2011-04-21 (Thu)✎
名峰百選の山々 第18回 『20 大朝日岳』 山形県・新潟県
朝日山系(磐梯朝日国立公園) 1870m コース難度 ★★ 体力度 ★★★
《メインサイトより抜粋》
大朝日岳 1870メートル を主峰に連なる朝日連峰は、東北では珍しい隆起山塊である。
それゆえに、重厚で嶮しい山容を魅せている。 また、登山も広域な縦走コースが中心となる為、それ相当の装備と体力が必要となる。
でも、これは裏を返せば、登山者が少なく静かな山行が楽しめて、また手付かずの自然も多く残されている・・という事でもある。 もちろん、“山の楽しみ”である高山植物も豊富で、特にヒナウスユキの群落は見事である。
《1日目》 山形駅よりバス(1:35)→宮宿よりタクシー利用(0:50)→朝日鉱泉
(3:00)→鳥原小屋(2:00)→小朝日岳(1:20)→大朝日小屋(0:20)→大朝日岳
(0:15)→大朝日小屋
《2日目》 大朝日小屋(1:30)→西朝日岳(0:50)→竜門小屋(2:00)→狐穴小屋
《2日目》 大朝日小屋(1:30)→西朝日岳(0:50)→竜門小屋(2:00)→狐穴小屋
(2:30)→以東岳(0:05)→以東小屋
《3日目》 以東小屋(2:20)→大鳥池(2:30)→泡滝ダム(3:30)→大鳥よりバス
《3日目》 以東小屋(2:20)→大鳥池(2:30)→泡滝ダム(3:30)→大鳥よりバス
(1:20)→鶴岡駅
“綿菓子”雲を浮かべる空と
朝日連峰の山なみ
《1日目》 朝日鉱泉より大朝日岳へ
東北の“遙かなる山”・朝日連峰は、その形容詞通りアプローチが大変な山だ。 バスは不定期便しかなく、アプローチ方法もお金がかかるタクシーを選択せねばなるまい。 また、マイカー利用ならば縦走の際、登山口と下山口の交通圏が全く違うので、車の回収に日程を割かなければならない。 何にしてもアプローチに丸1日かかるので、無理をせず前日は確実に《朝日鉱泉》まで入っておこう。 《朝日鉱泉》には登山者の為の宿があるので、利用するといいだろう。
さて、登山を志す者の朝は早い。 4時過ぎには、出発支度の雑音が聞こえだす。 この朝日連峰は頂上まで6~7時間かかるので、これは当然の事だろう。 《朝日鉱泉》の宿を出ると、これから目指すべき大朝日岳が眼前にそびえ立っていて、これを見て“気合を入れて”出発する。
朝・・そびえ立つ
大朝日岳が視界に入る
宿から一度沢に下って、吊橋で沢を渡って山の中へ入っていく。 しばらく歩くと、朝日川から《中ツル尾根》を行く最も“キツい”ルートを分け、土手に向かってのつづら折りの急登となる。 約30分程登っていくと、標高1000mのピークに出る。
ここからは、この土手を乗り越えて向こう側の沢に下っていく。 それも先程登った分、そっくりそのまま下っていくのである。 そういう訳で、この沢に下り着いた時には、1時間半歩いて“実績ゼロ”の虚脱感に襲われる事だろう。
この沢を渡って、対岸の山に登っていく。 しかし、これがまた、粘土質のルンゼ状の溝の縁にネマガリタケや笹が覆う歩き辛くて厄介な道なのだ。 ルンゼの中を行くと溝を流れる流水でベチョベチョとなるし、土手の上は上でネマガリタケや笹が足に絡んで前進もおぼつかない。 そして急登で見通しも悪い。
この沢を渡って、対岸の山に登っていく。 しかし、これがまた、粘土質のルンゼ状の溝の縁にネマガリタケや笹が覆う歩き辛くて厄介な道なのだ。 ルンゼの中を行くと溝を流れる流水でベチョベチョとなるし、土手の上は上でネマガリタケや笹が足に絡んで前進もおぼつかない。 そして急登で見通しも悪い。
こんな単調な登りに、約1時間半耐えねばならない。
ひたすら耐えて登っていくと、いつの間にか木道が現れて、ようやくこの辛い道から解放される。
木道からは開けた小規模の湿原となっていて、その先に《鳥原小屋》が建っている。 ここにはいい水場があり、ひと息着くのにいいだろう。 ここまでくるので一つの山を登ったようなボリュームがあるが、実際は頂上まで近いどころかまだ半分の道程だ。 ここから尾根上のピークを2つ越えて、大朝日岳へ登っていかねばならない。
まずは、鳥原山 1430メートル だ。 この山へは、丸太の階段を約100段ほど登ると山頂に登り着く。 山頂は朝日連峰稜線の絶好の展望台で、大朝日岳から以東岳への起伏に富んだ稜線が見渡せる。
特に、大朝日岳から延びるガンガラ沢のY字雪渓と稜線に深く切れ込んだ黒俣沢が、より展望を引き立てている。 鳥原山の展望を味わったなら、先に進もう。
特に、大朝日岳から延びるガンガラ沢のY字雪渓と稜線に深く切れ込んだ黒俣沢が、より展望を引き立てている。 鳥原山の展望を味わったなら、先に進もう。
ガンガラ沢のY字雪渓が
大朝日岳を深く刻み込む
ここからは、高低差100mほど下って、樹林帯に入っていく。 そして登り返しは、小朝日岳の山肌につけられた道を斜めに登っていく。 これが見た目よりもキツくて、最後には風化したザラ岩の鎖場もある。
鎖を使ってこの岩をイッキに30m登ると、小狭い広場に登り着く。 ここが小朝日岳 1647メートル の頂上だ。 ここも鳥原山と同じく絶好の展望台で、ガンガラ沢のY字雪渓がよりダイナミックに見渡せる。 また、大朝日岳の肩にある《大朝日小屋》の白い建物も、目にする事ができる。
だが、またもや200mの急下降だ。 このコースは、登ったら降りる・・という“形”が如実にあるのである。 “帰りに使うとキツいであろう”この下りを下っていくと、キレットの底を踏んで緩やかに登り返していく。 登り返して大朝日岳の支尾根の上に出ると、再び大朝日岳のY字雪渓が真横に広がり、前は朝日連峰の稜線の“立て屏風”という絶景の中を歩いていく。
だが、またもや200mの急下降だ。 このコースは、登ったら降りる・・という“形”が如実にあるのである。 “帰りに使うとキツいであろう”この下りを下っていくと、キレットの底を踏んで緩やかに登り返していく。 登り返して大朝日岳の支尾根の上に出ると、再び大朝日岳のY字雪渓が真横に広がり、前は朝日連峰の稜線の“立て屏風”という絶景の中を歩いていく。
1700~1800mの山の
スケールを凌駕する眺めだ
この辺りから、高山植物がチラホラと見え出してくる。 この見通しのいい尾根筋を登っていくと、大朝日岳の取付の急傾斜の前に出る。 この取付の前に小狭い広場があり、この脇の小道に入っていくと、名にしおう銘水《銀玉水》の清らかな水が噴出している。 清水で喉を潤したなら、この水を水筒に汲んで小屋まで持ち上げよう。 なぜなら、今日の宿泊地となる《大朝日小屋》には水場がなく、水を得るには往復20分の《金玉水》まで行かねばならないからだ。
高山蝶 見つけた
《銀玉水》からは大朝日岳へ向かっての急登となり、約30分ほど登ると《大朝日小屋》の建つ《大朝日ノ肩》に着く。 小屋に荷物を置いて、頂上を往復してこよう。 大朝日岳 1870メートル の頂上までは、約15分の登りである。 山頂や小屋前からは、朝日連峰の稜線が連なり壮観だ。
また、鳥海・月山といった出羽の名峰も、美しい姿を雲間から魅せている。 そして、日本海と遠く佐渡島も望むことができる。 明日は、朝日連峰の稜線を歩いてみよう。
七色の空に浮かぶ東北の名峰群
大朝日岳頂上にて
山の1日の終わりは美しい
続きは名峰次選の山々18回目『以東岳』にて・・
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No title * by 風来梨
yamanbouさん、こんばんは。
大朝日は1800m級とは思えぬ位に懐の深い山ですね。
ただ、アプローチが厄介なのが難点です。
朝日鉱泉側はほとんど車の止めるスペースがなかったような・・。
駐車スペースで比較するとマシなのは大鳥側からですが、大朝日まで遠いです。
でも、山に入ってしまえば、避難小屋は全部立派な建付けで、水場も近くにあるし、縦走する為の山かも・・と思える位です。
ちなみに、今年のGWは八ヶ岳でもいこうかと・・
大朝日は1800m級とは思えぬ位に懐の深い山ですね。
ただ、アプローチが厄介なのが難点です。
朝日鉱泉側はほとんど車の止めるスペースがなかったような・・。
駐車スペースで比較するとマシなのは大鳥側からですが、大朝日まで遠いです。
でも、山に入ってしまえば、避難小屋は全部立派な建付けで、水場も近くにあるし、縦走する為の山かも・・と思える位です。
ちなみに、今年のGWは八ヶ岳でもいこうかと・・
No title * by yamanbou
朝日岳、飯豊山、あのあたりは体力がいりますねぇ
GWは八ヶ岳ですか?いいですね 雨の八ヶ岳しか知りませんから
青空にもう一度・・・ ご一緒したいですがGWは四国の山でアケボノツツジを見る予定です それと今、お気づきかもしれませんが2月から体調を崩して山に登れてないんです。山でお会いできたら最高ですが・・・
その日を楽しみにしています
GWは八ヶ岳ですか?いいですね 雨の八ヶ岳しか知りませんから
青空にもう一度・・・ ご一緒したいですがGWは四国の山でアケボノツツジを見る予定です それと今、お気づきかもしれませんが2月から体調を崩して山に登れてないんです。山でお会いできたら最高ですが・・・
その日を楽しみにしています
No title * by 風来梨
朝日・飯豊は体力が要りますね。
今は筋肉が脂肪という名の柔らかいモノに変ってしまって・・(涙)
かつての実績を裏付けのない心の支えとして、喘ぎ喘ぎ登ってます。
飯豊山で、最盛期に石転ビ雪渓経由で5時間チョイで梅花皮鞍部(稜線の避難小屋のある所)に行けたのが、2年前は梶川尾根経由で8時間かかっちゃいました。 でも、魔の1日目を乗り越えると、かつての燃え残りが多少復活するみたいで、翌日からはなんとか歩けます。
でも、初日からバテない為にも、日頃から訓練すべきなんでしょうね・・。
山でお会いできたらいいですね。 テント場で、お茶でも飲みながら山談義できたら楽しいですね。
今は筋肉が脂肪という名の柔らかいモノに変ってしまって・・(涙)
かつての実績を裏付けのない心の支えとして、喘ぎ喘ぎ登ってます。
飯豊山で、最盛期に石転ビ雪渓経由で5時間チョイで梅花皮鞍部(稜線の避難小屋のある所)に行けたのが、2年前は梶川尾根経由で8時間かかっちゃいました。 でも、魔の1日目を乗り越えると、かつての燃え残りが多少復活するみたいで、翌日からはなんとか歩けます。
でも、初日からバテない為にも、日頃から訓練すべきなんでしょうね・・。
山でお会いできたらいいですね。 テント場で、お茶でも飲みながら山談義できたら楽しいですね。
No title * by オータ
朝日鉱泉の管理人、西沢さんは自然保護の世界では知られた方です。一度泊まりに行ったことがあります。が、朝日岳には上らず帰って参りました。
No title * by 風来梨
朝日鉱泉は有名なんですけど、朝日岳まで結構遠いんですよね。
古寺鉱泉とかの方が稜線には早く上がれるみたいです。
だから、山に登る人の他、鳥原山引き換えし組や沢釣りなどの利用者も多いとの事です。
朝、小屋の前で望む大朝日岳はそそりますよ。
古寺鉱泉とかの方が稜線には早く上がれるみたいです。
だから、山に登る人の他、鳥原山引き換えし組や沢釣りなどの利用者も多いとの事です。
朝、小屋の前で望む大朝日岳はそそりますよ。
来年くらい登ってみたいと思います
体力、付けときます