風来梨のブログ

このブログは、筆者であるワテの『オチャメ』な日本全国各地への探勝・訪問・体験記です。

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第219回  八ヶ岳・北横岳

『日本百景』 冬  第219回  八ヶ岳・北横岳  〔長野県〕


北横岳と雪に埋もれる
坪庭の溶岩台地

  八ヶ岳 やつがたけ (八ヶ岳中信高原国定公園)
南北に30km・東西に15kmに渡って30座を越える2000m峰を擁する八ヶ岳は、山容が南北で大いに異なり、それぞれに違った魅力を備えている。 南八ヶ岳は主峰・赤岳 2899メートル をはじめ、阿弥陀岳 2806メートル ・横岳 2829メートル ・権現岳 2715メートル などの岩峰を連ねて、稜線は痩せて嶮しくダイナミックな姿を魅せている。 
 
一方、北八ヶ岳は、北横岳 2480メートル を盟主に樹木に覆われたなだらかな山々が続き、山腹には池沼や草原がひっそりと点在し、静かで瞑想的な雰囲気を漂わせている。




北八ヶ岳縦走路 地図

    行程表               駐車場・トイレ・山小屋情報
《1日目》 JR茅野駅よりバス(1:00)→ピラタス山麓駅よりロープウェイ(0:10)→山頂駅
     (1:20)→北横岳ヒュッテ(0:25)→北横岳(1:00)→坪庭(0:20)→縞枯山荘
《2日目》 縞枯山荘(0:05)→雨池峠(1:00)→縞枯山(0:50)→縞枯山荘
     (0:20)→ロープウェイ山頂駅(0:10)→ピラタス山麓駅よりバス(1:00)→JR茅野駅


冬の北八ヶ岳の魅力は
『モンスター』と呼ばれる樹氷林だ

  《1日目》 坪庭から北横岳へ
さて、今回はロープウェイを利用して、雪山としては初心者向けの北八ヶ岳山域を〔厳冬期〕に歩いてみよう。 アプローチに際して、交通機関を乗り継ぐ事やロープウェイの始発時間が9:00と遅い事などで、思ったような行動が取り辛い。 従って、不本意ながら、山行の出発時間は10時と遅くなってしまった。 それでは、これより北八ヶ岳の盟主・北横岳に登ってみよう。


雨池峠の樹氷林

・・ロープウェイの始発は9時。 いくら頑張っても、スタートは10時前だ。 夏山とは違って、冬山は出発地点での準備に要する時間がかなりかかるのである。 ロープウェイのほとんどの利用者がスキー行楽客だ。 やるせない思い(山を壊して成り立つ娯楽をなぜ楽しめるのか・・と思うのだが)を抱きながら、相反目する格好のスキーヤ達を見送って登山の準備をする。 

ロープウェイの駅を出ると、哀しいかな・・スキー場のゲレンデと化している。 ロープウェイが上がってくる方向の斜面は、見事にハゲ山になっている。 「こんな景色は見たくない」という思いを胸に、とにかく登山道らしき所まで急ぐ。 《坪庭》と呼ばれるハイマツと岩の庭園まで登ると、ようやく魅力のある山の景色を取り戻す事ができる。 ガイドはここから始めよう。 


スキー場のゲレンデを抜けると
雪と氷のワンダーランドが始まる

夏ならばハイマツと露岩が山水画のような情景を創造する《坪庭》も、冬は雪に大半が埋もれて荒涼たる眺めを魅せる。 この中につけられたトレースを伝って行くのだが、何分《坪庭》は広く、前人が間違った踏跡に入り込んでしまうと完全に道をロストしてしまうので注意が必要だ。
ここでは、あまり仕切りロープはアテにしない方がいい。 


自然の創造力が生み出した
天然の庭園・坪庭

なぜなら、登山道の仕切りロープは夏道で設定してあるので、冬道の論理は通用しないのである。 
ここで気をつける事は、雪原につけられた明快なトレースのみを伝っていく事である。 また、“リングワンダリング”に陥らない為にも、「北横岳は左手にある」という事を頭の片隅に置いておこう。 

さて、《坪庭》の終わりで、この溶岩台地を区切る谷に一度下って北横岳の山体に取り付く。 
この上下があれば、「道は正しい」という事である。 これに取り付くと、《坪庭》の全景を眺めながら山腹を斜めを切るように登っていく。 やがて樹林帯に突入し、ジグザクを切ってつめていくと程なく北横岳と三ッ岳の稜線上に飛び出す。 ここから左に5分もたどれは、《北横岳ヒュッテ》だ。 


樹氷林だけでなく
雪のキャンバスに映す影も芸術だ

ヒュッテの脇を下る道を行くと、《七ッ池》の池塘群がある。 夏ならば瞑想的な雰囲気を求めて散策するのもいいが、今は冬で凍結しているので見送る事にしよう。 ヒュッテから北横岳の頂上までは標高差100mの直登で、25分もあれば頂上に登り着く。 ヒュッテに荷物はデポして、身軽な身なりで北横岳を目指そう。

北横岳 2480メートル の頂上からは、樹氷原越しに望む南八ヶ岳の山なみや南アルプス、美ヶ原や霧ヶ峰の高原、浅間山や白銀をまとった北アルプスの山なみが大パノラマで迫ってくる。

北横岳発 絶景かな

北横岳は南八ヶ岳の
絶好の展望台だ


浅間山もキッチリと見渡せる


蓼科の魅せるまろやかな姿は
自然の想像しアートだ


南アルプスが
巨大な山塊を魅せて

但し、山頂広場は眺めはいいが吹きっさらしで、飛び交う雹でかなりの“痛み”が伴うので念の為。
ヒュッテまで戻って、デポした荷物を回収して往路を下ろう。 途中、三ッ岳との分岐があってこちらを行ってみたい所だか、三ッ岳の稜線上を連なる溶岩台地は岩間に雪が覆い被さる“落とし穴”地帯となるので、積雪期は通らない方がいいだろう。 


北八ヶ岳の難所
三ッ岳越を望む

往路を伝って下山し終えると嫌な気分にはなるが、一度スキー場のゲレンデまで出てテレマークスキーのトレースを伝って《縞枯山荘》を目指す。 夏ならば、広い《坪庭》の溶岩台地を斜めに切る短絡道があるのだが、冬は変にトレースから踏み出て進むと“リングワンダリング”に陥るので止むを得ず・・である。
山を壊す娯楽の跡をたどるのは承服し難いが、ここは明日の素晴らしき眺めで埋め合わせをしたいと思う。 明日の素晴らしき情景を夢見つつ、一夜を結ぼう。




朝のスペクトルに染まる縞枯山

  《2日目》 縞枯山を踏んで下山
北八ヶ岳の魅力は、何といっても美しい樹林であろう。 夏の静けさ漂う神秘的な雰囲気もいいが、雪と樹木のおりなす冬の『樹氷のアトリエ』も感動を与えてくれる。 夜明け前、空が僅かに白みかけた時、思い切って外に出てみよう。 


朝の空に溶け込む
三角屋根の山小屋
 
空を見上げて満点の星空だと、氷点下の澄んだ空気と夜明けの光がおりなす神秘的な光景が望めるだろう。 夜が明けるまでのスペクトルの空の移り変わり、そして縞枯れ帯の山肌がこのスペクトルの光を受けてオーロラに輝く、これぞ“氷点下の神秘”である。 


夜明けの光は
ゲレンデを芸術に変える

極寒に耐えた甲斐のある感動的な情景で1日が始まる。 さて、縞枯山へであるが、山荘から朝日の輝く方向に少し遡っていくと《雨池峠》の分岐に出る。 朝日の余韻がまだ残っているなら、先に樹氷原にいってみよう。 《雨池峠》から少し下ると、浅間山を背景にした美しい樹氷原が広がる。 
しばし、カメラ片手に『樹氷のアトリエ』で気の趣くまま創作しよう。


朝の空と凍てつく樹氷


朝日の光と樹氷林の隙間で遊んでみた


樹氷林と浅間山

日差しが高くを照らすようになったなら、《雨池峠》に戻って縞枯山へアタックしよう。
峠から右手に進路を取り、縞枯山の穏やかな山容とは相容れないキツい傾斜を登っていく。 
雪付きの傾斜なので、ピッケルとアイゼンは必需品だ。 


穏やかに見えた縞枯山も
登ってみると結構キツい

樹林帯の中を2~3度つづら折りを交えて直登していくと、程なく縞枯山 2403メートル 山頂に出る。 
残念ながら頂上は、周りを樹林に囲まれて見通しが悪い。 展望を望むならば、頂上から10分程先にある《肩の展望台》までいこう。 この展望台からは、360°の大マノラマが広がる。 


広大な縞枯山の樹氷原


樹木も凍る厳しい寒さ


岩も樹木も凍って

縞枯山の樹氷原を心ゆくまで堪能したなら往路を戻る。 縞枯山荘を経てロープウェイの山頂駅まで1時間ちょっとで戻る事ができるだろう。


縞枯山の樹氷原は
いくら撮っても撮り足りない


名残惜しいけど
ひとまずさらば

    ※ 詳細はメインサイトより、『北八ヶ岳』を御覧下さい。

















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No title * by gre*n*hub*32
筆舌に尽くし難い八ヶ岳の美しい冬景色で、寒さを感じさせないほどで、引き込まれそうでした。

➤❮やるせない思い(山を壊して成り立つ娯楽をなぜ楽しめるのか・・と思うのだが・・)を抱きながら、相反目する格好のスキーヤ達を見送って登山の準備をする❯・・・お気持ちは分かります。自然を愛する方なら誰もが持つ心情です。
私も自然環境を破壊する娯楽施設の開発には常に苦々しく思っています。

☆ナイス!〜

No title * by 風来梨
gre*n*hub*32さん、こんばんは。

氷点下20度近くまで下がってるのに、シャッターを切る指が熱く感じる自分がいました。
朝のグラデーション豊かな色彩は、言葉で表現しきれません。 ただ呆然と眺めるのみですね。

それと、自然に最もダメージを与えるのが、スキー場の建設と、個人の行為ならペット犬の連れ込みですね。

私はペット犬を自然界に連れ込む輩は、チョン同様の扱いをしてます。

尤も、ペット犬を山に連れ込む輩の集まる団体のトップは在日だし。

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No title

筆舌に尽くし難い八ヶ岳の美しい冬景色で、寒さを感じさせないほどで、引き込まれそうでした。

➤❮やるせない思い(山を壊して成り立つ娯楽をなぜ楽しめるのか・・と思うのだが・・)を抱きながら、相反目する格好のスキーヤ達を見送って登山の準備をする❯・・・お気持ちは分かります。自然を愛する方なら誰もが持つ心情です。
私も自然環境を破壊する娯楽施設の開発には常に苦々しく思っています。

☆ナイス!〜
2016-01-25 * gre*n*hub*32 [ 編集 ]

No title

gre*n*hub*32さん、こんばんは。

氷点下20度近くまで下がってるのに、シャッターを切る指が熱く感じる自分がいました。
朝のグラデーション豊かな色彩は、言葉で表現しきれません。 ただ呆然と眺めるのみですね。

それと、自然に最もダメージを与えるのが、スキー場の建設と、個人の行為ならペット犬の連れ込みですね。

私はペット犬を自然界に連れ込む輩は、チョン同様の扱いをしてます。

尤も、ペット犬を山に連れ込む輩の集まる団体のトップは在日だし。
2016-01-25 * 風来梨 [ 編集 ]