風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第246回  十勝幌尻岳

『日本百景』 夏  第246回  十勝幌尻岳  〔北海道〕


カムエク・八ノ沢カールより望む
十勝幌尻岳

日高の2つの『幌尻岳』がある。 一つは、日高山系の最高峰で名実共に盟主たる日高・幌尻岳である。 こちらは日高の山を志すなら、真っ先に目標にする山である。 それに対して、今回取り上げる『幌尻岳』は国境稜線の十勝側にあり、十勝幌尻岳・・通称「カチホロ」と呼ばれている。
 
そして、『ホロシリ』とはアイヌ語で「大きな山」を意味示していて、盟主の日高・幌尻岳は大きな花の器・カールを幾つも従え、その容姿も盟主として威風堂々と構えている。 もちろん、今回取り上げる「カチホロ」も、大きな山体を中部日高の雄峰・カムイエクウチカウシ山の前にドンと構え、中部日高の山なみを神秘のベールで覆っている。
 
日高随一の憧れの峰『カムエク』の前に構え立ち、その姿を覆い隠す・・という事は、この峰の頂に立つと中部日高の峰々の展望を欲しいままにできるという事でもあるのだ。 それでは、中部日高を眺める最高の展望の峰に登ってみよう。




十勝幌尻岳・オビリネップ沢登山ルート 行程図

    行程表           駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 中札内村市街より車(0:40)→戸蔦別ヒュッテ
《2日目》 戸蔦別ヒュッテより車(0:10)→下の土場・十勝幌尻岳登山口(1:00)→尾根取付
     (2:20)→カチホロの肩(0:40)→十勝幌尻岳 ※下りは往路を戻る
      登山口まで所要3:10 下の土場・十勝幌尻岳登山口より車(0:40)→中札内村市街
 
 《1日目》 戸蔦別ヒュッテへ
今回登る十勝幌尻岳は、日帰りで行ける山ではあるが標高差は1200mを越えるキツいオーダーで、早朝出発は必須となる。 そして、登山口の奥に戸蔦別ヒュッテという三角屋根の雰囲気の良い小屋があり、この小屋に泊まって日高の山への夢を結び、翌朝にアタックするのがより思い出深い山行になる事だろう。


雰囲気満点な三角屋根の小屋で
日高の山へ挑む前夜の夢を紡ごう

なお、この戸蔦別ヒュッテの手前に十勝幌尻岳の登山路であるオビリネップ沢があり、その少し上方が下の土場の登山口である。 そしてそのアプローチであるが、少々道が判り辛い。 それは、アプローチ道である戸蔦別川林道は広大な酪農場である八千代牧場の先にあり、名のない農道が幾重にも延びているからである。
 
道に迷ったら、最奥の集落の帯広市・拓成を目指すといいだろう。 その先から林道が延びている。
また、林道にはゲートがあるが夏山シーズンなら解放されているので、夏ならば問題はないだろう。
雰囲気満点のこの小屋で、憧れの峰・カムエクの展望台への一夜の夢を紡ごう。




憧れの峰の奏でるオーケストラを
魅せられにいこう

 《2日目》 中部日高の展望台へ
展望を欲しいままにできる山頂での滞在時間を含めると所要時間は10時間近くなるので、夜明けとともに小屋の出発が望ましいだろう。 戸蔦別ヒュッテはオビリネップ沢の出合の奥1.5kmにあり、下の土場の登山口までは3km少々で、車で所要は10分程度だ。


登山口の下の土場は
広い駐車場となっている

この後は、沢の右岸の縁に延びる造材道の跡を辿っていく。 造材道跡に従って沢を伝っていくが途中で左岸への飛び石伝いの渡渉があり、少し緊張させられる。


上の土場を過ぎると
いきなり渡渉となる

だが、造材道跡なので渡り易い所で渡渉点を切っているようである。
この渡渉点を過ぎると、沢の左岸を沢が二俣に分かれる尾根の取付まで詰める。


美しい沢の縁を登っていく


美しい沢の流れに
ついカメラを向けて

二俣の沢の支流側である左俣に入ると、程なく沢から離れて尾根に取り付く。 尾根に取り付くと最初はつづらを切って高度を上げていくが、ここはササ原で藪漕ぎとなる。 ササの植生域より高く登るとトドマツの植生域に入り、トドマツの木立の中に切られた一筋の道を文字通り直登していく。

初夏の花々 その1

シラネアオイ


サンカヨウ?


これも花名が判らない

それはトドマツの植生域を越えてダケカンバやミネカエデなどの灌木帯を貫くまでの直登で、頭上の樹林帯の隙間から見える青空まで登るハメとなる。 この登りは標高差700m超のハードなイッキ登りで、憧れの眺めを見る為の試練ともいえるだろう。

初夏の花々 その2

ミツバオウレンに似ている・・かな?
これも花名不詳


ミツバキスミレか?


ぢ・つ・わ・・
シラネアオイ以外には
花名が判らなかったりして


そのシラネアオイは
満開状態であった

これを乗り越えて頭上に光る樹林の隙間の青空が現実の青空となるまで詰めると、カチホロの肩に出る。 ここからは、ダケカンバやミネカエデの涼しげな樹間の尾根歩きとなる。


振り返ると
今までのキツい登りが見渡せる

ここまで来るとあと少しだ。 周囲が灌木帯からハイマツ帯に変わり、それをひと登りすれば中部日高の展望台の頂の上に立てる。


十勝幌尻岳頂上標と
十勝の街なみ

中部日高の展望台の峰に立てば、日高の全ての峰々が横一線に並んでいる姿に魅せられるだろう。
北方は『ホロシリ』の盟主である日高・幌尻岳からエサオマントッタベツ、札内岳などの未開の峰々、正面は憧れのカムエクが八ノ沢カールを従えて、ピラミタルな頂を魅せている。

日高随一の展望台に魅せられて

憧れの峰・カムエクと八ノ沢カール


ヒラミタルな山容の札内岳
その背後に未開の峰
エサオマントッタベツ岳


八ノ沢・九ノ沢・十ノ沢
カールそろい踏み


カールに雪を貯めた日高の盟主・日高幌尻岳、
尖がり峰は戸蔦別岳、台形なのは北戸蔦別、
その横には日高三指の高さの無名峰・1967峰


未踏のカール・九ノ沢カールを従えて

南方は、『北海道の塩見岳』ともいえる漆黒の兜のような頂をもたげる1839峰がひょっこりと頭を出す。 それは、南の雄峰・ペテガリ岳まで続くのだ。 しばし、そよ風に吹かれながら、日高の山のオーケストラを堪能しよう。


南は1839峰を中心に
展開している


1839峰を望遠で引っ張ると
真に北海道版『漆黒の兜』の
姿を魅せてくれる


眼下に広がる十勝の街なみも乙

いつまでも眺めていたいが、頃合いをみて下山の途に着かねばなるまい。 下りは登り返しが無い分、1200m下降のオーダーにしては所要時間はかからないが、それでも膝にくる急下降であるので注意したい。


カムエクからコイカクへのスカイライン
いつまでも眺めていたいが


いつまでも眺めていたいが
立ち去らねばならぬ時は必ずくる


帰りすがら何度も振り返っては
憧れのカール地形を目に焼き付けて


「また来るぞ!」と叫んで
下りにかかる

山から下りた後の温泉であるが、日高の十勝側山麓は温泉に乏しいのが『玉にキズ』だろう。
美生にある国民宿舎の鉱泉か、虫類のナウマン温泉くらいしか思い浮かばないのである。
 
   ※ 宜しければ、中部日高の憧れの峰・カムエクのガイドも併せてどうぞ。
 







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