2016-02-20 (Sat)✎
『日本百景』 冬 第223回 冬の南紀 〔和歌山県〕
『日本三名瀑』
那智ノ滝
前回『第222回 十津川郷』の続きで、この旅の《3日目》・最終日である。 初日の「路上で新聞紙」も凄いけど、2日目の農具の廃小屋もスゲ~なぁ。 ある意味、この旅はぶっ飛んでいて、それだけにワテの経験値・・というか、困難に出くわした時の『引き出し』がイッキに増えた気がする。
何か、変な自信が着いたんだよね~、この旅で。
さて、昨日のロウソクの事だが、殿下がいうには「ワテがロウソクを倒して」と証言しているが、ローソク倒したら農具小屋がボヤ騒ぎになって、今頃ワテら生きていない(掲載写真の通り、小屋の中は燃えやすいモノが転がってるし・・)だろうから、たぶんコレは殿下の妄想だと思うと自己弁護する小市民なワテ。
この状況での真っ暗闇となる事の危険性が
野宿素人の殿下には想像できなかったようだ
ワテ単独ならばローソクを消したであろうが、野宿に不慣れでいきなりプロフェッショナルな野宿(どんな野宿や!?)をするハメとなった殿下が「パニックを起こすかも」という事を想定したのである。
深夜に小用に行く時などに転がる尖ったモノを踏んだり、ボロ小屋故に剥き出した釘などもケガ→パニックの要因だ。 そして、ネズミや獣を追っ払うのもローソクの火が最も効果てき面であるのだ。
北海道の真冬駅寝は未だだが、そろそろに冬の駅寝を繰り返し体験し、野宿においてどういう状況がヤバいか・・が解り始めてきたワテには、地面にロウで固めたローソクが倒れる危惧より、何も見えず、何が転がっているか、何が突き出ているか解らない真っ暗闇の危惧の方が高いと感じたのである。
まぁ、何事もなく夜が明けて無事に出発できたので、もう30年近くも前という事で時効な事だろうと思う。
さて、夜明け前に起きて朝飯の用意をするが、これもローソクを灯していて良かったと思う理由である。 真っ暗闇なら、何の準備もできないのである。 そう、明るくなってモノが視認できるまで、何もできないのだ。 徒歩を基本とするハチャメチャ旅だけに、出発準備がハチャメチャ状態となったなら、金もない事もあり『ジ・エンド』と成り得るのだ。
出発が遅くなれば
ここにも立ち寄れなくなった事だろう
那智ノ滝 遠望
さて、夜が明けて明るくなるまでに出発準備を終えて、時間的な余裕もできたので、バス停に寄ってみる。 運よく7時前の便があり、取り敢えず『キツい制約』から解放されるべく新宮駅に向かう。
なぜ『キツい制約』から解放されるのか・・というと、駅まで出れば『セ・セ・セ・セ青春18切符』があるので、持ち金のシビアな計算をする必要がなくなるからである。 クドイようだけど、ここでもローソクの火があったお陰で、早く出発ができた事が活きたのである。
さて、川湯温泉から新宮までのバス賃は1000円位で、この時点で二人合わせての残金3000円以上残ってるよ。 ・・で、ここからは、贅沢に南紀を周る事にしよう。 まずは、『日本三名瀑』と言われる那智ノ滝。 滝の傍に重要文化財である三重の塔の《青岸渡寺》があるのだが、当時のタワケは興味の惹かない事はガン無視する悪癖があり、三重の塔の写真は華麗なるスルーで一枚も撮ってなかったりして。
それでは、那智ノ滝をごろうじろ。
周囲を見渡す余裕を持てなかった
ガキの頃の視野の狭さ
わざわざ《青岸渡寺》を
入らないようにして撮ってたよ
それでも滝が好きで
滝を引き立てるアングルを模索してたみたい
那智の大滝としめ飾り
那智ノ滝の帰りは、「(バス賃をケチる為に)たまたま通った道が熊野古道だった」という、世界遺産にも登録された歴史的重要性を完全無視する旅だったよ。 この点からも、この旅の特異性が語れるだろうな。 でも、なぜか、《熊野古道》の写真撮ってたみたいなので掲載しておこうか。
通った時はただの石畳の道だったのだが
世界遺産に登録された今となれば
「通ってて良かったよ」
最後は、本州最南端の潮岬で締めよう。 那智ノ滝から那智駅に戻り、『セ・セ・セ・セ青春18切符』を使って潮岬へ行くバスの出る串本へ。 バスで潮岬に出る。 潮岬のレストハウス前のバス停で降り立って、その岬らしくない情景に唖然としたよ。
それは、岬の石碑の前は広い草原の公園となっていて、家族連れがフリスビーなんぞしてるではないか・・。 そこに、「荒々しく打ち寄せる波」、「岬灯台」、「強風に煽られながら飛ぶカモメ」などの岬風景は皆無だったよ。 仕方がないので、フリスビーなぞしてる家族連れはカメラアングルから外す方向で撮ったのがコレらの写真である。
『本州最南端』 潮岬の石碑
これがなかったら岬とは思えなかったよ
岬らしくない情景はフレームから外して
岬らしく思えた情景を探して撮る
南紀の有名処をひと通り駆け足でめぐって、このハチャメチャ旅も無事終わりを迎える。
旅の考察として、このようなハチャメチャ旅ではあったが、唯一比較して優れている事もあったのである。
それは、《1日目》は岩盤浴の大塔温泉、《2日目》は川を堰き止めた川湯温泉の露天風呂、《3日目》は潮岬のレストハウスの温泉(少し怪しいけど『潮岬温泉』と温泉登録されているらしい)と、パーフェクトで温泉に入れたよ。
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