風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第242回  会津朝日岳

『日本百景』 夏  第242回  会津朝日岳  〔福島県〕


麓から望む場所が
限られる秘峰へ

   会津朝日岳  あいづあさひたけ  (越後三山奥只見国定公園)
奥会津のさらに最奥に位置するこの山は、恐らく一般の登山者が入れる最奥の山であろう。 
豪雪地帯の奥会津に位置するこの峰の稜線は、雪食によって削り取られた断崖絶壁が数キロに渡って続くなど、標高1600m峰としては壮大なスケールを魅せる山である。

そして、山麓部は深いブナの原生林の樹海となっていて、登山ルートを外れると途端に行き場を失う危険な山でもある。 そしてこの峰より先はルートもなく、この山の頂から南北に連なる山々はその全てが未踏峰・・との事である。

そんな秘峰が何故に『朝日』という人里の暮らしに通じる明るい名がつけられたか・・というと、それは周辺の集落が深山の谷深い地域にあるが為、遅い時刻にならないと太陽を見る事ができない中、この山は早朝に日を見る事ができる為に"朝日岳"と名付けられたのだ・・という。

・・奥只見の雪の田子倉湖越しにこの峰を望むと、その雪に閉ざされた神秘の姿に心が打ち震える思いを感じる事だろう。




会津朝日岳・赤倉沢登山ルート 行程図

   行程表                駐車場・トイレ・山小屋情報 
JR只見駅前より車 (0:40)→赤倉沢登山口 (1:20)→三吉ミチギの水場 (1:40)→叶の高手
(0:45)→会津朝日岳避難小屋 (1:00)→会津朝日岳 (0:50)→会津朝日岳避難小屋
(2:10) 赤倉沢登山口より車 (0:40)→JR只見駅前

奥会津地方の更に最奥・・、この地にそびえる秘峰・会津朝日岳。 この山はあまりにも奥地にそびえる為、麓の里からさえも望む事のできる場所は限られているという。 恐らく、この山を望める場所と言えば、周囲の山の頂上か、これまた秘湖・田子倉湖を望むJR只見線の田子倉駅位(残念ながら、田子倉駅は’13年3月に廃止)だろうか。

そう、この田子倉湖周辺は完全な無人地帯で冬は道路は完全に雪に埋もれて、駅も存在時は冬眠する秘境中の秘境である。 また、この田子倉湖付近は昔は国境を越える峠で、その通過の困難さから、実際の距離の10倍の『六十里越』と名づけられている。 その隣の『八十里越』は、未だに道さえ開通していない現状である。


蒼く光る田子倉湖の奥に
そびえる白峰が会津朝日岳だ
奥深く朝日がなかなか
差し込まないこの地で
唯一朝日が早く差し込む所
というのが山名の由来だ

そんな、秘境ワールド・奥越後・奥会津の秘峰に登ってみよう。 この山も最近の秘境ブームで、少し脚光を浴びた事もあり、避難小屋と登山口が手直しされて車が入れるようになったようだ。
まぁ、車が入れなかったら、恐らく未踏峰の一つとして数えられる程に奥まった位置にある山なのであるが。

道の整備で辛うじて日帰り可能の山域ではあるが、それはかつての筆者(今は到底ムリ)のように体力があればこそ・・である。 それでも敢えて『日帰り』でこの山を目指すなら、最低でも前夜までに登山口に入り、車中泊を経て朝一で登山開始をする以外に無いだろうと思う。
 
なぜならこの行程表は、体力のある人で何とかクリアできる数値だからだ。 朝5:00出発で、登り4時間半から5時間、下りが3時間半かかるのである。 あまり遅くなると山中でのビバークを強いられたり、暗がりの中での道迷い遭難も考えられるのである。 それらの事に留意して、ある程度の体力をつけて登るべき山なのであろう・・と思う。


果てしない山なみに
魅せられにいこう

それでは出発しよう。 まず、もしも・・の為に、カンテラと予備食料と防寒着は持っていこう。
最悪、8合目半の位置に建つ避難小屋での一泊も視野に入れる為である。 さて、登山口を越えると、赤倉沢とその支流を飛び石伝いに渡りながら進んでいく。 やがて沢の水が細くなって消えていき、そのまま尾根に取り付くと《三吉ミチギ》の水場だ。

豊富な水場はこれ以降は期待できないので、往復の行動水+αを汲んでいこう。 この『+α』というのは、もしも・・の時に避難小屋でビバークする為のものである。 最悪そのような状況になった時は予備食料を夜食にあてがい、カンテラのライトで避難小屋での一夜を乗り越えなければならないのである。
バテて時間がかかった時や突然の雨など、避難小屋泊の状況は突然やってくるので心の準備も必要だろう。


三吉ミチギの水場にあったコケモモ
 
さて、《三吉ミチギ》の水場を出ると、汲んだ水の重さがかさむと同時に、傾斜も本格的になってくる。
樹林帯の中をジグザクと1時間以上と、苦しい登りだ。 やがて《人見の松》という所まで登りつめれば、北方向の視界が広がってくる。 私の時は曇って山の姿は見えなかったが、好天ならば浅草岳が雄大な姿を魅せている事だろう。


展望岩より望む会津朝日岳
頂稜部は崩壊激しい断崖絶壁
山腹部は深いブナの原生林に包まれる秘峰だ

やがて、三角点のある《叶の高手》に出る。 ここは会津朝日岳の絶好の展望台となっていて、ゴツゴツと岩峰を何重にも擡げる会津朝日岳が真正面にそびえ立っている。 展望台の屏風岩より少し下って、尾根のたわみを30~40分行けば、避難小屋が見えてくる。


会津朝日岳の避難小屋


避難小屋の内部
土間に板が敷かれて十分使用できるがトイレはない
水場は10分程で沢水が得れるとの事だが未確認

避難小屋は思ったよりかは建付けは良く、十分に使用に耐えれる造りだ。 また、土間の上にスノコ板が敷いてあり、十分就寝できる。 だが、寝泊りするとなるとシュラフは欲しい所である。 まぁ、そうならない為にも体力をつけるか、始めから宿泊を想定して登山行動をするか・・のいずれかだろう。


避難小屋裏に咲いていたイワカガミ

避難小屋の建つ熊ノ平を出ると、樹林帯を急登で抜け出し、《バイウチ高手》に出る。 ここから見る会津朝日岳は威圧的だ。 小幽沢カッチという小沢を跨ぐと、滑りやすいスラブの一枚岩の急登となり、この露岩を右へ巻くようにつめると会津朝日岳の頂上だ。


会津朝日岳の頂上にて

会津朝日岳 発 絶景かな

特徴のある双耳峰の角を
魅せる鬼ヶ面山を露払いに
守門岳と浅草岳の両主峰が揃い踏み


越後一郎・次郎・三郎
(中ノ岳・越後駒・八海山)か?


飯豊連峰かな
この山は奥深くにあり過ぎて
方向感覚が麻痺してしまう


南方を望むとルートのない
未知の山々が幾重にも連なって
まるで水彩画を魅ているようだ

晴れていれば、南にこの山域の最標高の丸山岳(1820m)、北に浅草岳、西に越後三山や平ヶ岳、東に飯豊連峰が見渡せる事だろう。 また、白い滝の如くに楢戸沢へとなぎ落ちるスラブの岩崩れも迫力大だ。


頂上からの絶景に気を取られて
楢戸沢ナギを撮るの忘れてた

帰りは、あのスラブの一枚岩の下りとなるので、滑落に注意しよう。 また、下りも3時間半はかかるので、今の時間と体力の相関関係をつかんで、無理のない下山行動をして頂きたい。 急な雨などの時は、覚悟を決めて避難小屋泊を選択するのも一つの手だろう・・と思う。
 
下山後は、ちょっと贅沢して付近の清流で獲れるイワナ料理に舌鼓を打つのもいいし、尾瀬の有名どころの山を目指すもいいだろう。











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