風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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日本の滝を訪ねて 第140回  庚申七滝

日本の滝を訪ねて  第140回  庚申七滝  〔栃木県〕


庚申七滝
庚申川に注ぐ水面沢に掛かる連瀑の総称

  庚申七滝  こうしんななたき  落差 七滝全てで約60m  栃木県・日光市(旧 足尾町)

          わたらせ渓谷鉄道・原向駅の北西約6kmに銀山平があり、ここが皇海山・庚申
滝へのアプローチ  山の登山口となる。 登山口より猿田彦神社山道(庚申山荘への道)を上ってい
          くと、遊歩道沿いにこの滝を魅る事ができる。

          相老駅(関東方面・東武鉄道との接続駅)よりわたらせ渓谷鉄道に乗車
          (1:10)→原向駅 駅より徒歩約1:40で国民宿舎やキャンプ場などがある
   行程表    銀山平に着く。 ここより林道ゲートを越え砂利道を1時間ほど行くと
          砂利道が着き、猿田彦神社の一ノ鳥居が現れる。
          この一ノ鳥居から寄り添ってくる水面沢沿いに滝がある。



さて今回も『日本の滝を訪ねて』と銘打っているが、前回の『路線の思い出  第149回  東北本線・宇都宮駅』で、浮浪者同様の駅路上寝をした続き・・である。 ちなみに今回は、見る者少なからず『ドン引き』させる『大団円』の回でっす。

筆者(タワケ)は、どうやら路上寝が得意技の1つとなっているようだ。 若き日のこの時標高3000mでのこの時など、かなりの好結果(どういう結果だ?)を出しているのである。

さて、行程的には宇都宮より日光線で日光に戻り、そこから日に4本ある日光~足尾のバスに乗って皇海山のエリアに戻り、庚申山荘にデポった荷物を回収しに行く・・って計画だ。 でも、日光からのバスは朝7時と早いので、コレに乗るなら日光線の始発に乗らねばならない。 この便を逃すと、次は正午前の便しかない。


今日はここにデポった荷物の回収だ

駅路上寝であるから始発に乗るのは可能で、実質は人が来るまでに立ち去る必要のある駅路上寝なのでむしろそうすべきなのだが、ここでもタワケの『ロクでもない思考』が炸裂する。 それは「このまま戻ってもつまらんしィ、未だ行った事のない霧降ノ滝に行ってみようかなぁ」っていう脳ミソバラ色思考である。 しかし、こういう状況で寄り道を考えるなど、不逞い野郎だな・・この筆者(タワケ)は。


ぢ・つ・わ・・、事が済んだ最終日に
華厳の滝にも行ってたりして

・・で、宇都宮のみどりの窓口の時刻表で霧降ノ滝へのバスの時刻や日光~足尾のバス便の時刻を調べて(でも、肩から裂けたカーディガン着たタワケを見て、よく防犯ベルが押されなかったよな)、7時頃の日光線列車に乗り込む。

日光線列車はつづがなく走り、日光には8時過ぎに到着。 日光駅からは先程に時刻表で調べた通り、8時半頃に出る霧降ノ滝方面行きのバスにスムーズに乗り継ぐ。 バスの中は観光客がチラホラいたが、衣服が破れている者はさすがにいなかったよ。 約20分の乗車で、観光客がごった返す霧降ノ滝に着く。
それでは、霧降ノ滝をごろうじろ。 


霧降ノ滝
いい滝なのだけれど
ごった返す行楽客に撮る気が高まらず

さて、日光駅から出る足尾行きのバスの時刻から逆算すると、霧降ノ滝の滞在時間は1時間半・・となる。 でも、時が経過するとともにマイカーでやってくる観光客でごった返してくる。
こうなると滝の撮影意欲も落ちるし、黒点(人)が入るのでアングルを取り辛くなる。
で・・、10枚程とったものの、手応えはなかったなぁ。

やがて、戻る時間がやってきて、日光駅に戻るバスに乗る。 日光からの足尾行きのバスであるが、日光界隈の世界遺産登録や足尾銅山が観光地として認知されてきた事により、現在は6往復あるが、以前は先に記した通り4往復で、バスはマイクロバスであった。

・・で、バスはつづがなく足尾町の中心駅・わたらせ渓谷鉄道の通洞駅に着く。
さて、これよりが、記事を見る者をドン引きさせる『クライマックス』となる。

通洞駅には足尾銅山観光目当ての行楽客の他、この駅からタクシーに乗って銀山平に向かう皇海山への登山客もいて、結構ごった返していた。 ・・で、銀山平に向かうべくタクシーに乗り込もうとするオバちゃんハイカーを見つけて割り勘便乗を持ち掛け、交渉が成立する。 ・・が、この時の運ちゃんは、2日前の『あのお方』だったのでギョッとしたよ。 まぁ、ヤッコさんは、完全に記憶が飛んでいたようで事なきを得たが・・。

タクシーは今回も銀山平最奥の林道ゲートまで乗っけてくれで、今度は運賃9000円を割り勘で3000円づつ払ってタクシーを下車。 どうやらこのオバちゃん達は皇海山登山は「できれば」程度の事らしく、目的は庚申山や庚申山荘でのっけからゆっくりと歩いていた。 ワテは荷物の回収なので、ちょっと速足で歩いていく。


庚申七滝の案内板

林道を経て猿田彦神社の一ノ鳥居を越えると、林道に沿って流れる庚申川に合流する水面沢にかかる庚申七滝が見えてくる。 一応、今回は『日本の滝を訪ねて・・』なので、クライマックスに入る前に滝の事を少々。


滝というより
瀬として魅た方がいい感じの滝だ

滝に沿って遊歩道が設置されているが、滝の一つ一つの落差は小さく、瀬滝の印象が強い滝だ。
また、7段まとめて眺望できるスポットはなく、遊歩道も上部が落石で崩壊しているので、ワテの撮った写真位の眺めしか望めない滝である。


この滝が庚申七滝の中心滝のようだ

さて、庚申七滝を過ぎると、猿田彦神社参道の緩やかな山道となる。 初日はダダ雨の暗闇だったので、事実上は初めて通る道同然だ。 そして、今日はまたとない快晴で気温も高く、肩の裂けたカーディガンを脱いでも十分で、気になる破れた服を脱いで気分も上々だった。


ルンルン気分を霧散させた
こいつのバリバリ音
※ グーグル画像より拝借

ルンルン気分で歩いていくと、空に数機のヘリがバリバリと轟音を立てて旋回していた。
それを目にしてこのタワケは、「あぁ、またどこかのボケがソーナンしたんやなぁ」と、そのボケナス自身が人の不幸=自分の事をほくそ笑んでいたのである

快晴の心地よさにルンルン気分で山荘までの道を歩いていくと、山荘方向から下ってくる登山者のオバさんがいたので、ヘリの旋回を指さして「何か遭難があったの?」と軽く尋ねる。 するとオバちゃんは、「山荘に荷物を置いて戻ってこない27~28歳の関西弁を喋る人らしいよ」、「山荘で警察が捜索している最中だよ」と教えてくれた。 その時、思わずワテは自らの鼻を指差したよ。

・・このエスケープは、ヘリ出動で一斉捜索の遭難騒ぎとなっていたのである。 「どこぞで遭難したボケナス」とはワテの事で、ヘリがバリバリと空から捜索していたのは、関西弁をしゃべるこのボケナスだったのである。


この200mは
真に『イバラの道』だったよ
※ グーグル画像より拝借

猿田彦神社跡から山荘の建つ丘の上までの200mは、真に鬼門であった。 周囲に茂るイバラは初日は山荘の建物を闇夜に隠し、今日はチクチクと身体を刺す様なトゲトゲしいイバラだったよ。 先程のルンルン気分も飛んで、限りなく重い足取りで山荘へ続く『イバラの道』をトボトボと歩いていく。

・・で、黄色い警護服を着た警官を見て一言、「エヘヘ・・、ども~!」 それに対して警官は「もしかして関西の方!?」と問いかける。 『渦中の人』となったこのボケナスは、ニヤつきながらコクリと頷く。 するとこの警官は、「捜索中の行方不明者発見! 自力で山荘に戻る」と無線で報告した。

・・で、後は『お定まり』の事情徴収。 取調官を前にして、飲酒やタバコがバレて搾られる学生の如く机に頭を下げるワテに、この取調官は「山荘にあった貴方の荷物は、点検の為に全て開封させてもらいました」、「が・・!」、「見事に何一つお名前が書かれていませんねぇ」と、溜め息とも呆れとも着かぬ口調でお小言。


絵が表している意味は違うが
シュチュエーションは似てる・・かな!?
※ グーグル画像より拝借

続いて、昨日から今日にかけての行動を聞かれて、それを調書に取られる。 何でも、初日に山荘に同宿したおじさんが、ワテが荷物を放ったらかしたまま一向に戻ってこないので、「遭難した」と思い込んで夜も眠れず、朝下山して警察に捜索願を出したそうである。 この心配性のおじさん、雨の中にやってきたワテを見て、相当なトラウマにかかったみたいである。

警察としては「たぶんこんな事(沼田の方に下った)だろう」と思ったらしいが、「もしか」の為に出動したとの事。 でも、雷の鳴り響く状態で6時間かけて戻るのは危険で、あの状況ではエスケープルートを下るのが常道で、それは間違った判断ではないと思う。 その証拠に、調書には「山に慣れた経験者の判断として」と記されていたし。

調書を取り終え、「お咎めなし」(警察曰く、この件はコチラが勝手に騒いだ事なので・・との事)で解放されるが、その後は山荘内でヒーロー(笑いの種)だったよ。 今日、明日と天気がいいとの予報もあって山荘は大盛況だったが、このコースを歩いていける猛者はこの内の半分にも満たないだろう。
それほどまでに長いルートなのである。







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