2016-07-03 (Sun)✎
路線の思い出 第158回 日豊本線・竜ヶ水駅 〔鹿児島県〕
『テント駅寝最適化の駅』
竜ヶ水駅
《路線データ》
営業区間と営業キロ 輸送密度 / 営業係数(’83) 運行本数
小倉~鹿児島 462.6km 10359 / 235 時刻表を見てください
竜ケ水駅(りゅうがみずえき)は、鹿児島県鹿児島市吉野町(竜ヶ水)にあるJR九州・日豊本線の駅で、相対式ホーム2面2線の交換設備を持つ無人駅である。 コンクリート造の駅舎が山側に置かれ、互いのホームは跨線橋で連絡している。
2013年度の1日の平均乗車人員は1人未満と利用者が少なく、券売機も設置されていない。
また、当駅はJR九州のICカードの鹿児島エリア内にあるが、同エリア内では当駅のみがIC改札機や精算機などの類が設置されておらず、ICカードは利用できない。
駅舎および周辺地域は1993年(平成5年)に発生した平成5年8月豪雨で甚大な被害を受け、約1ヶ月の間不通となった。 海側ホームには、その時の土石流災害復旧の記念碑が建っている。
駅舎前の山肌はかつて竜ヶ水集落と呼ばれる小集落であったが、前述の豪雨災害で発生した土石流による家屋の流出などで集落は壊滅的な被害を受け、居住していた住民の大半は移転を余儀なくされた。
この時に居住を放棄され、廃墟となった家屋や流出した建物の土台などが駅周辺に散見され、豪雨災害の爪痕が現在でも生々しく残っている。
ぢ・つ・わ・・、駅の解説で書いた事は、全てこの記事を書くまで知らなかった事である。
この駅は、泊まる所がなくなって野宿(駅寝)の為に立ち寄っただけなのである。
神話の山・霧島連山の主峰・韓国岳
それは九州の名峰・霧島の韓国岳に登るべくやってきたのであるが、この時は鉄道にはほとんど無関心で、頭の中は市房山と開聞岳と、この霧島山の九州南部の【名峰百選】の踏破で一杯だったのである。
市房山も雨でした
シルエットの美しさは指折りの開聞岳
まぁ、山としてはそんなにキツくないこの3つの山であるが、いずれも山の麓が有名温泉地や我が国有数の観光地で、『ワテ的』な宿泊場所がないのである。 この『ワテ的』な・・というのは、登山口の周囲は温泉観光ホテルやら、老舗の温泉旅館などが建ち並んでいるのである。 つまり、ワテには「有り得ない」一泊数万円級の旅館ばかりな訳である。
それに加えて無職の放浪時に出た旅だった事もあり、一般の休みとは程遠い梅雨の真っただ中で、しかも台風までやってきた”雨の大当たり”の年だったのである。 もう毎日のように雨で、雨を避けれて、なおかつ登山口にアプローチしやすい所が宿泊場所の条件となる訳である。 もちろん、前記の2つの条件が揃っても無職の放浪時と言う事もあるので、『金が要る』のは最大のNGなのである。
となると、切り抜ける道はただ一つ、『STB』つまり駅寝である。
ちなみに、開聞岳は夜行の【ドリームつばめ】の車中泊、市房山は大雨の中でテント張っていたら、キャンプ場の管理人が「あと500円でログハウスに泊まっていいよ」で快適な一夜だった。
だが、霧島の温泉郷のホテルは、まかり間違ってもこんな温情は掛けてはくれないのである。
えびの高原での野宿は
できそうになかった
※ グーグル画像より拝借
それで、霧島山のアプローチは駅寝と言う事になる。 また、えびの高原は駅から離れているので、バスの乗換駅の霧島西口(現在は霧島温泉駅に改称)へ行くのに始発列車に乗る事が絶対条件となる。
「ならば、肥薩線の駅で駅寝すればいい」って答えが出るが、このタワケ・・「鉄道から心が離れた」と言いながら、キッチリと1日6往復の指宿枕崎線の枕崎までを路線完乗の為に往復しているのである。
これで西鹿児島(現 鹿児島中央)に戻ったのは午後8時を過ぎて、隼人からの肥薩線の最終に間に合わなくなったのである。
九州の駅って庇とプラッチックイスの
『駅寝不能』の駅が多いし
※ グーグル画像より拝借
このような訳で日豊本線の鹿児島~隼人のどこかの駅での駅寝がミッションとなってしまったが、駅の時刻表で停車列車の本数などを見比べると、どうやら鹿児島~隼人の間で駅寝可能な無人駅っぽいのは鹿児島の次の竜ヶ水だけのようなのである。
「まさか、有人駅で駅寝は無理だしィ」と言う事で、竜ヶ水が無人駅である事に勝負を賭ける。
もし、竜ヶ水が有人駅であったなら、途端に行き場を失って公衆電話ボックス(一回だけ泊まった事あるけど・・雨風が凌げるだけのシロモノ)や囲いのあるバス停など、雨の凌げる所を探しウロつかねばならなくなるのである。 それに、頼みの竜ヶ水が無人駅であったとしても、雨風の凌げる『駅舎』がなければ、やはり先述の如く「雨の凌げる所を探しウロつかねばならなくなる」のである。
だから、結構ドキドキしたよ。 ・・で、その竜ヶ水駅だが、県庁所在地駅の鹿児島の次だというのに、「テント駅寝の為に存在してる」といっても過言ではない静かな環境っていうか、超無人地帯なのである。
割と凝ってるデザインの駅です
竜ヶ水の噴水もあったし
テントを張るフラットなスペース、しかも雨の浸入を防ぐ2段の嵩上げ構造、『駅寝の敵』のプラッチックイスも荷物置きとしては重宝するのである。 そして吹き抜けの構造なので暑くもなく、快適なテントライフが送れる駅であった。
雨の浸入を防ぐ二段の嵩上げ構造
真に”テント駅寝”の為ある駅だった
※ グーグル画像より拝借
そして、狙ったような大雨が夜半過ぎから降って来たが、”テント場”の2段の嵩上げフラットスペースには雨がやってこなかったよ。 ・・で、こんなにも雨にたたられた旅だったのに、不思議にそんなに濡れた記憶がないよ。 市房山では降られたけど、その後はラッキーな展開で尾を引かなかったし。
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No title * by 風来梨
きゃみさん、こんばんは。
降りた時は意識していなかったのですが、かなりレアな駅のようですね。
この駅の思い出は「雨宿りの駅寝」だけなのですが、印象的なのが「竜ヶ水の噴水」ですね。 何かの名水のようですが、ウィキペディアには何も書いてなかったですね。
降りた時は意識していなかったのですが、かなりレアな駅のようですね。
この駅の思い出は「雨宿りの駅寝」だけなのですが、印象的なのが「竜ヶ水の噴水」ですね。 何かの名水のようですが、ウィキペディアには何も書いてなかったですね。
No title * by 鳳山
竜ヶ水駅、珍しい形の駅ですね。
ナイス
ナイス
No title * by 風来梨
鳳山さん、こんばんは。
駅ホームには現在は枯れていますが、『竜ヶ水』という湧き水の噴水があります。
「竜ヶ水の由来」
錦江湾奥の縁にあり,切り立った岩壁,斜面のところどころに岩清水や湧水が流れ出し,糸をひくような滝も見られることから,この一帯から湧き出る水のことを竜ヶ水といった
ここの水はきれいで冷たく,うまい水として知られ,龍(水神様の化身)が授けたと言われる水が引かれ,ホームに噴水のある駅として知られている。
との説明板があるようです。
駅ホームには現在は枯れていますが、『竜ヶ水』という湧き水の噴水があります。
「竜ヶ水の由来」
錦江湾奥の縁にあり,切り立った岩壁,斜面のところどころに岩清水や湧水が流れ出し,糸をひくような滝も見られることから,この一帯から湧き出る水のことを竜ヶ水といった
ここの水はきれいで冷たく,うまい水として知られ,龍(水神様の化身)が授けたと言われる水が引かれ,ホームに噴水のある駅として知られている。
との説明板があるようです。
鹿児島駅の隣にあるにもかかわらず、秘境駅に数えられる無人駅ですね。いきさつはどうであれポイントついてますね・・・