2016-04-24 (Sun)✎
日本の滝を訪ねて 第139回 大川ノ滝 〔鹿児島県〕
大川ノ滝
岩盤から押し出されるような
急瞬な落水姿を魅せる滝だ
大川ノ滝 おおこのたき 落差 90m 鹿児島県・屋久島町
滝へのアプローチ 鹿児島本港より、屋久島連絡船で屋久島渡航
屋久・宮之浦港へは1日5便・ジェットフォイル便で所要2:40
宮之浦港より島内バス利用・1日8便で終点の栗田橋まで乗車
所要は約1:30
行程表 栗生橋バス停より島内を周回する県道(鹿児島県道78号線)を
北方向へ約4kmで滝前に至る
内地の人がこの島に訪れる目的のほとんどが
宮之浦岳への登山だろう
恐らく・・であるが、この滝は屋久島にある九州最高峰・宮之浦岳の登山の後に訪れるケースが多いであろう。 筆者のワテも2泊3日で屋久・宮之浦岳の登山の後に、この滝へ立ち寄ったのである。
従って、今回の滝ガイドは、登山の後に立ち寄った形の紹介になる事をご承知頂きたい。
今日の行程は《大川ノ滝》を眺めて、なおかつ途中の《湯泊温泉》で多少なりとも疲れを癒してから宮之浦の町へ戻り、宮之浦港からのフェリーで帰路に着くという予定である。 これを実行するには、《栗尾橋》バス停を午前中に発車するバスに乗車しなければ達成できない。 これができなければ、日程が1日延びるという事でもある。 従って時間管理は、いつもよりシビアとなるのだ。
山にV字を刻む渓流と緑深き山
滝の潜む予感が
テントをキャンプ場にデポって、カメラ片手に約4kmの舗装道を歩いていく。 道はややアップダウンがあり、舗装道に適さない登山靴スタイルでは足が重い。 海原を見ながら約1時間で、海に直接落とす大絶壁の中程から一条の白布が掛かっているのが見えるだろう。
本流の流れをイッキに落とす
水量豊かな滝が見えてきた
落差90m、本流の川をイッキに落とす水量豊かな《大川ノ滝》である。
その清楚ながらも力強く迫力満点の姿は、さすが“名瀑”の戴冠を得るに相応しいのである。
その清楚ながらも力強く迫力満点の姿は、さすが“名瀑”の戴冠を得るに相応しいのである。
側面から魅せる姿は清楚な流れを示し
正面から望むと
大迫力で滝しぶきが押し迫る豪壮な姿を魅せ
迫り出した堆積岩のホルンフェルスを押し出すように勢いよく落ちる見事な滝姿は、百名滝に推挙されるに相応しい様相だ。 また、フォルンフェルス(熱変成岩)の織りなす縞模様の岩石層に沿って滝の落水模様が変化するので、より魅惑的な流れを堪能できる。 この美しい滝を十分目に焼き付けたなら、去り難い思いを何とか振り切って帰路に着こう。
迫り出した急峻な岩盤を
一気に落とす”流水”を強調するも良し
フォルンフェルス層に従って跳ねる
段瀑を強調するも良し
冒頭でも記したように、《栗尾橋》バス停を午前中に出るバスが今日中に屋久島から帰路に着く連絡船乗車のリミットとなる。 それから逆算して、途中の《湯泊》でひと風呂浴びる・・のを加えると、リミットの便の一つ前の10時前のバスに乗る事が条件となる。 となると、帰りの徒歩時間やキャンプ場にデポったテント撤収などの出発準備の時間を含めて考えると、8時半までには《大川ノ滝》を後にせねばなるまい。
楽しい時間はやがて終わりの時を迎え
立ち去る時がやってくる
滝からの帰り道でテントを回収して、余裕を持ってバス停に向かう。 《栗尾橋》から15分程の所にある《湯泊》停留所の近くに、公衆浴場があるので立ち寄る事にする。 やっぱり、4日も風呂に入らなければ、風呂も恋しくなるだろうから・・。 しかし、登山の汚れた身なりでは、温泉旅館はまず“門前払い”となる。
この島では雨は日常
花びらは常に水玉を浮かべて
このような訳で、この《湯泊温泉》を選んだのであるが・・。 《湯泊温泉》で『屋久島』最後の“本願”を成就して、1時間後の次のバス便に乗り継ぐ。 後は、この日の冒頭で記した通りの行程で島を離れる。 たぶん、船の中では、疲れて眠りにつくのも早いと思う。
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