで霞沢岳往復で9時間歩いた身には無理クリな状況だったのである。

でも、諦めの悪いこのタワケは、これに果敢に挑んだのである。 下り始めのキツい下りは霞沢岳の往復でヘタりきった足では辛く(このタワケ・・、何年登山を経験しても下りは滅法遅い)、なかなか時間を稼げない。 なので、上高地の平坦な遊歩道に賭ける事にする。


御覧のように上高地の遊歩道は平坦である
※ グーグル画像より拝借

「平坦になった下山道の最終部から上高地の遊歩道の4.2kmを45分で歩ききったら、下りにかかった時間を取り返して間に合うかもしれない」と変に色めきだって、18kgを担いでの競歩を敢行する。
・・で、結果は上高地バス停に到着18:15と、最終バス発車の15分後の『残念無念』であった。

これで、「また上高地ビジターセンターの縁側で御法度の技炸裂かぁ」と、トボトボと引き上げようとすると、タクシーの運ちゃんが「登山お疲れさま」と営業をかけてくる。 今回は「今日中に帰りたい」と色めきだって下りで足掻いた事もあって、このタワケは後先考えずにタクシーの営業に"沈む"。

タクシーは順調に飛ばし、乗車するハズだった上高地発の路線バスも追い抜かす。
そして、運賃メーターもうなぎ上りの上って"禁断ライン"の10000円を突破したよ。
この時点で「沈まなけりゃ良かった」と確信するワテがいた。

やがて、バスで向かうハズだった新島々の駅前に着く。 タクシーの運賃は12000円近く・・。
バスに間に合わなかった15分では痛い過ぎる散財だ。 運賃を支払ってここで降りようとしたワテにタクシーの運ちゃんは「松本まで新島々と同じ料金で送ってあげるよ」と言ってくれて、それに相伴預かろうと思ったが、新島々で松本電鉄のアレを目にした瞬間に考えが変わった。 「有難う、でもココ(新島々)で降ります」と、運転手の好意を丁重に断って新島々に降り立つ。


コレを目にして
この線に乗る気になったよ
※ グーグル画像より拝借

その『アレ』とは、こっ恥ずかしい限りまでの萌えアニメキャララッピングの松本電鉄の車両である。
ぢ・つ・わ・・ワテ、山以外にも《○鉄》や《カメラ》の『アルカリ性オタク』の方向性がある事は周知の事実であるが、その反対の『酸性オタク』の『アニメ』も好きだったりして。

この路線自体は、北アへの輸送を牛耳っているアルピコ交通グループの傘下に入って辛うじて存続している鉄道路線のようであるが、それでも乗客を獲得すべく山以外のターゲット・萌えキャラに焦点を当てる発想は経営努力として評価できるのでは?と思う。 「廃止と削減ばかりして増収の努力を放棄するJR北海道も、ちっとは見習いなさい!」と言いたくなるよ。 それに、『鉄』ってアニメオタと併合してる奴多いし・・ね。


関西でも京阪にアニメキャラ(けいおん)
のラッピング車両あったよな
※ グーグル画像より拝借

・・で、車両の中は・・というと、中も『キャラ萌え放題』かと思ったけど、そうでもなかったよ。
京王・井の頭線のお古車両をワンマン対応に改造したもので、車内はロングシートの通勤車両の短編成(2両編成)だったよ。


萌えキャラ車両の中身は
普通の通勤電車です
※ グーグル画像より拝借

でも、車内にDVDモニターが4台設置され、アルピコグループの長野県内~首都圏・中京圏・関西圏への高速バスや、北アの上高地や乗鞍岳への登山観光案内と上高地への夜行直通バスの案内、アルピコグルーブ傘下のホテルやレストラン・酒場の広告を流しまくっていたよ。 また時折、ラッピングに描かれた萌えキャラの"渚ちゃん"による観光案内や鉄道グッズ販売も放映されてたよ。


硬券の入場券などの
鉄道グッズも販売している
※ アルピコグループのウェブサイトより拝借

まぁ、アルピコグループは、沢渡の駐車場を始め、北アの交通の全てを牛耳ってるし。
ぢ・つ・わ・・、上高地への往路も、『さわやか信州号』というアルピコ交通の夜行直通バスに乗ったしね。

とは言え、アルピコグループの傘下に入る事で辛うじて存続している赤字路線で、新島々でバスから登山客を乗換利用させる事で辛うじて食いつないでいる感のある鉄道である。 その新島々も、登山基点の沢渡までは30km離れた通常では"使えない位置"にある駅である。

でも、その「北アの夏山への乗客が全て」の路線で、180°方向性の違う萌えキャラが現れるのもいいかもしれない。 キャラの名前の由来となった駅名標に描かれた萌えキャラを目にして、この鉄道が生き残る術を見出している気がしたのである。



萌えキャラの名の由来となった
渚駅の駅名標
※ グーグル画像より拝借

なお、写真に撮るのはあまりにもこっ恥ずかしかったので、撮れませんっていうか、撮る度胸はなかったです・・、ハイ。 山帰りの18kgのザック背負って、ピッケル片手のいで立ちでこの萌えキャラを撮ると、怪しいを通り越して危険(ヘンタイ)人物となるので・・。 従って、全てグーグル画像やアルピコ交通のウェブサイトからの拝借でっす。


中年野郎がザック背負ってピッケル片手に
コレ撮れば『変態』確定!
※ グーグル画像より拝借


   ※ 霞沢岳については、メインサイトの『撮影旅行記』より、
      『名峰次選 アルプス八千尺制圧作戦!?』の『霞沢岳』を御覧下さい。
















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