2016-04-03 (Sun)✎
『日本百景』 春 第230回 南伊勢めぐり 〔三重県〕
素晴らしき南海展望台の朝景
海が黄金色に輝くひととき
伊勢志摩 いせしま (伊勢志摩国立公園)
志摩半島の南部は隆起した台地が浸食されて、それが沈降した典型的なリアス式海岸が連なっている。 《的矢湾》・《英虞湾》・《五ヶ所湾》なども、このリアス式海岸の典型である。
志摩半島の南部は隆起した台地が浸食されて、それが沈降した典型的なリアス式海岸が連なっている。 《的矢湾》・《英虞湾》・《五ヶ所湾》なども、このリアス式海岸の典型である。
景観では《英虞湾》が特に素晴らしく、真珠養殖の筏と付近の入りくんだ湾内の風景とが調和して美しい。 そして、クライマックスは夕暮れ時。 湾内が黄金色に輝き叙情的である。 《英虞湾》を望む展望地としては、登茂山・横山・金毘羅山などの小高い丘の上がいいだろう。
南伊勢の観光名所 位置図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 志摩市・賢島より車利用(0:20)→登茂山展望台
《1日目》 志摩市・賢島より車利用(0:20)→登茂山展望台
(0:45)→旧浜島町・英虞湾に浮かぶ大矢取島展望地(1:10)→南伊勢町・南海展望台
《2日目》 南海展望台(0:30)→旧南島町・南島大橋展望台(0:40)→ないぜ自然園展望所
《2日目》 南海展望台(0:30)→旧南島町・南島大橋展望台(0:40)→ないぜ自然園展望所
(0:40)→南伊勢の里めぐり(0:25)→五ヶ所城址
(0:35)→浜島町・英虞湾に浮かぶ大矢取島展望地(0:30)→賢島
夜明けのピンク色の空と葛島
《1日目》 英虞湾の夕景・夜景めぐり
さて今回は、『伊勢志摩』の南部をめぐる旅を企画してみた。 時間があればもっとゆっくりとめぐりたい所であるが、都会人ゆえにそれもなかなか思うようにはいかないであろう。 従って、効率よくめぐる事のみを重点に行程を組んでみたので、『伊勢志摩』南部の魅力の全てを伝える事が出来なかったかもしれない。
まず、夕方の日が沈む30分前には、大王町の《登茂山展望台》へ到着するように出発しよう。
もちろん、目的は英虞湾に沈む夕日を眺める為である。 《登茂山展望台》は賢島の駅より約12km離れた所にあり、車ではおおよそ20分という所だろう。 大きな駐車場があり、そこから整地された砂利道を300m程歩くと芝生の丘の先にリアス式の入江が広がる英虞湾が広がる。
もちろん、目的は英虞湾に沈む夕日を眺める為である。 《登茂山展望台》は賢島の駅より約12km離れた所にあり、車ではおおよそ20分という所だろう。 大きな駐車場があり、そこから整地された砂利道を300m程歩くと芝生の丘の先にリアス式の入江が広がる英虞湾が広がる。
《登茂山展望台》だ。
夕日の名所
登茂山展望台よりの夕景
夕日が沈むまで、カメラを通じて穏やかな海の風景を満喫しよう。 《登茂山展望台》は大きな園地となっているようで、1ヶ所に固まらず、いろいろな所から夕景を狙うのも楽しいだろう。 但し、この地に粘り強く通わねば叶わぬ事であるが。
日が沈むのを見届けたなら《登茂山展望台》を後にして、浜島町の《大矢取島》展望地に向かおう。
浜島町の《大矢取島》は、先程の《登茂山展望台》で望んだ対岸の岬にある。 距離にして約30km、車で45分という所だろう。
・・さて、この日は、《大矢取島》の夜景を狙うべく行程を組んでみた。 到着は、おそらく夜の8時~9時という所だろう。 《大矢取島》には灯台があると聞いて、これは夜景を狙うのも面白いか・・と思い組んでみた行程だが、肝心の灯台は簡易のサーチライト灯台で、船舶への水先案内をすべく建設された灯台ではないようである。
浜島町の《大矢取島》は、先程の《登茂山展望台》で望んだ対岸の岬にある。 距離にして約30km、車で45分という所だろう。
大矢取島・夜景
海面を彷徨っていた夜光虫の光は
捉える事ができなかった
従って、あまり行き交う船もなく、掲載写真のようなちょっと厳しい情景となってしまった。
そして、海面に彷徨っていた夜光虫の光も捉える事ができず、掲載写真としてはあまり意味のないものとなってしまった。 ここは、筆者の撮影技術が未熟・・という事で御容赦頂きたい。
後は、明日の南勢町めぐりをすべく、五ヶ所湾を望む絶好の展望台・《南海展望台》へ向けて車を進めよう。 今夜の宿泊地は御想像通り、《南海展望台》の駐車場にての仮眠(車中泊)である。
展望台に立つ銅像と伴に
夜明け前の港を見る
《2日目》 南勢町の名所めぐり
さて、今回のメインである《南海展望台》での朝景を味わう事から、この日の行程が始まる。
従って、素晴らしい朝景を望みたいと思うならは、夜明けの1時間前には行動を起こしたいものだ。
駐車場からは、約200段の丸太の階段を登っていく。 余裕があれば、夜の内に上の展望台まで昇って下調べをしておくのも手である(夜中にウロウロ行動するのも考えものであるが)。
さて、今回のメインである《南海展望台》での朝景を味わう事から、この日の行程が始まる。
従って、素晴らしい朝景を望みたいと思うならは、夜明けの1時間前には行動を起こしたいものだ。
駐車場からは、約200段の丸太の階段を登っていく。 余裕があれば、夜の内に上の展望台まで昇って下調べをしておくのも手である(夜中にウロウロ行動するのも考えものであるが)。
夜が明けて
港が活動し始める
さて、上りついた展望台からは、言葉のいらない素晴らしい情景が広がる。 五ヶ所湾内をすべて見渡す夜明け前の情景だ。 そして、いっとき待つと、クライマックスの情景が広がる。 朝日が湾内の海面を黄金色に輝かすのだ。 この情景には、本当に言葉はいらない。
朝日が指し示す黄金の筋に
船が航跡を刻む
しばし、時を忘れて魅せられたいと思う。 素晴らしい情景に魅せられた感動で胸をいっぱいにしたなら、そろそろこの場所を離れよう。
漁に出る船が行き交い始める頃を
見計らって次の場所に移るとしよう
次は、交通が至って不便だった事から『伊勢路の秘境』とも呼ばれていた旧南島町域を訪ねてみよう。
この辺りに展開するリアス式海岸も国立公園には指定されているが、前述の《秘境》との呼称の通りアクセスが至って不便で、訪れる観光客も激減する。
旧南島町域は
知る人ぞ知る桜の名所なのです
だが、素朴な波止場風景や、知る人ぞ知る南伊勢の桜の名所という事で、春の南伊勢路の旅のポイントとしておきたい所でもある。
小さな波止場と桜風景
春には波止場周りの桜が一斉に咲き誇り、麗らかな春の波止場風景が広がる。 また、時間を取って、波止場町の夕暮れや夜景を狙うのもいいかもしれない。 1日の漁を終えて帰港するボート漁船など、観光地にはない港の素の表情を見せてくれるだろう。
一日の糧を終えた漁船が
港へ引き上げてくる
港へ 家に帰ろう
そんな気持ちが感じられる風景
また、って、波止場町の夕景や夜の風景を狙うのも面白いかも知れない。 夜の漁に備えて一晩中波止場を照らすカクテルライト、夜が明けやらぬ前に出向する漢(おとこ)船。 そこには観光地にはない、普通の波止場町の日常があるのだ。
夕日に照らされて
紅く染まる海
一羽の海鳥が巣に戻るべく湾を横切る
一日の終わりを示すシーン
そして・・
穏やかに一日が暮れていく
残念ながら、筆者にはそういった『日常』を撮る技量がないので、風景のみの掲載となってしまったが・・。
カクテルライトで照らされた
波止場町は不夜城のように
煌々と煌めいていた
夜が明けた時には
波止場の朝は既に始まっていた
颯爽と漢(おとこ)船が出漁に出る
・・さて、旧南島町の波止場風景を撮り終えたなら、お次は高台上からのリアス式海岸の遠望や、温暖な気候の地・南伊勢の里めぐりをしてみよう。
旧南島町域から国道260号線を五ヶ所湾方向に戻り、《ないぜ自然園→》という案内板を見つけたら、すぐそばまで迫った崖の中腹に向かって続く細い道を登っていこう。 そこには、五ヶ所湾の奥にある内瀬浦を一望できる展望台がある。
夜明けの空に染まる内瀬浦
その素晴らしい情景は、一日中カメラ片手に滞在してももの足りないモノだ。 朝のピンク色に染まった港風景、出航する漁船の航跡、桜の花とリアス式の海風景がおりなす摩訶不思議な情景。
夜明けとともに
打ち出る漢(おとこ)船
ないぜ自然園
ここもちょっとした桜の名所でした
桜と摩訶不思議
桜だけではない
新緑も魅せてくれる
桜だけではない。 新緑に覆われた山肌と取り合わせて撮るのも楽しいだろう。 そして圧巻は、美しい星空が望める地という事だ。 海の風景ばかり・・と捉われがちだが、障害物のない清みきった空には満面の星空が展開するのだ。
ネガスキャンだから
画像は荒いけれど
こんな星空が見れるのです
南伊勢の宇宙(そら)
また、高台から下りて、純朴な里風景と桜を追っかけるのも楽しいだろう。 飾る事なく自然のままに咲く里の桜風景は、都会の喧噪に疲れた心と身体を癒してくれる事だろう。
桜並木のある里
有りそうで無いこういう風景
日常風景と
桜を切り取るのもいい
田んぼの水鏡が桜を映出して
桜の大樹は
路上にもアートを描き
それは真に道に描かれた
『路上の華』
石垣と八朔の実
都会人が忘れかけた風景がここにあった
南伊勢の春風景を堪能ししたなら、南伊勢の中心である五ヶ所に戻ろう。 ここにはこの地を納めた豪族の居城《五ヶ所城》の城跡公園があり、それを訪ねてみよう。 《五ヶ所城址》は町の中心部より切原へ向かう道に入った程なくの所に位置し、南北朝時代の南朝方の有力豪族であった愛州氏の居城である。
だが、この時代の城は、城というよりも砦といった方がいいかもしれない。
負け方の城は哀愁を帯び
また、戦国の城にしては丘でしかない平地に築かれているので、その点に多少の疑問は残る。
また、この愛州氏は剣の流派・柳生新陰流の元祖との事で、南北朝の動乱を記した太平記と伴に歴史のロマンを大いに漂わせた城跡である。 時間があれば、資料館で歴史と剣のロマンを訪ねるのもいいだろう。
また、この愛州氏は剣の流派・柳生新陰流の元祖との事で、南北朝の動乱を記した太平記と伴に歴史のロマンを大いに漂わせた城跡である。 時間があれば、資料館で歴史と剣のロマンを訪ねるのもいいだろう。
柳生新陰流の源流といわれる
愛州氏の城址石碑
後は旧浜島町の《大矢取島》へ向かって、《大矢取島》と《小矢取島》をカメラに収めてこの旅を締めくくろうと思う。
小矢取島の前景に
きれいな海を入れてみた
- 関連記事
スポンサーサイト
No title * by 風来梨
たけしさん、こんにちは。 日本の風景って、真に奇跡の国たる風景だと思います。
四季折々の情景・・。 世界広しと言えど、我が国・日本以外には見れない情景です。
四季折々の情景・・。 世界広しと言えど、我が国・日本以外には見れない情景です。
東南アジアや中韓では、ゴミとバイ菌の吹き溜まりとなります。
ナイス!